フウラン マンポウ(漫歩)・風蘭と友達、旅と花

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種から育てる ツクバネ 総集編

2007年05月14日 | ◇ツクバネ
 鉢植えで 種から育てるツクバネ の総集編

ツクバネの概要詳細はこちら参照願います

はじめに
ツクバネ栽培に挑戦するに当たり、ツクバネの特性を知りたくて、自生地の調査や生産者
・愛好家宅を巡って色々な事を教えてもらった、おかげで分かったことが沢山ある。
ツクバネの鉢植え栽培は難しい事も分かった、終局として(果実や花が咲くようになる
と)可能なら地植えをお勧めする、私のように庭が狭くそれが困難にてどうしても鉢植
えが必要な場合はダメモトで始める、要は挑戦だ。
種から育てると開花は5~6年後以降にて、雄木の方が1~2年早く咲き始める、
花の咲く時期にしても場所にも差があるが、雄花の方が10~20日程早く開花する。

画像は発芽状態である、緑枠の部分が先に芽をだした。ここはよく肥えた一回り大きな
種を播いた場所であり、芽出し苗も大きい。普通一般的に多く見られる種は痩せていて
小さい これはやはり痩せたヒョロヒョロした芽が出る

ツクバネの種を蒔くには3通りの方法がある。
1、直接宿主となる親木のそばに種を蒔く、直接播き。
2、発芽(発根)確認の出来たものだけを親木のそばに移植する、発根播き。
3、1&2の混合、直接播きの発芽しなかった場所に発根済みの種を移植する。

種が発芽可能か否かの判断が出来るなら1番の播き方が良さそうだが、種に土を被せる
ので比較的温暖な地方では播いた種が腐り易いと云う欠点もある。何れも一長一短が
あり3番が合理的のように思われる、好みでやるとよいのでは。
植える種の数量は、鉢内親木1本に対しツクバネは10~12個付けてやる。
以前は5~6個だったようだ。 ツクバネには雌雄があり果実を付ける雌木の出現率が
3~5本に1本の割合と低い、更に最近では、雌木の方が体質的に弱く、雌雄株を同鉢
内に昆植で栽培していると根同士がケンカして何故か雌木の方が多く枯れてしまうとか
。中には雄木は2年程早く花を咲かせるので見つけ次第排除してやると雌木が大きく
立派に育つと言う方までいるほどだ。果実を付る6~8年生苗頃以降までの間に雌木が
枯れてしまう場合が多い事が分かり、播く個数(本数)が多くなったようだ。

●準備するもの●
1、寄生宿主とする親木の確保。
2、植え土と鉢。 中・小粒の赤玉土・鹿沼土を7:3で、2つの鉢分用意する
3、ツクバネの種。

種蒔きの開始。
ちなみに、画像はまだ種蒔きの本質の分からない時期に、適当なモミジを買ってきて
直接播きを行ったもの、4ヶ月半を過ぎた頃中身がどうなっているか知りたくて鉢から引っこ
抜いた状態である
。10個播いたが半分が腐っていた。

1、寄生宿主とする親木の管理。植え土を軟らかくするため根詰まり状態で固くなった
ものは植え替える且つ、根が鉢縁まで伸びるよう培養しておく。植え土も種蒔き用と
統一するのが良い。統一出来なくても全部枯れることは無いのでソコソコに。
・種蒔きより半年又は1年程度前より準備する。
・親木の種類。 ヒバ(檜)類・モミジ。モミジが成績は良いが管理が難しいのヒバ類
を使用する。
・鉢は3.5~4.5号程度。従ってヒバ類の背丈は40~60センチ程度が適当。
これより親木が小さいと鉢サイズが基本なので、根腐れの可能性が高くなり培養が難し
くなる。

2、ツクバネの種子確保。
購入するのが効率的である。購入種子は運が悪いと約50~60%程度不良が混じるの
でこれを考慮して数量を決める。

3、種子の選別。
種子の表面はまだ青味が残っている、この青味の中で茶色く変色している部分が所々
に広がって
実が弾けんばかりにポリンプリンしているのが最良である
このようなのはギリギリセーフ?か、このようにシワシワシワは直ぐに腐りが入るので
不良種である。

種子の選別が終われば種蒔きである。
4、種蒔き。ここでは発根播きを紹介する。(10月22日実施)
入手したら即種蒔きを行う、種子は乾燥に弱いので早く蒔く方が湿度管理が楽。
種蒔きと云っても、発芽専用である。その後発芽が確認できた種から前もって準備して
おいた親木の元に植えるのである。このとき親木の土が根詰まりなく軟らかいと作業が
楽であるから、半年又はそれ以前より準備しておく訳だ。

鉢は浅鉢、用土は親木を植えたものと同じ土を使用する、同じ土を使うのが原則である。
種子を横置きに並べたら薄く土をかける(水を遣ると表面が一部顔を出す程度、顔を
出したものは隠れるまで押し込む)又は、水をやっても種子が動かない程度の(種が
半分前後隠れる程度)土をかけ、やや暗くしてやる為その上に軽く絞った水苔を薄く軽
く被せておく。 これで種播き完了である。

種蒔き後の管理。
土表面(又は水苔)が乾きだしたらスプレーで霧吹きして(軽い湿度保持を)やる。
10日に1度くらい細目ジョウロで水遣りも行う(水苔分は鉢のまま、水苔が漬から
ないよう鉢を7~8分程度水に1・2分浸漬させる。

5、発芽と移植

約4~7ヶ月間で発芽。発芽(根が顔を出す)時点で順次取り出し、準備してある親木の
根元に埋めていく(芽出し鉢から親木のある培養鉢に移し替えて種を埋め直す要領)。
画像は準備しておいた親木の根の状態である、この根をほぐし一回り大きな鉢に植え替
えてから発芽した種を植えていく。
植える本数は1鉢に10~12個程度が目安である。
親木の幹よりも4cm以上離して植えるのがコツにて、将来大きく成長した時枯れる
要素が少なくなる。一般的に売られている苗は小さな鉢で育ててあるので間隔が確保
出来てないので入手したら即大きな鉢に移すこと。

その後の管理。
水やりは土表面が乾き始めたら行う。
置き場所は、一日2~3時間直射が取れる半日陰が良い、但し、夏場の直射はよくない
日陰ばかりで直射が取れないと雄木は開花するが雌木は花が咲かない。風通しの良い
涼しい棚にて、夏場の夕方は葉水をすると元気を取り戻す。
冬期根を凍らすのも厳禁だ。
下の画像は、購入分に追加植えをし2.5~3ヶ月経った状況である、手前6本の小ぶり
なのが今回種から育てたもの。購入時は2本しかツクバネ苗が育ってなかったので発芽
させたものを追加植えした訳だ。

肥料は発酵済み油粕を少々と、液体肥料2000倍以上を4~5日に一度やる。
アブラムシが付きやすいので殺菌殺虫剤は月1回程度必要。

ツクバネの発芽はその後30個ほど続いた、その度に別の鉢に移植した。まだ発芽は
当分途切れそうもない。




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