ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

今、プロ野球に求められていること―Jリーグの先見性

2004年07月28日 | プロ野球再編
昨日の読売新聞に12球団の経営状況が出ていた。驚くべきことにパ・リーグダントツの観客動員数(322万人)を誇り、両リーグ通じても3位の「ダイエー」までが年間10億円の赤字。これに対して12球団最低の観客動員数(65万人)の「広島」が8千万の黒字。この違いはどこにあるのか。

答えは簡単だ。

1) 巨人戦というテレビ放送権料の有無
2) 選手の年俸

広島というチームは、ある意味残酷で、非常に年俸が安い。ドラフトでも必ずしもその年の目玉を狙わずに安く「仕入れ」、上手く選手という商品に「育て」、年俸を抑えつつリーズナブルに使う。それがいやで少しでも高い年俸が欲しい選手は「FA」という名で他球団に「売り払う」。だから川口や江藤といった選手もFAしてしまう。

しかし球団経営という結果を見る限り成功しているのだ。

この状況に対して、Jリーグの鈴木チェアマンは「客が喜ぶようなシステムを作り、その限度で年俸を出すのが普通。お客さんに与えるものよりも、年俸が高すぎる」とばっさり。

その通りだろう。

以前「選手会が近鉄の株主になるというのはどうだろう?」でも書いたが、基本的に「日本プロ野球という事業そのものが経済規模が縮小している中での、高騰していく選手年俸(コスト増)というミスマッチ」が原因であり、その経済規模に即した構造改革が必要なのだ。

「ナベツネ」「巨人」が1リーグ賛成だからダメだ!論は「巨人と試合が減らたくないから2リーグ維持」というだけの阪神 野崎代表と同じくらい問題の先送りでしかないし、1リーグありきでライブドアを認めないパ・リーグも同様目先の問題に対する対処療法でしかない。

そういえば、「あぶさん」で四国4県で球団を持てばいい、という話がでていた。四国4県が地元出身の選手を中心に、地域密着型のチームを作る。個人的にはまんざら悪くない意見だと思う。現に交通網の発達で経済圏は現状の都道府県という枠を十分超えているし、情報網の発達はそれ以上だろう。道州制、広域連携という観点から考えても、四国で1チームというのは悪くない。

またJリーグでは「アルビレックス新潟 」や「浦和レッズ」といった地方チームの観客動員が高かったりする。ダイエーのように選手年俸を無理しなければ、地方チームでも興行が成り立つ可能性はある。

例えば今後10年の「プロ野球」ひいては「野球」という文化はどうあるべきか、といった観点から議論をして欲しいものだ。

別に来季から1リーグにしたとしても、まずかったら2リーグに戻せばいいし、10チームがまずかったら増やすなり、減らすなりしたらいいだけだ。また一時的に収入が減少しても「野球」の裾野を広げ数年後のための投資であるといったビジョンがあれば、またちがうはずである。問題はどういうものをもざすのか、そういったファンから本当に支持されるあり方を誰も示していないことだろう。

その点、Jリーグは「地域分散・地域密着」というある種理念先行のスタイルを貫き通しているし、その成果もでてきている。Jリーグがすべて成功しているわけではないが、今、プロ野球に求められているのはそういった視点だろう。

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