PC上でのファイル管理に辟易している人間に朗報!というわけでもないのだろうが、いよいよ日本語版も登場したということで、とりあえず自宅のPCに「Googleデスクトップ検索」をインストールしてみた。これは凄い!これまでWindowsOSに内蔵されている「ファイル検索」や「フォルダ検索」とは比べものにならないくらい速度が速い。「検索という情報管理の技術」でも書いたけれど、これを使い始めると情報管理に対する考え方が変わると思う。
グーグルデスクトップ検索、日本語版が登場
「検索」という情報整理の新しい技術
とはいえ幾つか気になる点もある。もちろん仕方がない理由もあるのだが。
1)ローカルPCのみでLAN上のファイル検索に対応していない
2)メールやチャットなども検索可能であり、例えば1台のPCを共有している場合、他のメンバーのプライベートな情報にまでアクセスが可能になる
3)googleのweb検索結果でも、デスクトップ検索の結果が表示される
1)については、企業向けにそうした「イントラネット検索」のようなソリューションを提供するというビジネス上の利用なのか、ユーザーのプライバシーに配慮したためなのかは分からない。2)と3)については変更可能だが、その変更に対してのアクセス管理は行っていないので、例えば他の人間が設定を変更して利用しようと思ったらいつでもできるようになっている。
1人一台のPC時代になったときに本領発揮というところか。
「知識共有」「情報共有」という観点からすると、デスクトップ上のファイル検索しかできないというのは必ずしも適してはいない。組織内の情報は膨大になる一方だし、部門またがりのプロジェクトなどが増えれば増えるほど、ネットワーク上での情報共有の必要性は高まるばかりだ。
本来、「知識」や「情報」を検索するということは、特定の「ファイル」を探す場合もあれば、「どこかにこの情報はないか」という曖昧なまま検索する場合もある。例えば、「最近の出生率」に対する情報を探す場合など、インターネット上だろうが、イントラネット上だろうが、ローカルパソコン上だろうか、極端に言えば、他人のPCだろうが関係ない。とりあえず、その情報にアクセスできればいいのだ。
そういう意味ではローカル上の「デスクトップ検索」というのは片手落ちだ。しかしこれは当然、セキュリティの問題と大きく絡む。
「顧客情報」や「新商品の開発情報」といった重要な情報を物理的に情報系LANと切り離すのであれば別であるが、1つのネットワーク上で運用する場合、イントラネット向けのデスクトップ検索というのは諸刃の剣となる。情報流通・知識流通は企業の効率化や競争力の向上に結びつくが、重要度の高い情報の漏洩は企業の崩壊にさえなりかねない。
しかもこれは単純に「検索対象」に「する/しない」という問題ではない。利用者単位でどの情報レベルまでアクセス可能かを判断することが本来求められるのだ。研究開発者はここまでの情報にアクセス可能(検索可能)であり、企画部門はここまでが可能である。同じ部門でも、社員と派遣スタッフでは利用権限が異なることもあるだろう。
利用者のアクセス権限に対して「見えない壁」を創り出すことが、これからの「デスクトップ検索」に求められる方向性なのだろう。
「見えない壁」。これは何も「デスクトップ検索」だけではない。
例えばオフィスビルを考えてみても、リエンジニアリングなどで組織体制の変更とそれに伴うオフィスレイアウトの変更・移動というものは日常茶飯事だ。あるいはビルそのものを移転することもあれば、組織の一部が他のビルを利用しているなんてことも多々ある。これまでであれば物理的な部屋のレイアウトなどを通じてセキュリティを確保すればよかったのかもしれないが、これだけ頻繁になるとそうしたセキュリティポリシーとレイアウトが一致しないことも多い。
そのためにICカードなどを通じてその部屋への入退室などを管理する、ということも一般的になってきているが、今後は更に細かくなっていくだろう。この部屋へは入退室の可否(アクセス権)から始まり、この書庫へのアクセス権、あるいは資料へのアクセス権という具合に。
物理的な場面においても「見えない壁」によるセキュリティの確保が求められるのだ。
