視覚障害者が、音声パソコンを学び活用していくために、立ち上げたもう一つの会が
パソボラ結城である。
視覚障害者にとっての三つの不自由といわれるものの一つに、情報・読み書きの不自
由というのがある。これを克服するために約七年間ほどお世話になったパソボラ茨城が
、残念なことだが昨年に解散してしまった。
私が、曲がりなりにも音声パソコンを習得できたのは、茨城県がひらいた視覚障害者
IT教室に何度か参加したことと、その後のパソボラ茨城に入会して活動してきたことに
よる恩恵だともいえる。
そのため、今度のwindows8へのパソコン更新に対応して、前パソボラ茨城会員で、
結城市在住の肢体不自由者Tさんと協力して、今度はパソボラ結城を立ち上げることに
なったのである。
これは、パソコン交流会のような、特定組織内活動とはまた違って、視覚障害者によ
る音声パソコン技術向上の、サポートボランティアを基本とする任意の会である。
これには視覚障害者のみならず、健常者の参加も必須となってくる。
また結城市のみならず、近隣市町村の障害者や健常者にも呼びかけたい。
私の知る限りでも、まだ多くの視覚障害者が、音声パソコンの活用を希望していて、
これに対応した支援指導体制が、ほとんどとれないというのが実態である。
今年ようやく、国連の提唱した障害者権利条約を批准し、来年には障害者差別解消法
が施行されるというのだが、まだまだお粗末なこの国の福祉政策は、これが現実なのだ
と認識しておかなければならない。
法整備に基づく障害者権利向上の運動も、当然のことながら進めるとともに、障害者
自身が、もちろん能力には限界があるにしても、積極的社会参加が求められるだろう。
こういう状況の中でも、県西地域の視覚障害者協会支部の解散が相次いでいるという
のは、近年障害者運動が向上しているにもかかわらず残念なことである。
今度のパソボラ結城では、県西地域の点在会員や未組織障害者にも声をかけられるよ
う、何かと手立てをとていくようにしたい。
現に、パソボラ結城やパソコン交流会に入会してきた視覚障害者の女性が、前向きで
活気あふれる姿を見て(見えないので想像して)、このパソボラ結城とパソコン交流会
はしっかりと軌道にのせていきたい。