摩訶不思議 with LOVE

日常の出来事ほか

 演奏に表れる見えない敵

2008年08月08日 16時39分51秒 | おんがく
 今年のコンクール(県大会)は、去年までとは明らかに違っていた。

 私が到着したとき、すでに一般部門は始まっており、1番の今治はドアの外からしか聴くことができなかった。それでも、確実に去年までとは違うのが分かった。何か・・・もやもやしたものがなくなってスッキリした音である。
実は私は、今回の一般部門の順番が分かった時から、(コンクールは相対評価なので)松山市吹が絶対に有利だと考えていた。ところが、(ドアの外からではあるが)もれ聴こえてきた今治の演奏は、その考えを「絶対有利」から「有利とはいえない」に変えなければならなかった。
 暫くして、今治の演奏が終わったので会場に入ることが出来た。次は私が本命だと確信している松山市吹である。間もなく演奏が始まった・・・・その直後である。課題曲の頭から2つ目の音が聞こえた瞬間、これは何だ!と嫌な感じがした。さらに、金管が入ってきたところで確実にマズイと思った。それでも他の参加団体に対して、去年のままのデータしか持ち合わせていなかった私は、例の相対評価により松山市吹が県を通過するだろうと考えていた。ところが、完全に情報不足だった。甘かったのだ。
 続いて、ゆかいな仲間である。実は、事前の予想としてはここが一番怖いと思っていた。もちろん、大穴としてである。なので、実際の演奏に関しても、まあ何と言うか・・・真ん中くらいに丁度いいというか・・・。田舎の一般団体として、ごく普通の演奏というか・・・。結局、化けなかったということである。
 そして、ウェーブである。出だしから違っていた。音色(これは好みが分かれるか?)、スピード感、そして何よりプレーヤーの一体感。特に、この一体感は、まるで新しい団体が出来た時のような新鮮さに似ていた。私はすぐに分かってしまった。県大会を抜けるのは、この団体であると。今回の出演団体の中で、私が身を乗り出して聴いたのはウェーブだけである。
 同じ曲を演奏するリエートは、さすがにこのあとはやりにくいだろうと思っていたのだが、始まってみると堂々とした演奏で好感が持てた。リエートも確実に去年より進化している。実は演奏会に行ったときに、もう限界かと思っていたのだが、今年はコンクールに出てもいい団体に成長していた。
 そして昨年よりレベルダウンしてしまったのが創価である。指導者の曲を弟子が振ったようだが、層の薄さはどうしようもない。全員揃っての練習も少ないのだろう。

 最初にも書いたが、今年の県大会は去年までとは違っていた。私もカタイと思っていた松山市吹だが、やはり団員にも心のどこかに隙があったのかも知れない。また、ウェーブやリエート(今治も?)のような、みんなが同じ目標に向かっていくという最も基本的な部分が欠けていたような気がした。改めて、吹奏楽コンクールは団体競技であると感じた。一人や二人の有能なプレーヤーが入っても、一丸となって目標に向かうものには勝てないのだ。そして、コンクールとは、その時々の団体の状態を映しだす鏡であると言えるのかも知れない。