たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

赤沢峠すら行けなかった稲包山方面歩き

2010年04月11日 | 近所じゃない群馬県の山
◎2010年4月11日(日)

 最近といっても8日のことだから直近になるのだが、赤沢峠から稲包山にかけて歩かれた方のブログを拝見した。稲包山には、昨年の11月に向かいつつも雨で吾妻耶山に化けてしまった経緯がある。その後、スキーの可能性なんかを調べたりしたが、どうもぱっとした滑りが期待できそうなエリアでもなく、この期に及んでしまっていた。昨日までは、秩父方面の予定でいたが、このブログを見たのをきっかけに行ってみることにした。もちろんスキーではなく歩き。この時点では、そのブログを投稿された方の出発地点は記されてはいなかったものの、てっきり赤沢スキー場とばかり思い込んでいた。

(登山口)


 7時20分に赤沢スキー場に到着。もうスキーシーズンも終わりで、関越の渋滞もない自然の流れ。スノーボードを積んだ車を数台見かけた。そのほとんどが沼田で下りた。丸沼あたりに行くのだろうか。月夜野で下りる車はなかった。赤沢スキー場も、もう一か月前に閉じている。スキー場にはゲートがあって入れず、入口から分岐する林道の脇に車を駐めた。小雨の空模様。ちょうどいい。というのは、今朝の体調がどうもぱっとしない。具合が悪いというわけではなく、何となくだるくて身体が重い。こんな状態では、稲包山は無理だろうなと半ばあきらめていた。はなから途中でUターンのつもりでいる。大粒の雨になれば、いい理由にもなる。合羽を着込む程の雨量でもなく、帽子をかぶって歩き出す。7時30分。ゲレンデの脇を四万温泉方面に行く。地肌も出ていて、しばらくはツボ足で行けるだろう。この先のことを考え、ピッケルとアイゼン、ワカンだけは持参している。雪が消えたところにフキノトウ。

(万全なら気持ちの良い山道歩きなのだろうが)


 出発点の標高は760m程度。間もなく急な登りになった。道は、枯葉が覆い被さってはいるがしっかりしている。四万温泉まで上信越自然歩道になっている。早々に、体調不良の影響が出てきた。息切れがすごく、いつもよりも発汗が多い。しばらくは我慢と思いながらも、なかなかひかない。歩調も遅くなる。標高1,000mあたりでようやく傾斜も緩くなりほっとする。小雨は降り続き、雨粒が帽子のひさしからポタリポタリと落ちてくる。

(ここにもフキノトウ)


 8時10分、林道に合流。車を駐めた林道の延長。20m程、林道を上がって、また自然歩道。ここからは杉の植林の中をしばらく歩く。林道合流まではまばらな雑木林で、明るく、気持ちが良かったが薄暗い。ただ、そんなに長くは続かない。やがて、雪が出てくる。この雪がくせもので、腐っていて、かなり抜かる。しばらくは雪のないヘリを歩くが、トラバース道ゆえ、かえって危ない。スパッツを付け、雪の真ん中を歩くようにした。所々の残雪状況が次第に断続的に続くようになった。雪の上には、数日前らしい足跡が1人分。あのブログの方のだろうか。それにしても、帰りの足跡が見あたらないのはどういうわけ?

(下ると水場の沢)

(ここから対面に渡ればいいのだろうが)


