ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

「ビデオ検索」は日本の動画配信を変えるか

2005年07月05日 | 検索・ポータル
あまり用途が思いうえばないこともあって「ビデオ検索」には懐疑的だったのでだけれど、「AOLビデオ検索」を使ってみてちょっとびっくり!検索した単語が「U2」で、結果として「ライブ8」の模様が1曲まるまる楽しめたこともあって、意外に使えそうな感が。日本ではあまり表立った動きが出てきていないが、アメリカの検索市場ではHOTな話題を振りまく「ビデオ検索」。日本でもブームとなるのであろうか。

 AOL、ビデオ検索サービス「AOL Video」のベータ版を公開

「ビデオ検索」を含めた広義の「動画配信モデル」を考えるに当たって、整理をややこしくしている要因として、

(1)無料/有料というモデルが存在する、
(2)「検索」という「ナビゲーション」型モデルと自社サイトにコンテンツを集め・編成し配信するという「SHOP」型モデルが存在する、
(3)利用者の来訪率を高めるため、またリソース管理を行うために時間(期間)毎にタイトルを編成し配信する「テレビ」型とタイトルを蓄積しいつでもアクセス可能とする「アーカイブ」型モデルが存在する、

といった異なる軸によるモデルの構築が可能であるからだろう。

例えば、話題の「GyaO」モデルの場合、(1)CM収入をベースとした「無料」配信モデルであり、(2)自サイトにコンテンツを集中させる「SHOP」型モデルであり、(3)期間によって内容が異なる「テレビ」型モデルとなる。これが「gooブロードバンドナビ」の場合だと、(1)「有料」商品を中心とした、(2)「SHOP」型で(3)「アーカイブ」型のモデルが中心となっている。

 無料動画「GyaO」と動画検索「googleビデオ」

cnet.japanの記事を読む限り、「AOLビデオ」については、「無料」「SHOP」「アーカイブ」型となり、「googleビデオ」については、「無料」(及び「有料」)「ナビゲーション」「アーカイブ」型といったところか。

まぁ、どの組み合わせにしても一長一短があり、どのモデルだと成功するというものがあるわけではない。ただ日本では「画像検索」というものはあっても、「ビデオ検索」というものがまだないこともあって、(2)に関しては「SHOP」型が中心になっている。

この「SHOP」型の場合、サイト運営者によって「コンテンツ」の収集や「利用者」「会員」の獲得が必要であり、課題となってきた。これが「検索」という「ナビゲーション」型であればどうだろう。「画像検索」や「googleニュース」のように、(自社サイトだけでなく)他サイトで配信中の動画へナビゲートするという形をとった場合、そこには、「タイトル数」や「顧客」といった「SHOP」型で課題であったものが一気にクリアーされる可能性がある。「とりあえず動画を見たい」という欲求に基づき「集客」を実現する可能性がある。

今回の「googleビデオ」のように、自社の配信サーバへの登録制とすれば、「googleニュース」の時のようなサイト内に「広告」を載せられないというようなこともないだろうし、あるいは「有料動画」にナビゲーションする場合は「アフィリエィト」や「課金」機能を提供するということも考えられる。これまでのモデルに捉われず考えてみると、面白いかもしれない。

とはいえ、「ビデオ検索」というのはまだアメリカでも始まったばかりで課題も多い。メタデータと検索用語をどう紐づけるのか、DRM、リージョンコード、有料部分のどこまでを見せるのか、著作権侵害はないかなどなど。これらの課題も踏まえつつ、これまでの「検索サイト」の持っていたビジネスモデルを超えたモデルを検討しなければならないのだろう。

 グーグルのビデオ検索サービス、視聴が可能に--有料配信への布石か

 「見たい人」と「見せたい人」はどう出会うか?-映像検索の可能性