9月14日、水戸市福祉ボランティア会館ミオスで、茨城視生会の講演会&納涼会が
あった。
茨城視生会の特徴というか、私の気に入っているところは、総会であろうが、講演会
であろうが、コンサートであろうが、視察研修であろうが、必ず懇親会が付き物である
ということである。
懇親会の付いていない催しものといえば、お酒と料理を楽しむ会や、今度の講演会&
納涼会のように、初めから宴席が設定されている行事である。
つまりは、集まるたびに飲んでいるということになる。
それはともかく、有賀絵理さんの講演は、天災人災が相次ぐ昨今だけにタイムリーな
ものである。そして、障害者の切実なテーマを、同じ障害を持つ立場から、分かりやすく
お話ししていただいた。
講演のテーマは、「災害時要援護者の制度と問題点について」で、講師は茨城大学講
師の有賀絵理さん。
自らも障害を持ち、車いす生活をしながら、福祉行政の充実を求めて活動している。
東日本大震災でも、障害者の死亡率が倍以上もあったということからも明らかなよう
に、災害時の障害者は、非難することが極めて困難なだけではなく、即時に生命の危機
の渦中におかれてしまうのである。
現在市町村で、災害時要援護者制度のアンケートがとられている。この制度の対象者
は、市町村によっても差があり、要援護者の登録台帳の調査方法についても、障害者に
も民生委員にも事情がよく分からない状況だとのことである。
まず市町村の担当者にあって、制度の内容をよく知ると同時に、アンケートや台帳に
ついても説明を受けなければ判断し難いものである。
障害者権利条約の批准国となり、程なく障害者差別解消法が施行されるというこの期
に及んで、「私たちのことは私たち抜きに決めないで」という権利条約の精神にも程遠
く、まだまだ旧態依然とした行政主導で進められている。
法整備をしたから良いということはなく、心のバリアフリーを広げていこう。
そして、ハンディを乗り越えて、障害者自身の要求と活動が今後の動向の決め手とな
ってくる。
以下に、有賀さんの著書を紹介する。
著者 有賀絵理
書名 「災害時要援護者支援対策」 ー 心のバリアフリーを広げよう
出版 文眞堂
定価 1296円(税込)