 正面の上を見上げれば、高圧線が左右に走り、鉄塔の間隔も短い。かすかにこの自然歩道の延長らしい道型も見える。ただ、林道も走っているところだから、区別はつかない。初めての下りとなる。行き着いたところは沢。9時。ここが昭文社地図に記された水場だろう。気になったのは、地図では水場マークが進行方向右側にあるのに対し、現物の沢は左手にある。よく見ると、右手が沢になっている。これが支流だろう。水の流れは雪の下だから確認はできない。さて、ここまでは道の間違えもなく来たのではあるが、ここから先、どっちに行けばいいのか分からない。しばらく、付近をうろうろする。さっきまでの足跡も、どこに行ったのか消えて久しい。雪も厚くなっている。古びた道標を発見。四万温泉方向はこの本流を渡るようだ。しかし、沢辺に下りてはみたものの、その先に続く雪のくぼみは見あたらない。どこも分厚い雪の層になっている。方向としては確かにこれでいいのかもしれない。さっきまで見えていた、赤沢峠方面の道型は沢向こうの方であったし。ただ、沢を渡って、湿り気がたっぷりの雪をラッセルする気にはなれない。最早、これまでだな。素人にはここまでが限界だな。しかし、ブログの方はどうやって歩いたのだろう。詳細のない記事だった。もういいや。帰るか。

(ここまで登ってギブアップ)


 下りかけたものの、さっきの沢の支流を見上げ、今度は地形図を広げてみた。この沢を上り詰めれば、1,350mポイントに出て、東の1,356mピークから続く尾根に達するんじゃないの。その尾根をそのまま西に向かえば、稲包山への本尾根に合流し、赤沢峠を経由せずのショートカットができる。地形図ではそうなっている。1,350mポイントまでの標高差は100m。帰りの駄賃で行ってみようか。ところが、そう簡単には問屋が卸さなかった。獰猛な笹ヤブ。雪の下で下向きになっているから、滑る。そして全然、進まない。ピッケルを出し、杖代わりにする。一昨年、ケイズル沢から景鶴山に登った時のことを思い出してしまった。これではダメだ。方針を変え、嫌ではあったが、雪崩跡を登ることにする。雪は締まっていて、歩きやすい。何とか、小尾根に取り付く。その先はまた笹ヤブが続いている。標高差で50mほど登ったものの、もう二進も三進も行かない(余談だが、ニッチもサッチモというのは、こういう漢字になるのを、恥ずかしながら初めて知った)。完全にギブアップ。せめて雪がなかったらなぁ。すごすごと戻る。ズボンもシャツも泥んこになってしまった。しばらく休みながら、本流の沢の向かい側をうらめしく眺めていた。小康状態だった天気も崩れ、また小雨になってしまった。

 あっけない下り。延々と上り続けた感はあったが、やはり身体が重かったせいだろう。かなりのスローペースだったみたい。陽射しが出てきた。暑い。下りの雑木林の中で、しばらく地べたに腰をおろして休む。稲包山に行けなかったのがこれで2回目か。自分には相性が悪い山なのかな。雪解け後にムタコ沢から入るしかないか。山ヒルが豊富なところらしいな。10時55分、スキー場到着。風呂に寄りもしたかったが、無性に冷たいビールが欲しくなり、寄り道もせずに帰った。

 インターネットで、彼の方のブログを改めて見直した。出発地点は記されていなかったが、帰りがけに立ち寄っている温泉があったが、それは四万温泉だった。なあんだ、反対側の四万温泉から入ったのか。

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3 コメント

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Unknown (ぶなじろう)
2010-04-12 22:57:12
今晩は。
天気は、あいにくでした。
南関東は、天気予報とは裏腹に良く晴れていました。
稲含山は、気にかかる山でした。たそがれオヤジさんに先行していただき、なんとなく像が結ばれつつあるような気がしてきました。
ああっ、行きたい山が多すぎる。
最近、休日が少なすぎて難儀しておりますです。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2010-04-13 12:12:19
お仕事が激務のようで。お気の毒に。私は、休日をどんどん生み出すようにしています。
さて、ぶなじろうさんが触手を伸ばしかけている山は稲包山?それとも稲含山?稲含山はよく知らないのですよ。
稲包山でしたら、ぶなじろうさんにバトンタッチですね。私が歩いたコースではなく、三国峠から歩いてください。期待しています。
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Unknown (ぶなじろう)
2010-04-13 22:50:56
稲包山でした。
おはずかしい。
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