
◎2007年3月18日(日)―1人
「火戸尻」と書いて「ホドジリ」と読む。「ホド」とは「ホト」、女陰のことらしい。訳ありでこの名称の山になったのだろうが、三省堂の山名事典に、この山のいわれは記されていない。現地に行けば、何やかしらの手かがりは見つかるだろうと期待したが、その表示がらみのものは全く無かった。それどころか、この山、山頂に着くまで、山名表示板、ルート案内板すら無かった。さて、今回の山行、初歩的なミスを2度もやってしまった。虚心に反省すべきところだ。火戸尻山はマニアックというか、マイナーな山の典型とも言える。余談ながら、このマイナーな山歩きを好む趣向性を木には「陰湿」な山歩きとまで言われてしまった。確かに彼のような百名山指向には我慢がならない山の部類なのだろう。しかし、今回、こんな山でもヘタを打つと遭難の危険もあるものと身をもって体験してしまった次第。
朝起きたら、犬が寝床に入り込んで寝ていた。女房は昨日から海外旅行。子供達は昼近くまで寝ている。6時には出るつもりでいたが、犬の散歩は決定的で、6時半に出ることになった。天気は良好。足尾経由で行くつもりでいたが、こんな時間になってはETCも半額適用だろうからと、館林インターから高速利用になってしまった。いつも思うのだが、あの大間々の町は信号が多すぎる。町を抜けて、渡良瀬川沿線になってようやくほっとする。そこまでがうっとうしい。早朝でも時間がかかる。大間々だけは避けたいという心理もあったろう。日光有料道路はいつの間にやらETCが使えるようになっていた。日光から、やしおの湯の前を通り、細い県道を南下する。結構、距離がある。8キロくらいだろうか。「山家」という蕎麦屋の前を左折して林道に入る。すぐに舗装は途切れるが、じきに普通車では無理な状況になり、広くなっている路肩に駐めて歩き出す。もう8時50分になっていた。
シカ除けネットを2回ほどくぐって進むのだが、雑木林の上りはかなり急。つづら折りに進む。落ち葉が堆積していて歩きづらい。祠やら山神の碑を見かける。ここもやはり日光に連なる信仰の道だったのだろうか。展望は西側が少々開けている程度。しかし、この山は何だろう。歩く人も物好きか、テープ類以外の表示は全く無い。登山道すら踏み跡程度のもの。最後の急登で山頂には9時35分着。45分で着いた。山頂は、歩いてきた登山道と違って山名表示板が多くで賑やか。今日は体調が良好のようだ。悪かったらそのまま下山のつもりでいたが、鳴虫山までは行けそう。
919m峰を目指す。例外なく一旦下山し、鞍部からの上りがきつい。西側の展望がようやく開けてきた。男体山、女峰山が見える。先にちらっと998m峰、三角錐形の鳴虫山も見えた。919m峰の直下は植林帯の中、すさまじいほどの急坂の登り。そして長い。何度も休んではゼーゼー。919m峰は台地状になっていて、どこがピークなのか分からない。道もかなり心細くなってしまった。林の東側に防火帯のような、開けた窪地がずっと続き、こちらの方が明るく歩きやすいので、こちらを進むが、これが第一のミス。しばらく行くと、どうもこの先にあるはずの998m峰が北ではなく、西側に見えてきた。その間に谷が入っている。さらに、この先は下りにかかり始めている。919mと998m峰は尾根通し。間違いに気づき、林の中の道に戻る。北進し、左側にシカ除けネットに沿って進む。伐採関係の人の物だろうか、合羽と日光市のヘルメットが放り出されていた。998m峰到着。何も無い、樹林帯のピーク。そこら中の木の根元にテープがグルグル巻きされている。
右側の伐採地辺りから、今までの薄暗い山道歩きからは解放された。気分も少しは楽になる。それにしてもこの伐採地は広大。そのための作業道がすぐそこまで伸びている。遠くに那須の山々が見えた。
鳴虫山山頂には11時50分着。ちょうどここまで3時間で着いた。だれもいない。展望は良好。天気も何とか持ちそう。鳴虫山には2度目。かれこれ22年振り。あの時は日光市内から入り、含満淵に下りた。ぼっとしていたら、どこからともなく、正午を伝えるオルゴールが聞こえた。パンを食べて、さっさと下山。火戸尻方面にはロープ止めがしてあり、「この先登山道はありません 日光市」と書かれていた。登ってきた道を下るだけなのだが、新たな発見もある。下りでは「コンセールハイキング」の赤・黄の表示板がやたらと目につくようになった。すべて、下り専用の表示板だから、上りでは気づかなかった。どんな団体か知らないが、鳴虫直下では頻発して木に打ち付けてあったが、しだいに間遠くなり、919m峰を過ぎてからは火戸尻山頂まで目にしなくなった。在庫切れでも起こしたのだろうか。
