

今回は大好きな「富嶽」を植え替える。
暖かさを感じ根は動き出しているが水はもう少し辛抱し中苔は濡らさないように注意する。
この方が後の管理が楽だ。

やや長め(20センチ前後)の国産水苔を入手しスプレーで軽く湿らせておく。
根と中苔及び化粧用上苔との馴染ませ用と、根をしっかり押える化粧用に使用。
本来は中苔と同じ保水性の圧縮物を使用すると良いが、国産の方が作業が早い
のでこれを使用している。

中苔(前回紹介の植え替え1を参照)の乾燥させた物を使用。
自然界では木肌であったり岩に相当するものでフウランの木を安定保持
出来る堅さがほしい。堅いと締まった株になる。
軟らか過ぎてフワフワだと根が安定しないので育たない。
これが軟らか目だと特定の根だけ元気が良過ぎフウランの葉が伸び過ぎ
又間延びしてしまう。(若木や弱った株はこの植え方で回復を図ると良い)

馴染ませ用の苔を十文字の要領で10数本乗せていく。
これは、中苔は保水率の良い圧縮苔であり根を押えている国産水苔とは保水性が
異なる事で根の嫌気性が出て、中苔には根が密着しない場合があるのでこれで
カバーするのである。

古い水苔を取り除き水洗いした株(水道水は殺菌作用があるので必ず実施)

フウランをまたがらせ載せる。
続いて下になっている一部の馴染ませ用苔を根の間より引っ張り出し根と根の
間や下に位置させ根に苔が左右・後方から接触させるイメージがよい。

上苔を、根を押える目的でタスキ架けの要領で強く巻く。

今度は抜き取り空洞にピンポン玉程度の絞った水苔をシッカリ奥まで押し込む。
加湿対応が無い場合は根元が乾き過ぎ葉が細るのでその対策である。

鉢に上水苔をシッカリ張りながらおさめる。
鉢は小さ目が良い、根が鉢壁に到達し逃げ道に迷い枝根を出して這い回る頃
フウランが太る、この頃一回り大きな鉢に根を軽くほぐして水苔を補充し
入れ代えてやると効果的だ、盆栽経験者なら誰でも?知っている、鉢緩め
という技術だ。
植え替えすればするほど太ると言うのは大ウソ。たまたまこの時期に株分け
等が発生し植え替えが重なったため本質が分からないまま太ると信じている
だけだ、
植え替えは人間で言うなら大手術と同じだ、度々遣っていいはずが無い。

中苔と根の間に隙間が出来ている。

ここにピンセットで水苔を詰め根に出きる限り水苔を接触させてやる。

その上から上苔を強く引っ張り巻いて終了である。
いくら強く根を押さえようとしても水苔なので強すぎると切れてしまい
強く巻き過ぎになることは無い。(糸類を使用する時は強すぎに注意)
フウランの根元1センチほどは水苔は巻かない方が根腐れが少ない。
最後にマグアンプKの大粒を3個程度鉢隅に押し込んでおく。
少々の肥料は地合いに艶がまし且つ斑のコントラストが鮮明になる。
これは秋が過ぎ冬が近づくと取り除くと良い、何時までも肥料が効いて
いると日照との関係で間延びの原因になるからだ。