2015年、今年は何の年と言われると、未年ということである。だが、羊にイメ
ージされるような平穏さは感じられない。
今年は、敗戦・被ばく70周年である。日本帝国主義による侵略戦争で、2000万
人のアジアの人々と310万人の日本人が命を奪われた。
その2年後には、基本的人権の尊重、国民主権、戦争の放棄を定めた日本国憲法が施
行された。
以来70年、殺し殺される戦争には参加せず、平和な日々が続いてきた。
年頭にあたって安倍首相は、「大胆にスピーディーに改革を断行する」と表明した。
昨年末の総選挙の「大勝」で信任を得たとして、戦後レジュームからの脱却と戦争を
する国づくりを推進しようとでもいうのだろう。
今年は、日韓国交回復50周年でもある。従軍慰安婦をはじめ、侵略戦争が行なった
犯罪の事実は、国際社会が一致する歴史認識である。日本の一部右翼勢力がこれを否定
するキャンペーンを行なっている。
これでは、国際社会から孤立するだけだ。侵略戦争の反省に立って、憲法9条を活か
した平和外交でこそ、国際社会の信頼が得られる。
また、今年は国際土壌年でもある。人類の成せる業によって、土壌の汚染や流失が拡
大し、食糧・農業・環境の危機に拍車をかけるという悪循環に陥っている。
日本政府は、昨年の国連が提唱した国際家族農業年にも全く取り組まなかった。今年
はどうだろうか。期待はできないだろう。
家族農業も土壌も、持続可能な社会のために大事にしなければならないテーマである
。
わがヒューマン・ファーマーズでは、家族農業や土壌をテーマにして、創作と演奏活
動を持続したい。
そして、笠木透さん亡き後の決意を新たにした活動の始まりでもある。「歌ったら歌
ったように生きろ」という笠木さんの言葉を胸に刻み付け、ヒューマン・ファーマーズ
は今後も歩み続ける。
雑花塾の仲間たちと協力しあって、そしてヒューマン・ファーマーズとしても笠木透追
悼コンサートを開いていく。