マルソータの道楽日記

東京湾・相模湾の沖釣りと釣り魚料理のブログです。今日も皆様の大漁をお祈りしています。

マルソウダとヒラソウダ

2010年10月21日 | 魚の話
さて、マルソウダとヒラソウダの違いですが、体形が違うのでマサバとゴマサバのような判別不能個体に遭遇することはまずないと思います。でも、船上でソウダカツオを1尾だけ釣ったとき、比較対象なしで自信をもってこれはマル、これはヒラといえるでしょうか?

判別のポイントは

(1)エラの上端の色
   マルソウダは背中の黒いところとエラの黒いところがつながっている。
   ヒラソウダは切れている

(2)体側のうろこの形と後端の位置
   マルソウダはうろこが徐々に細くなり第2背びれの後ろまでうろこがある。
   ヒラソウダはうろこが急峻に細くなり第2背びれの途中でうろこが終わっている

<マルソウダ>



<ヒラソウダ>


(2)で見分けるのがわかりやすいと思います。

マダイとハナダイ

2010年04月12日 | 魚の話
マダイとハナダイの識別ですが、以下のポイントがあります。

(1)尾の淵の色、マダイは黒ですが、ハナダイは赤です。
(2)えらぶたの淵、ハナダイは血がにじんだような赤です。
(3)背びれの第3、第4棘突起が特に長いのがハナダイです。

そのほか、ハナダイは体形が全体的に丸く、ころっとした印象を受けます。
船長は近くでみなくても、海中で見ただけですぐわかるみたいです。
おそらく体形の違いで識別していると思います。

この写真ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、尾の淵の色の違いは
わかるでしょうか?
魚屋などで見分けるときは、ここをポイントに見るとよいと思います。
食品の表示が今ほどうるさくなかったころは、ハナダイをマダイと称して売って
いました。最近はどうだろう?


サバについてのクドい話

2010年03月08日 | 魚の話
今回比較的よいマサバと通称”あいのこ”というも釣れました。
<↓上 マサバ 下”あいこの″>


″あいのこ”は普通のゴマサバほど体側の斑点が不鮮明という点に特徴があります。
しかしてその正体は???
マサバとゴマサバの形質的な違いのひとつとして、背びれの棘突起の数があります。
マサバは10以下、ゴマサバは11以上といわれています。
しかし、これも決定的な同定方ではなくなぜなら棘突起が体外に出ていない個体もあり、
レントゲンを取らないとわからない・・とか。これでは船上で判断できませんね・・・
で、この写真の個体ですが、上は棘突起が9本、下は11本でした。いずれも一番小さい
棘は外からは見えず、さわってみないとわからない状況でした。
なので、正体は上はマサバ、下はゴマというわけ。
今回キープしなかったのですが、明らかに体側の斑点がもっとはっきりしている
ゴマも釣れました。
魚は住む場所の環境によって同じ種でも色や形状に多少の違いがあります。
メバルなど相模湾と東京湾ではかなり体色がちがいますよね。
サバ類は回遊魚なので、そういうことはないと思うのですがこうした個体差がでるのは
なぜ???
それはそれとして、関心の味はどうだったのか?
またこんど。



奥が深いマサバとゴマサバ

2010年02月22日 | 魚の話
さて、マサバとゴマサバの件で、少し調べてみました。
するとどうやらハイブリッド(あいの子)がいるのは、
水産関係者の間ではよく知られていた事実のようです。
しかし、その発生確率は0.1%と、ごくまれのようで・・・
わかったことは
(1)そもそもマサバとゴマサバを形態で100%識別するのはプロでも無理。
   個体差により、形態的には識別不能の個体がいる。
(2)それとは別に1代限りにハイブリッド種がごくまれに存在する。
   形態的には両者の特徴を併せ持つ。
(3)確実な識別はDNA解析しかなく、簡便な方法が水産試験場の研究テーマになるほど
   たいへんらしい。

なので、今回釣れた個体がハイブリッドかどうかはわからず、
どうも確率的には判別がむつかしい個体だったと思われます。
ちなみに身質はゴマサバに近かったような気がしますが、食ってしまったので
すべてはあとのまつりです。
それにしても海の中はややこしいことになっているようです。
1代限りの交雑が頻繁におこるとすれば、これは種にとってはまずいことで、やがて
絶滅してしまう可能性があります。また、ハイブリッド種に生殖可能な突然変異が
あらわれて定着すればいずれマサバ、ゴマサバは絶滅し、ハイブリッド種が生き残る
ということになるのでしょうか。
識別不能個体というのの実態が気になります。生殖可能なハイブリッド種
という仮説がなりたつのではないでしょうか。

タイノエ

2010年02月08日 | 魚の話
マダイの口内に宿っていた寄生虫ですが、和名でタイノエ(鯛の餌)というそうです。
ネットで検索すると写真付きでたくさん出てきます。みんな感心があるらしい。
さて、このタイノエは魚の口内に寄生し、魚が食べた餌から養分を取るようですが、
多くの場合、雄雌つがいで寄生しているそうです。今回も大小2個体がいました。
つがいで仲良く、タイの口の中で一生を送るというのもなにかロマンを感じますね。
また、雌雄同体で、先に入った方が雌、あとから来た方が雄になるらしいです。

ところで、五郎丸のハナダイ船超常連のAさんによるとごくまれに、このタイノエだけ
がハリにかかって釣れることがあるらしいのですが、雌が釣られた場合、
残った方はどうなるのでしょうか。さらに次のタイノエが来た場合、
そいつは雌になるのか雄になるのか・・・
興味はつきません。

このちょっと不気味な姿のタイノエですが、縁起がいいとのことです。