たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

ムダあがきと知りつつ行った小丸山のアカヤシオは、終盤末期ながらも楽しめたが、不安定な天気では、今季の終わり見物としては少々寂しかった。

2024年05月10日 | 近所の群馬県の山
◎2024年5月8日(水)

折場登山口(8:16)……賽の河原(9:21)……雨量計(9:46)……1607m標高点付近(9:51)……小丸山(10:41~10:58)……賽の河原(11:49)……弓の手コースとの分岐(11:57)……1549m標高点付近・つつじ平(12:09)……バラ沢峠分岐(12:20)……1264m標高点付近(12:45)……林道に出る(12:58)……登山口(13:10)

 今日の関東の天気予報は、午前中は持ちそうだが、午後からは雷雨のところがあるとのこと。GPV気象予報で確認すると、北関東の雲の動きはまさにそれだった。袈裟丸までは行けないにせよ、今季最後のアカヤシオ見物として、せめて小丸山を午前中に往復しておきたかった。だが、朝4時起きの用事があった。それを済ませて向かったから、折場登山口8時過ぎの出発では、雨にあたるかもしれぬのは覚悟の上だ。
 やはり、自分と同じ終盤のアカヤシオ目当ての方がいるようで、他に車が6、7台置かれ、人の気配はすでになかった。連休中は路肩駐車が続いたらしい。天気のことはともかく、自分にとっては至極幸いだ。前後に、他のハイカーがいないだけでも圧迫感なく歩ける。

(嫌な感じの空模様)


(出発)


(もう花は終わって新緑かねぇ)


(かろうじてミツバを見つけた)


 どんよりとした天気だった。見上げれば、気まぐれらしい青空はあるものの、濃い色混じりの雲が広がっている。迷うこともなく地下足袋を履き、ストック一本持って出発。前後にだれもいないのに、早速の息切れで立ち休み。ゆっくり歩いたところで、息切れが治まるわけではない。タバコのせいかどうかはわからないにせよ、体内のどこかの臓器、あるいは全身、脳が酸素を欲しがっていることは確かなことで、ここ十年はずっとこうだ。我慢すれば、息切れもやがては治まる。心肺の疾患ということでもあるまい。あとは体力次第だが、早朝起きが意識にあって2時間程度しか寝ていない。

(袈裟丸山が見え)


(大好きなスポット。ただ、こんな色彩の中を歩くのは初めてかも)


(振り返って。桐生方面かと思ったが標高からして赤城かもしれない)


(ここは直進するが、帰路は右に行く予定。実際は、ここまで戻らずに上の尾根伝いに行った)


 林が切れて、ここで自分の大好きな光景の場に出た。ここはいつも周囲と先を眺めながらゆっくり歩き、いつも後ろの眺めを振り返る。桐生方面の山々が見える。草原が広がり、上に道が続く。左の斜面は上がるに連れてなだらかになり、間に細い沢が流れている。あの沢も歩いたことがある。左手先には袈裟丸連峰が見えている。ここは長く湾曲しているから、ここが「弓の手」なのかなと思ったりもしている。前方を見ながら歩いていたら、5分ほどの間に、袈裟丸の上の青空は消え、雲で頭が隠れてしまった。やはり、今日の大気は不安定だ。山中で雨に降られなければいいが。雨があたった公園のツツジやらアジサイは風情だが、山では傘をさして歩くわけにもいかず、降らないことを願いたい。今日の弓の手は陽も当たらずこげ茶の風景だった。息切れは消えた。
 弓の手から離れると、右からバラ沢峠からの道が合流。帰路はそこを短区間歩いて林道に出る予定でいる。途中の1549m標高点付近は「つつじ平」と呼ばれているらしい。通り過ぎないように確認してから賽の河原方面への標識にしたがう。

(予想どおり)


(残ったのはせいぜいこの程度)


 早速、地面にアカヤシオの花を見かけた。見上げると、木に付いている花はない。もう終盤でもかなりの末期であるだろうことは予想していたから、残念な気持ちも何もない。上で見られればいい。しかし、ここまで、ヤマツツジは見かけなかっし、ミツバツツジは元気のないのをほんの数株。ここからアカヤシオが袈裟丸まで続くとすれば、やはり、アカヤシオ街道の尾根なんだなと改めて感じる。盛りには人も多いわけだ。

(展望台。上がりはしなかったが、木立で期待できそうにもない)


(賽の河原)