919m峰からの下りはすごかった。上りで悪戦苦闘したが、下りでその急さに改めてびっくりした。火戸尻山着。ここまで取りあえずは1回のミスはあったもののほぼ順当。2回目のミスがここから始まる。しばらく進むと「林道→」の表示があった。上りでは気づかなかったから、おそらく、火戸尻山からここに至るまでの間に道を踏み外していたのかもしれない。東からの尾根道が合流していたが、それに入り込んでしまった可能性もある。コンパスに合わせて下ったつもりだったが。そして早合点。車を駐めた林道へのショートカットじゃないかと思い込み、テープにつられて林の中を下る。ここも急。どんどん降りながらも、東寄りになっていくためおかしいなとは思いつつ、林道の先に着くのだろうとためらいを打ち消す。かなりのアバウト。そして林道に出た。かろうじて「作業道 火戸尻山登山●」と読み取れる廃れた表示板もある。●は判読不明。口か?ところがコンパスに合わせて西に向かうと、林道の終点になってしまった。ここで地図を確認し、別の林道に出てしまったことを知る。何とも情けない。戻ることを考えたが、あのつらい急登を追体験する気力は無い。取りあえず、林道の終点から高みを目指す。もう汗だく。しかし高みに出たところで展望は無く、打開策は皆目うかばない。かろうじて火戸尻山頂で合わせたコンパスの方向だけが頼り。尾根伝いに西南方向に下りるしかない。うっすらと作業道はあり、尾根をさらに上に進むと木々の間から、人家の屋根が小さく見えた。ほっとした。あとは伐採地を慎重に降下。林道が見えたときは、何とも言えない気分だった。最悪、元の間違った林道に戻り、とんでもないところから延々と歩くことを想定しただけに、林道端にしばらく座り込んでしまった。駐車位置から5分程、南寄りに出てしまっていた。
一時、帰りは相当遅くなり、明日は休暇かな、なんてうんざりした気分にもなっていただけに、重い足取りもようやく軽くなった。車に着いたのは15時15分。あと、1時間半遅かったら、そして、一か月早かったら、辺りは真っ暗で本当にやばかったろう。ライトも持参していなかった。
まっ、そんなことで、マイナー山行もあなどれず。今回の教訓。温泉にひたる気分も無く、急ぎ足で帰った。帰りは足尾経由。また大間々手前で渋滞になってしまった。太田のはずれのスーパーで晩飯の食材を買って帰った。
「火戸尻」と書いて「ホドジリ」と読む。「ホド」とは「ホト」、女陰のことらしい。訳ありでこの名称の山になったのだろうが、三省堂の山名事典に、この山のいわれは記されていない。現地に行けば、何やかしらの手かがりは見つかるだろうと期待したが、その表示がらみのものは全く無かった。それどころか、この山、山頂に着くまで、山名表示板、ルート案内板すら無かった。さて、今回の山行、初歩的なミスを2度もやってしまった。虚心に反省すべきところだ。火戸尻山はマニアックというか、マイナーな山の典型とも言える。余談ながら、このマイナーな山歩きを好む趣向性を木には「陰湿」な山歩きとまで言われてしまった。確かに彼のような百名山指向には我慢がならない山の部類なのだろう。しかし、今回、こんな山でもヘタを打つと遭難の危険もあるものと身をもって体験してしまった次第。
朝起きたら、犬が寝床に入り込んで寝ていた。女房は昨日から海外旅行。子供達は昼近くまで寝ている。6時には出るつもりでいたが、犬の散歩は決定的で、6時半に出ることになった。天気は良好。足尾経由で行くつもりでいたが、こんな時間になってはETCも半額適用だろうからと、館林インターから高速利用になってしまった。いつも思うのだが、あの大間々の町は信号が多すぎる。町を抜けて、渡良瀬川沿線になってようやくほっとする。そこまでがうっとうしい。早朝でも時間がかかる。大間々だけは避けたいという心理もあったろう。日光有料道路はいつの間にやらETCが使えるようになっていた。日光から、やしおの湯の前を通り、細い県道を南下する。結構、距離がある。8キロくらいだろうか。「山家」という蕎麦屋の前を左折して林道に入る。すぐに舗装は途切れるが、じきに普通車では無理な状況になり、広くなっている路肩に駐めて歩き出す。もう8時50分になっていた。
シカ除けネットを2回ほどくぐって進むのだが、雑木林の上りはかなり急。つづら折りに進む。落ち葉が堆積していて歩きづらい。祠やら山神の碑を見かける。ここもやはり日光に連なる信仰の道だったのだろうか。展望は西側が少々開けている程度。しかし、この山は何だろう。歩く人も物好きか、テープ類以外の表示は全く無い。登山道すら踏み跡程度のもの。最後の急登で山頂には9時35分着。45分で着いた。山頂は、歩いてきた登山道と違って山名表示板が多くで賑やか。今日は体調が良好のようだ。悪かったらそのまま下山のつもりでいたが、鳴虫山までは行けそう。
