僕だけがいない街

途中で犯人を晒してしまうまでは非常に良かった。
もともと、犯人探しがメインとは考えていない
製作者の判断だったのだろう
（ラストのナレーションでそう感じた）が、
観客の多くが謎解きモードになっていただろうから
これは痛い。

犯人を晒した後の展開が（原作をいじってでも）
もう少しなんとかなっていたら、
また違っていたのだろうが・・・。
原作未読の為そのあたりはどうなのかなと・・。

まぁ、それはそれとして、
面白くなかったかと問われたら
予想以上に面白かったので・・・。
何より、大人の悟と子供の悟の
シンクロ度が素晴らしい。
エンドクレジットで「・・・、鈴木梨央 。（ああ、あの女の子やな）
中川翼 。（えっとこれは？・・あっそうか）」といった具合に
子供の悟君も藤原竜也が演じているような錯覚に嵌っていた。
とにかく、配役が絶妙だと思う。
あの犯人さえ・・・。あれがなければ
完璧だったのになぁ。

Ｍｒ．ホームズ 名探偵最後の事件

あのホームズであっても、加齢による記憶の
喪失に悩まされていたある日、
兄の遺品の中から彼の知らない事件簿を著した
亡き親友ワトソンの著作をいくつか発見した。
その中に彼が引退を決意した事件簿が・・・。
だが、その事件の謎解きも犯人の動機にも
納得しないホームズは、その事件簿を正そうとするが、
まったく思い出すことができず、
わずか数ページを記すに留まっていた。
そんな時、日本の梅崎という男から
熱心な日本訪問の招待を受け、
戦後の傷跡の残る日本を訪れる。
ホームズが招待を受けたのは
日本の山椒が自分の記憶障害に効くと考えてのこと。
また、梅崎にもホームズを招き
どうしても尋ねたいことがあったのだった。

帰国したホームズは生来の観察眼の鋭さから
「最後の事件簿」を誰かが読んだ形跡を発見する。
犯人は家政婦の息子のロジャーだと看破し
彼に人の物を勝手に読まないよう注意するが、
ロジャーの聡明さ好奇心の強さに自分の記憶が刺激され、
思い出せなかった記憶が蘇ることに気がついた彼は、
ロジャーに続きを読ませると約束をする。

先日観た「ＳＨＥＲＬＯＣＫ／シャーロック　忌まわしき花嫁」よりも
こちらの方が自分は好きだ。
物忘れや、心身の自由がなくなっていく老いに対峙し
戦うことをあきらめない人間ホームズを感じた。
そして、彼が最後に蘇らせた真相は、
そんなホームズが引退を決意するのもなるほどと
納得できる内容だった。さらに、
そこで、足を止めることをせず、
遣り残した事に新たな決着をつけて先に進む
新ホームズの誕生を見た気がした。（なんのこっちゃ？）