 ポツラポツラと木の枝に残った花を見ながら展望台。そして賽の河原へと続くが、見るべきほどのアカヤシオはない。ようやく見たミツバツツジはすっかりくたびれている。
 溝状に削られた歩道には水がたまり、避けようとして滑り、地下足袋の布が水を吸ってしまった。よろしくないことはわかっている。気にしながら歩くのは不本意なので、ロープが張られた歩道からは離れた。
 相変わらず、落ちている花の方が多いものの、残した木も増えてきた。前方に女性の姿が見えた。大きな石に向けて何かをしている。脇を通り過ぎると、落ちたばかりの花を石の上に何枚か並べてスマホで写真を撮っていた。せめてこれくらいは撮っておきたいといったところだろう。近くに連れ合いらしき男性がヤブの中をアカヤシオを探しながら歩いている。

(出てきた。お疲れさんといった感じ)


(これでは歩けない。昨日は雨だったし)


(間隔はあるが、この辺から賑やかになる)


(淡いピンクもまだある。ただ、地面は見ない方がよいかも)


(花数が少ないんだよね。やはりピークは過ぎている)


(少しアップで)


(雨量計。陽は出ているが、雲が大分下まで来ている)


 次第に出遅れのアカヤシオが賑やかになって雨量計に到着。ここから小丸山までが長かった。尾根の中央部にはあまりないが、外れたところに見頃の木がまだいくつもあった。ヤブを漕いでわざわざ見に行き、戻り、また見に行くの繰り返し。1607m標高点付近で、いったん途切れたが、小丸山への上り返しでも同じことをする。行ったり来たり。小丸山にはなかなか着かない。同じことをさっきのご夫婦もやっているようだった。実は、この状態になる前に、賽の河原の先あたりで、もう期待はできまい、引き返そうかなと思ったりしている。まだまだと我慢したのが正解だった。幸いにも、空にはまだ青空も覗いていた。
 この間のことは、以下、写真を羅列してごまかすことにする。敢えて記すべくもないが、言い訳ながらも、すっきりした天気ではないので、花の写りは悪い。

(その1)


(その2)


(その3。1607m標高点付近。この前後は一時的に消える)


(その4。かなりまずい雲だ)


(その5)


(その6)


(その7)


(その8。前方が小丸山か?)


(その9)


(その10)


(その11)


(その12)


(その13)


(その14)


(その15)


(その16)


(その17)


(その18)


(その19)


(その20)


(その21)


(その22)


(その23)


(その24)


(その25)


(その26)


(その27)


(小丸山に到着)


 かなり時間をかけて小丸山に到着。もう曇り空になっている。ここまで、ご夫婦以外、二人の下りの方と出会っている。休んでいるところにご夫婦が上がって来た。3時間もかかったなんておっしゃっていたが、こちらとて同じようなものだ。

(山頂から足尾の山方面)


(こちらは袈裟丸連峰)


(同じく)


(山頂のアカヤシオ。青空だったらなぁ)


(前袈裟の左のピークは)


(あそこは今盛りといったところだろう)


 袈裟丸への下り道の方にもアカヤシオは続いている。あちらは、例年通りにこれからだろうか。ここまでにしても、一週間以上は落花が早いような気がする。前袈裟丸の手前ピークにピンクの塊が見えた。せめてあそこまで行ってみたいが、雨にあたることになるのは必然だろう。

(下る)


(下りで1)


(下りで2)


(下りで3)


(下りで4)


(下りで5)


(下りで6)


(こうなって)


(賽の河原)


 下る。空の青味は消えてしまったので、寄り道をせずに下ろうとしていたが、結局そうにはならず、おそらく、上りで立ち寄ったアカヤシオをまた見に行ったりしているはず。上下からの見え方がそれぞれに違うのでは致し方ない。
 賽の河原まで戻ると、地面の花だけになった。ここでどうしようか迷った。これから登ろうとするハイカーもいて、四人ほどと出会った。他人様のことはどうでもいい。つつじ平に寄り道したら雨にあたりそうな気がした。だからといって、つつじ平だけに行ってコースに戻るというのもありだが、それでは面白みもない。予定どおりに歩こう。ただ、つつじ平のアカヤシオにはまったく期待を持っていなかった。というのは、標高的に、つつじ平は、賽の河原より少し高い程度だし、そこだけ別世界にアカヤシオを見られるわけはない。つつじ平にこだわった理由は、その先から西に尾根伝いに下って林道に出るルートは歩いたことがないような気がしたからで、この機会に歩いてみたかった。つつじ平そのものは、バラ沢峠から登ったことはある。

(つつじ平へ)


(見事に花はない)


(たまに見かけるが、アカヤシオかミツバツツジかはわからない)


(1549m標高点付近)


(袈裟丸方面)


