ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

最後の誕生プレゼントについて

2013年12月28日 | 医療
ちょっと個人的な整理もかねて。

元旦を過ぎると親父の誕生日がくる。そういうこともあって、年末年始の帰省の際は誕生日のプレゼントを買って帰っている。

とはいえ、定年と言われる年齢をはるか超えてしまった親父に何を送るかというのは、毎年、頭の痛い問題。自分であれば欲しいものはいくらでもあるけれど、「読書」以外特に趣味のない親父に何を送るべきなのか。最近はてっとり早く、温かそうな服を送ったりもしていたのだけれど、今年は特別だ。おそらく次が最期の誕生日になるのだから。

このブログでも何回か書いたけれど、親父はこの夏に癌が発覚し、手術はしたものの根治は難しく、今も残ったままだ。そしてその時にお医者さんから言われたのは、治療をしなければ平均余命6ヶ月程。とはいえ、抗がん剤を使った苦しい治療をしたところで、それが3か月延びるのか半年延びるのかというくらい。結局、緩和ケアはしたとしても、それ以上の治療を望まないとした。

つまり親父にとっては最期の誕生日となる。

それに東京で仕事をしていると、実際に郷里に帰れるにも限界がある。親父が元気なうちに会える回数はもう片手で十分たりるだろう。元気なうちにしてあげられること、親父が本当に望むプレゼントとは何なのだろうかと考えてみる。

親父の趣味を満たそうとするのであれば、親父が探している絶版になっているドストエフスキーの本を探し出してみるという手はある。もっとも以前、ヤフオクや古書のサイトなどを探したけれど全然見つからなかったのだけど。

しかしそういうものが相応しいのか。

例えば2人で温泉にでも行ってみる。しかし果たして、そこまで体が動けるのか。無理することで、かえって大変になるかもしれない。

おいしい料理を用意して、一晩晩酌に付き合ってみる。夏に大腸を切除しているということもあって、今、何が食べれるのかがわからない。肉はもちろん、脂身の多い魚も医者からは控えるように言われている。

今の自分の話をしてみる。普段も親父は僕の仕事の話を聞きたがる。しかし正直、PCやケータイも持たない父に、ITやネットに関する仕事の内容を伝えるのは容易じゃない。そんなこともあって、仕事の中身を聞かれても適当に誤魔化しているところもある。そうなのに、あえて仕事の内容を伝えてみる?親父にしても本当に理解従っているのか。

既に亡くなっている母親の写真や思い出を整理してあげる。アルバムなども実家にあるため、誕生日までに実行するのは難しいかもしれないが、終末医療にかかわった時に、役に立つときがくるかもしれない。そう思う一方で、そういうものをもらうこと、見ることで、本人の感情が不安定になるかしれないとも思う。

もちろん「誕生日」にこだわる必要もない。2月や3月にやろうと思えばできる。幸いそうした時間は残されている。

改めて、何をすれば親父が喜ぶのか考えてみよう。


親父の話(がん告知から3か月目) - ビールを飲みながら考えてみた…

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