919m峰を目指す。例外なく一旦下山し、鞍部からの上りがきつい。西側の展望がようやく開けてきた。男体山、女峰山が見える。先にちらっと998m峰、三角錐形の鳴虫山も見えた。919m峰の直下は植林帯の中、すさまじいほどの急坂の登り。そして長い。何度も休んではゼーゼー。919m峰は台地状になっていて、どこがピークなのか分からない。道もかなり心細くなってしまった。林の東側に防火帯のような、開けた窪地がずっと続き、こちらの方が明るく歩きやすいので、こちらを進むが、これが第一のミス。しばらく行くと、どうもこの先にあるはずの998m峰が北ではなく、西側に見えてきた。その間に谷が入っている。さらに、この先は下りにかかり始めている。919mと998m峰は尾根通し。間違いに気づき、林の中の道に戻る。北進し、左側にシカ除けネットに沿って進む。伐採関係の人の物だろうか、合羽と日光市のヘルメットが放り出されていた。998m峰到着。何も無い、樹林帯のピーク。そこら中の木の根元にテープがグルグル巻きされている。
右側の伐採地辺りから、今までの薄暗い山道歩きからは解放された。気分も少しは楽になる。それにしてもこの伐採地は広大。そのための作業道がすぐそこまで伸びている。遠くに那須の山々が見えた。
鳴虫山山頂には11時50分着。ちょうどここまで3時間で着いた。だれもいない。展望は良好。天気も何とか持ちそう。鳴虫山には2度目。かれこれ22年振り。あの時は日光市内から入り、含満淵に下りた。ぼっとしていたら、どこからともなく、正午を伝えるオルゴールが聞こえた。パンを食べて、さっさと下山。火戸尻方面にはロープ止めがしてあり、「この先登山道はありません 日光市」と書かれていた。登ってきた道を下るだけなのだが、新たな発見もある。下りでは「コンセールハイキング」の赤・黄の表示板がやたらと目につくようになった。すべて、下り専用の表示板だから、上りでは気づかなかった。どんな団体か知らないが、鳴虫直下では頻発して木に打ち付けてあったが、しだいに間遠くなり、919m峰を過ぎてからは火戸尻山頂まで目にしなくなった。在庫切れでも起こしたのだろうか。
919m峰からの下りはすごかった。上りで悪戦苦闘したが、下りでその急さに改めてびっくりした。火戸尻山着。ここまで取りあえずは1回のミスはあったもののほぼ順当。2回目のミスがここから始まる。しばらく進むと「林道→」の表示があった。上りでは気づかなかったから、おそらく、火戸尻山からここに至るまでの間に道を踏み外していたのかもしれない。東からの尾根道が合流していたが、それに入り込んでしまった可能性もある。コンパスに合わせて下ったつもりだったが。そして早合点。車を駐めた林道へのショートカットじゃないかと思い込み、テープにつられて林の中を下る。ここも急。どんどん降りながらも、東寄りになっていくためおかしいなとは思いつつ、林道の先に着くのだろうとためらいを打ち消す。かなりのアバウト。そして林道に出た。かろうじて「作業道 火戸尻山登山●」と読み取れる廃れた表示板もある。●は判読不明。口か?ところがコンパスに合わせて西に向かうと、林道の終点になってしまった。ここで地図を確認し、別の林道に出てしまったことを知る。何とも情けない。戻ることを考えたが、あのつらい急登を追体験する気力は無い。取りあえず、林道の終点から高みを目指す。もう汗だく。しかし高みに出たところで展望は無く、打開策は皆目うかばない。かろうじて火戸尻山頂で合わせたコンパスの方向だけが頼り。尾根伝いに西南方向に下りるしかない。うっすらと作業道はあり、尾根をさらに上に進むと木々の間から、人家の屋根が小さく見えた。ほっとした。あとは伐採地を慎重に降下。林道が見えたときは、何とも言えない気分だった。最悪、元の間違った林道に戻り、とんでもないところから延々と歩くことを想定しただけに、林道端にしばらく座り込んでしまった。駐車位置から5分程、南寄りに出てしまっていた。
一時、帰りは相当遅くなり、明日は休暇かな、なんてうんざりした気分にもなっていただけに、重い足取りもようやく軽くなった。車に着いたのは15時15分。あと、1時間半遅かったら、そして、一か月早かったら、辺りは真っ暗で本当にやばかったろう。ライトも持参していなかった。
まっ、そんなことで、マイナー山行もあなどれず。今回の教訓。温泉にひたる気分も無く、急ぎ足で帰った。帰りは足尾経由。また大間々手前で渋滞になってしまった。太田のはずれのスーパーで晩飯の食材を買って帰った。
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