紙のようなハードコピーされていようが、Wordのような文章であろうが、「情報」という観点からは同じであり、同じように「セキュリティポリシー」が求められる以上、「アクセス権」という観点からセキュリティというのは見直されるのだろう。
グーグルデスクトップ検索、日本語版が登場
「検索」という情報整理の新しい技術
とはいえ幾つか気になる点もある。もちろん仕方がない理由もあるのだが。
1)ローカルPCのみでLAN上のファイル検索に対応していない
2)メールやチャットなども検索可能であり、例えば1台のPCを共有している場合、他のメンバーのプライベートな情報にまでアクセスが可能になる
3)googleのweb検索結果でも、デスクトップ検索の結果が表示される
1)については、企業向けにそうした「イントラネット検索」のようなソリューションを提供するというビジネス上の利用なのか、ユーザーのプライバシーに配慮したためなのかは分からない。2)と3)については変更可能だが、その変更に対してのアクセス管理は行っていないので、例えば他の人間が設定を変更して利用しようと思ったらいつでもできるようになっている。
1人一台のPC時代になったときに本領発揮というところか。
「知識共有」「情報共有」という観点からすると、デスクトップ上のファイル検索しかできないというのは必ずしも適してはいない。組織内の情報は膨大になる一方だし、部門またがりのプロジェクトなどが増えれば増えるほど、ネットワーク上での情報共有の必要性は高まるばかりだ。
本来、「知識」や「情報」を検索するということは、特定の「ファイル」を探す場合もあれば、「どこかにこの情報はないか」という曖昧なまま検索する場合もある。例えば、「最近の出生率」に対する情報を探す場合など、インターネット上だろうが、イントラネット上だろうが、ローカルパソコン上だろうか、極端に言えば、他人のPCだろうが関係ない。とりあえず、その情報にアクセスできればいいのだ。
そういう意味ではローカル上の「デスクトップ検索」というのは片手落ちだ。しかしこれは当然、セキュリティの問題と大きく絡む。
「顧客情報」や「新商品の開発情報」といった重要な情報を物理的に情報系LANと切り離すのであれば別であるが、1つのネットワーク上で運用する場合、イントラネット向けのデスクトップ検索というのは諸刃の剣となる。情報流通・知識流通は企業の効率化や競争力の向上に結びつくが、重要度の高い情報の漏洩は企業の崩壊にさえなりかねない。
しかもこれは単純に「検索対象」に「する/しない」という問題ではない。利用者単位でどの情報レベルまでアクセス可能かを判断することが本来求められるのだ。研究開発者はここまでの情報にアクセス可能(検索可能)であり、企画部門はここまでが可能である。同じ部門でも、社員と派遣スタッフでは利用権限が異なることもあるだろう。
利用者のアクセス権限に対して「見えない壁」を創り出すことが、これからの「デスクトップ検索」に求められる方向性なのだろう。
「見えない壁」。これは何も「デスクトップ検索」だけではない。
例えばオフィスビルを考えてみても、リエンジニアリングなどで組織体制の変更とそれに伴うオフィスレイアウトの変更・移動というものは日常茶飯事だ。あるいはビルそのものを移転することもあれば、組織の一部が他のビルを利用しているなんてことも多々ある。これまでであれば物理的な部屋のレイアウトなどを通じてセキュリティを確保すればよかったのかもしれないが、これだけ頻繁になるとそうしたセキュリティポリシーとレイアウトが一致しないことも多い。
そのためにICカードなどを通じてその部屋への入退室などを管理する、ということも一般的になってきているが、今後は更に細かくなっていくだろう。この部屋へは入退室の可否(アクセス権)から始まり、この書庫へのアクセス権、あるいは資料へのアクセス権という具合に。
物理的な場面においても「見えない壁」によるセキュリティの確保が求められるのだ。
紙のようなハードコピーされていようが、Wordのような文章であろうが、「情報」という観点からは同じであり、同じように「セキュリティポリシー」が求められる以上、「アクセス権」という観点からセキュリティというのは見直されるのだろう。
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