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日本政治の行く末(11):石原の責任論/マツチポンプ#2

2014-04-15 | Weblog

**この記事は2012年にイザブログに公開したものですが、この3月でイザブログが終了となり、本ブログに移し変えました。管理人**

2012/10/11 14:45

(Part7: 石原慎太郎の責任論/マツチポンプ#2)

:この6月、ロンドン五輪の陸上競技男子やり投げ予選で優勝し、初の五輪代表に内定した二十歳の早大生、ディ-ン元気選手。父は英国人、母は日本人だ。その父の祖国での五輪出場に最高の親孝行となった。

・場内での優勝インタビューで、「サンキュー、ダディー(パパ、ありがとう)」と、スタンドに駆けつけた父に向かって叫んだ。何ともほのぼのとした父子愛を感じさせるものだった。それに比べて、石原父子はどうだろうか。

:9月26日の自民党総裁選。5候補が乱立するなか、一回目の投票では過半数の獲得に至らず、上位2人による決選投票となった。その結果、安倍晋三が石破茂を破り、第25代総裁に選出された。

・与党民主が自滅するなかでの総裁選だっただけに、来るべき衆院選で野党自民が第一党に返り咲き、新総裁は首相となる可能性をはらんでいた。

・そのため長老三衆の動きは早かった。最大派閥の影の領袖・森喜朗(町村派42人)、引退後も影響力をもつ重鎮・青木幹雄(額賀派28人)、それに古賀誠(古賀派32人、一部旧谷垣派)は、8月には都内で密談を重ねていたという。

・派閥の重鎮支配を嫌い自分達と距離をおく谷垣禎一総裁に出馬を断念させ、自分達になついている石原伸晃幹事長(山崎派)を「傀儡」候補者として擁立する企てにでた。これが「平成の光秀」の誕生だった。

・9月2日の地方講演で、石原は「谷垣を支えるために政治をやっているのでない」と発言し、谷垣降ろしを宣言する。それまで「谷垣が出馬した場合は支援する」と繰り返し表明していた男が、長老の企てにのせられ谷垣を裏切った。

・今回の自民党総裁選は、国会議員票(198票,棄権1票)と全国47都道府県連ごとに開票された党員・党友投票に基づく地方票(300票)の合計で争われた。

・石原は、長老世代が支持固めした国会議員票96票を獲得し3位につけたが、現地の民意の声に近い党員票は38票にとどまり脱落した。自らを世代交代の担い手とアピールしながら、裏では長老世代に支持を媚びるさもしい行為こそが敗因だ。

・本来は執行部が同じ思いで一体となって、再選に向け現職の総裁を支えるものだが、幹事長という家臣の身分で、主君の総裁に背いた「謀反人」というイメージが定着してしまった。

・かって、父親の石原慎太郎も息子同様だった。国会議員時代には、議員仲間からの人望もなく、「派閥を率いて子分にカネを配る」だけの実力もなかった。ただ、特権意識とプライドだけは強く、誰もこの男を相手にしなくなった。その証拠に、1989年の総裁選の時には息子同様に、立候補に必要な20人の推薦人すら集めることに苦労している。息子が平成の「光秀」なら、当時の党内石原慎太郎の存在は、選挙時の「人寄せパンダ」だった。自分でもそれががまんならなかったので、任期途中で議員を投げだしている。

・26日、記者団から新総裁安倍の誕生を聞かされると、都知事石原は「ノット・マイ・ビジネス(自分には関係ない)」と答えている。だが、その答えと裏柄に、自民総裁選は石原の最大関心ごとであったはずだ。そのへんの真相を動画サイトが暴露している。投稿者は、8月19日に自ら魚釣島上陸を敢行したチャンネル桜の社長水島聡だ。石原のお友達でもある。

・動画内容には触れないが、石原が呼びかけた寄附だが、当初は、民間地権者から尖閣諸島の土地不動産購入の資金集めだった。ところが、地権者が国に売却の意向を示すと、あわてた石原が首相野田と密談すると、船だまり、灯台、電波塔といった施設建設の工事資金に流用する話に変えてしまった。サギ行為だ。たとえ数千円でも寄附したなら、返還を要求すべきだ。要求に応じない場合は、石原を集団で提訴すべきだ。都知事の立場での寄附集めは、尖閣購入計画が都議会の同意を得ていることが条件だ。その同意なくしては、購入の主体は東京都ではなく、石原個人にあるからだ。

・本ブログで、以前、「ポンポン山住民訴訟」を取上げた。京都市がゴルフ場予定地を購入したが、購入額が不当に高く、市に損害を与えたとして、市民団体が提訴し、当時の市長に26億円の返還命令がくだされた事件だ。市長は土地購入に市議会の議決を得ていたにもかかわらず敗訴した。

・    石原の場合は、議決がないままに、尖閣購入計画を進めたものであり、極めて悪質だ。約14億円の寄附金の返還要求ばかりでなく、米国紙の意見広告費、尖閣の調査費用など尖閣購入の名目で出費された税金の弁済もあわせて、石原個人に請求すべきだ。

 (続く)

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