北嶋誠のブログ

私の考えていること、言いたいことなどなど。

秋が終わったら

2009年12月04日 20時52分24秒 | Weblog
 「秋が終わったら みんなで集まって 囲炉裏を囲んで やみなべ大会」

 「そんなに昔のお話ではない みんなで味わったあの日のやみなべ どこかで人間を信じていたから」とは、ヒューマンファーマーズのレパートリー「やみなべ」の歌詞の一説である。

 やみなべには、一体何が入っているのか判らない。人間を信頼して食べるのか。人間を疑って食べるのは思いとどまるか。ここ数年来は食品偽装自験、残留農薬やかび毒汚染の輸入食品など、儲け優先の市場原理のもとで、食の安全を脅かす問題が頻発している。それだけに、人間も食べ物も信用し難いという方も多いのではないだろうか。

 因みに、失明した私の場合は、常時やみなべ状態である。したがって、好むと好まざるに関わらず人間を信じて食べるしか生きる道はないのである。

 収穫の秋も終わって、いよいよ師走である。既に早々と、各方面で忘年会なども始められている。

 11月23日の勤労感謝の日には、各地でこの秋最終ともいえる農業イベントが開かれた。この日は、かつては新嘗祭とか、明治以後から戦前にかけては秋季皇霊祭などと称され、収穫を祝ってきたようである。

 ところで、今年は米や野菜の価格が大暴落し、困難な農業経営に、さらに追い討ちをかけている。

 それでも、この秋の土日祝祭日に開催された野外行事は、概ね好天に恵まれ、特に農産物直売コーナーはどこでも大盛況であったようだ。

 食糧自給率の異常なまでの低さや、昨年の農薬餃子や汚染米自県などは、消費者の関心を高めるのには余りあるものであった。今やその意味では、日本国民総やみなべ状体と言っても過言ではないだろう。

 ヒューマンファーマーズの歌「food of 風土(食は風土のめぐみ)」では、「長生きしたけりゃ 四里四方 風土の恵み 旬の味 医食同源 身土不二 郷土料理で スローフード」と歌っている。

 近頃は、行政までもが地産地消などと唱えてはいるが、これは比較的新しい造語である。もともとこれに類する言葉、同義語は、この国だけではなく世界的にもたくさんあった。

 農産物価格が安値状態であることも拍車をかけてはいるとは思うのだが、安全新鮮、栄養価も高い地場産農産物を求める消費者が増えているのは当然のことだと思う。

 お天道様のもとで、正々堂々と作られた地場さん農産物を、自分で料理して食べる以外に、やみなべ状態を脱する方法はないのであろうか。

 とにかく、わが百姓フォークヒューマンファーマーズも、農民や消費者に共感を呼ぶ歌を歌ってこその面目躍如である。まだまだやることはたくさんあるのだが。

いわき朝飯前コンサート

2009年12月03日 22時45分35秒 | Weblog
 11月21日のいわきコンサートの晩は、学童保育施設の、丘の上の校舎で宿
泊となった。と言うより、いわき雑魚塾とヒューマンファーマーズによる、夜を徹しての歌の交歓となった。

 昼間のヒューマンファーマーズコンサートの頃から、雑魚塾のリーダーである
けんちゃんは、既にハイテンションの状態であった。
 笠木透さんの歌はほとんど歌えると言うけんちゃんだが、この日のコンサート
では、演奏中の私たちの目前で、おもむろに「米お配ろうー」とか「食糧主権がー」とか、新曲の「ライスボート」や「食糧主権が世界を救う」のサビ部分を歌いこなしていた。しかも、歯切れの良い正々堂々たる歌いっぷりであった。

 ところが、この日は夜になってもハイテンションはおさまらず、けんちゃんは
勢い余って、日ごろからお世話になっている方に迷惑をかけてしまったようで、「家に帰って反省しなさい」と、寒い夜のいわきの町につまみだされてしまった。

 だが、そこはさすがに雑魚塾のリーダーである。程なく舞い戻ってきて、ちゃ
っかりと合唱の輪に加わっているではないか。

 深夜フォークジャンボリーは、延々と3時半頃まで続いた。

 そして睡眠もそこそこに、5時30分には起床して、いわき市内で早朝6時か
ら開催されている農産物朝市へと向かった。

 既に始まっていた朝市の会場で、6時半頃から終了時間の8時まで、またまた
延々と、いわき雑魚塾&ヒューマンファーマーズによる朝市フォークジャンボリーを繰り広げた。

 多少寒くはあったが、やはり百姓フォークは野外がよく似合う。与えられた商
業音楽ではなく、地域の人々による地域での音楽文化が求められているだろうし、私たち自身もそれぞれの地域でそれを実践して行きたい。食べ物も音楽文化も地産地消である。そう改めて感じた。

 それにつけても、雑魚塾には感心した。地道な暮らしと音楽活動の中で、1曲
1曲体節ジナル創作を進め、着実に歌い育てている。

 ちょっと大げさに表現すれば、雑魚塾こそ地域に根ざした愛と共同のフォーク
ソングチームだと言える。だが、彼らにとってはこれがごく自然な生活スタイルなのだろう。そこが良いところなのだと思う。

 とにかく、いわき雑魚塾の皆さんからは、何かと得ることが多かった。今後と
も、お互いに良い影響を与え合える関係でありたいと思う。