 予想どおりに花はいくつか見かけたが、ほとんどが落ち、咲き残りもまたあわれさすら感じる。あっけなくつつじ平に到着。ゆっくりはしていられないし、都合よく花もない。この辺から方向感覚がおかしくなってくる。地図では、バラ沢峠へは尾根通しの破線路になっているが、どうもそのまま南に尾根下りというわけではなさそうだ。ここには<←賽の河原>の新しそうな標識がある。確かに自分は<←>が指す方向から歩いて来たが、これから賽の河原に向かう立場の人にしてみれば、正面に置かれた標識の<←>は左に向いている。つまり、南の方向に下るのだろうか。赤テープもしっかりした踏み跡も続いているので、指示通りに逆方向から下る。錯覚だったのか、GPSを見ると、しっかりと南下はしていた。

(バラ沢峠方面へ)


(ここから巨岩が続く)


(この標識から離れて西の尾根を下る)


(ゴジラみたい)


(登ってみたが、先には行けそうもなく、下って巻く)


 おかしな格好をした大岩の脇を通過すると、また<←賽の河原>の標識。このまま逆に下ればバラ沢峠に出てしまう。GPSを確認すると、ここが分岐で、ここからは西に下らないといけない。少し行くと、また大岩が現れ、登ってみたりしたが、その先に下れそうにはなく、戻って、岩は右から巻いた。踏み跡のようなものはいくつかあるが、テープの類は消え、また大岩。巻く。

(いい感じの草地だった)


(この時点ではまだ余裕があった)


 そんなことをしている間に冷たいものが手にあたった感じがした。とうとう降り出してきたようだ。ズボンにも雨粒のシミが数か所。あせる。少し行って、果たしてこれでいいのかとGPSを見る。尾根を間違えていた。トラバースして隣の尾根に向かうとテープがあった。ほっとした。だが、テープそのものが気まぐれだ。疑心暗鬼で下ると、広い草地斜面に出た。雨はまだ霧雨レベルだからこのまま下る。元気そうなミツバツツジを撮る余裕もあった。

(草地は終わり、今度は石だらけで歩きづらい)


(物好きな人もいるものだ)


(明瞭な道になった)


(今回見かけたミツバの中では一番だったか)


 草地の斜面は終わり、幾分、尾根型は明瞭になった。そして明らかな踏み跡が出てきて、やがて道になった。すでに尾根からは離れ出している。道は二分した。右と直進。ここは右を選ぶのが正解だったようだが、直進を選んでしまった。その分、林道歩きの区間が長くなってしまったようだ。その時点では、直進道が太かったからだけのこと。
 雨が次第に粒状になってきた。とうとう合羽を出した。今回だけは用心して合羽をザックに入れていた。ただ、ザックカバーは持っていない。合羽をザックから出そうとしたら、ザックがかなり濡れだしていたので、これはまずいと、無理矢理にザックのままに合羽を着こもうとした。悪戦苦闘だったが、なんとかザックも合羽内に収めた。その代わり、当然のことだが、合羽の前チャックは閉じられない。首から吊り下げていたカメラは合羽のポケットに入れた。

(広い作業道になり)


(林道が見えた)


(ここから下った)


(雨の中、余計に長く感じた)


(登山口に到着。雨にあたったのは15分くらいだったか)


 林道に出た。大粒になり、林道を歩いている間にアラレも落ちてきた。林道歩きがえらく長く感じたところで、ようやく折場の駐車場が見えてきた。件のご夫婦は東屋で雨宿りしている。他に二人、雨の中を帰り支度をしていた。ここまで来たら、濡れてもいいやと、木陰に入って、足袋をズックに替え、合羽を脱ごうとしたら、ザックにはさまってなかなか脱げない。ようやく脱いで車に駆け込んだ。一服しながら、落ち着いて、周囲を見ると、車は自分のを入れて四台だけ。少なくも一台分のハイカーは雨の中をまだ歩いているようだ。
 車内で荷物を整理して下る。往路で使った小中からの林道はすれ違うにも狭かった。遠回りにはなるが、沢入方面に下った。やはり、距離は長くなるが、カーブも少なく、道幅は若干広い。身体は濡れたままだったから暖房を付け、それでも寒く、コンビニに寄って、カップラーメンをその場で食べた。いくらかやわらいだ。

 強い雨はしばらく続く。笠懸に入ると、下水から水があふれ出て、道路も冠水の状態。これが、太田に入ると雨は止んだ。道路は乾いたまま。こちらは降らなかったらしい。安心して、コンビニに入り、缶ビールとタバコを買ったりしていたら、その間に土砂降りになっていた。
 つつじ平に寄り、さらに林道に向けて尾根を西に下ったばかりに時間もかかり、散々な幕締めになってしまったが、この強い雨で、袈裟丸のアカヤシオもこれで終わりだろう。かろうじて間に合ったということか。まぁ、終焉ながらも楽しめた。次はシロヤシオか。

(今回の歩き)

この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)

コメント    この記事についてブログを書く
« 羽黒尾根のアカヤシオは、残... | トップ | すでに終わったらしいカッコ... »

コメントを投稿

近所の群馬県の山」カテゴリの最新記事