こんな映画を待っていた。
そう断言できるぐらいツボ映画でした。
第二次世界大戦真っ只中のイギリス。
売れない画家の夫とロンドンで暮らすカトリンは
生活費を得る為、情報省の面接を受ける。
そこには映画会社の先客がおり、
しばらく待たされたあと面接を受けた。
採用が決まり、帰ろうとした彼女に
先ほどの映画会社の人間が声をかける。
「これを書いたのは君だろう」と
ポテトの包装に使われたクシャクシャの新聞を見せられる。
「君はコピーライターか」
「コピーライターの秘書をしていました。それは
ライターが召集された為に書いたものです」
彼女を呼び止めたのはバックリーという脚本家。
彼女のコピーに才能を感じた彼は彼女を
自分の会社と掛け持ちで働かないかと誘う。
「情報省の給金だけでは・・・」
「そこは考慮するよう伝える」
その言葉にOKの返事をしたカトリン。
翌日から彼女は情報省のプロパガンダ用映画のネタを
女性の感性を持って探すよう指示される。
彼女が目を留めたのはダンケルクの救出劇に参加した
双子の姉妹の新聞記事。
早速、インタビューに向かわされた彼女は
意外な事実を持って帰ってきた。
報告会議の席で情報省の長官が事実を知ると、
映画製作が中止になると感じた彼女は
事実を隠し、これはプロパガンダにうってつけの・・・
GOサインがでた映画の脚本が書かれ始めると、
彼女の仕事もバックリーが書いた脚本を
映画用の台本へ落とすものへと変わる。
最初に落とした原稿を見たバックリーは
「長い、もっとけずれ」と指示する。
「どこを」と困惑するカトリンに
「いらないところすべてだ」と。
徐々にコツをつかんだカトリンの書く台本は
バックリーが彼女に目をつけたときの”キレ”が
反映されていく。
もう少しあらすじを書こうかと思ったが
そうすると、この3倍ぐらいの長さになってしまいそうだ。
(それに書いてしまうと映画の面白さを損なう気がする)
とにかく、この映画には(自分好みの)映画の良さがすべて詰まっているんだ・・・と
どこかのアニメの台詞を流用したくなるほど
自分のツボを的確についてくる。
癖のある脚本家や役者、ストーリー展開。
イケメンの英雄、ただし大根。
更に家庭内の・・・。
ただ、ラス前のあの展開は「そんな展開はいらんぞ」と
思ったのだが、まぁ、何とかいいところに収めてくれました。
元々、映画「ダンケルク」で感じた自分の知識の乏しさを
補完しようかと観に行った映画だったが
意外な当たりくじを引いたようで大満足。
この映画、今年の自分的ベスト10に入れたい1本になりました。