たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

何とか間に合った霧降高原のニッコウキスゲ。

2024年07月11日 | 日光周辺の山
◎2024年7月10日(水)

霧降高原レストハウス駐車場(7:56)……天空回廊……小丸山(8:43)……丸山(9:06)……八平ヶ原(9:31)……駐車場(10:03)

 体力の衰えは致し方ないとして、異常な暑さ続きのせいなのか、もしくは年齢に応じたものなのか、山を歩く気力すら落ちてきている。先日の八間山以来、明日は山に行こうと、前日に買って来た菓子パンと水筒をザックに入れても、起きるとその気がなくなっていて、菓子パンは、結局、朝食か翌日の職場での昼食となる。これが三度ほど続いた。この状況はまずいんじゃないのと、無理をして出かけようにも、とうとう、本格的な梅雨空続きの天気になってしまった。
 手頃な目的付けはニッコウキスゲ見物。思い浮かんだのは再びの野反湖と霧降高原。いろいろ調べると、野反湖は例年にない盛りで、霧降高原は終盤ながらも天空回廊の「1000段から上が見頃」(とはいっても7日時点の情報だ)とある。この場合、選択に迷うが、距離的に近い霧降高原に賭けることにする。野反湖も同じようなものだが、この霧降高原もまた午後からは確実に雨。午前中に切り上げないといけない。ちなみに、家を出る前にGPV気象予報で確認すると、日光はすでに雨になっていた。天空回廊を歩いたことはないが、想像するに、整備された階段だろう。雨なら、さらに丸山を回るだのといったことはやめて、傘を差して往復するだけでもいい。あくまでも目的はニッコウキスゲだ。
 余談ながら、帰ってから調べると、キスゲ平園地発信の10日付けの情報には「キスゲは終盤に。見頃は過ぎ、園内にポツポツ咲く程度になりました」とあった。まさにそうだった。

 高速代をケチって、122号線を日光方面に向かう。大間々のトイレに寄ったばかりに、トラックの後ろについてしまった。トラックは後続車が増えてきているのに、我関せずにチンタラと走ってくれる。このトラックは日光まで車列を引っ張った。足尾あたりまでは青空も見えていたのに、日足トンネルを抜けるとどんよりし、たまにフロントガラスに雨が落ちる。焦っても、追い越し車線がないのではどうにもならない。日光に入ってからまたトイレに寄ったりしたため、霧降高原に着くまで、何やかやと30分以上はロスしたようだ。

(出発時点から、上が見えていない)


(天空回廊の始まり)


(ニッコウキスゲの姿が見えず、こんなのを撮っている)


(花のようでもあるし、そうでないのかも)


(ただの草の絨毯。かすかに黄色いヤツが少しは見える)


(以降も名前は記さない。間違っていたら恥をかく)


(ボケてしまった)


(まともに見られた第一号か。明日はどうなっているのやら)


 どんよりはしていたが、予報どおりに午前中の天気は持ちそうだし、丸山にも行けそうだ。急いで出発。湿気がひどく、階段を100段も上がらずのうちに汗が全身から噴き出た。気温は終始23℃前後で推移したが、風もなく、湿気のせいで涼しさはまったく感じない。300段あたりから、遅れ咲き、もしくは枯れ落ち寸前のニッコウキスゲがポツラポツラと目に入る。

(回廊を迂回して。丸山かと思うが)


(ロープが目障りだねぇ)


(綿みたいな。これも花だろうな)


(点々と残ってはいる)


 このまま天空回廊を登っては芸もないような気がしたので、旧道に入り込んでみたが、晴れていたらきれいだろう景色もガスに覆われてたいした収穫はなく、花数も少ない。回廊に戻って、たまに寄り道する程度にした。500段あたりだったろうか。出発時に前を歩き出したご夫婦が休んでいた。「雨が降らないといいですね」と言った途端に、雨が落ちてきた。今のところ気まぐれな間隔の小降りだし、特別に降雨対策をするほどのこともない。見上げれば、ガスも濃くなり、視界も悪くなってきている。

(「キスゲ平」とあるが、全体ではなく、部分的なスポットなのだろうか)


(ただ、珍しい顔をした花だなと思ったから。以前にもどこかで見ているのだろうが、花の記憶はほとんど残らない)


(「おすすめ!」の場所で。白が多い)


(これもボケた)


(主役は枯れた花もそのままに)


 <キスゲ平>の標識のあるところで、右手から八平ヶ原からの道が入り込む。後で思うに、帰路の丸山からの下り道に<天空回廊(階段640段付近)⇒>の分岐標識があったから、ここに出るのだろう。キスゲ平園地発信情報では、この先の迂回路を含めた一帯が「おすすめ!」とあったが、うろついたところで、黄色のニッコウキスゲよりも、名は知らぬが、白い花の方が目立った。別にがっかりはしていない。黄色の絨毯を見られればそれに越したことはないが、遅れて来てしまったことはわかりきったことだし、一株でも二株でも、この霧降高原で見られればそれで満足だ。むしろ、絨毯の頃は人も多くて、行きたいとも思うまい。

(800段)


(これを見られただけでも良しとしよう)


(展望台から見下ろして)


 回廊に戻ってほどなく800段。見上げても見下ろしても急だ。すでに全身は汗まみれ。そんな不快感から出たのか、自然の中に、金属製の律儀な寸法の手すり付き階段を設置して何になるのだろうといった思いも出てくる。後のケアを考えれば、木製よりも金属製がベターに決まってはいる。初めての回廊登りだ。二度と歩くことはあるまいの階段に、観光行政をひっくるめてのケチをつける立場にはない。

(1000段)


(すごい傾斜だねぇ。手間も金もかかったろう)


(トンボがとまっている)


(全体が見えないので、手近で済ますしかない)


(同じく)


(ガスっているからむしろ雰囲気が出るのだろうか)


 心なしニッコウキスゲが増えてきたような気がする。ガスで視野はかなり狭くなってきているから、見える範囲でのことだ。そして、1000段を超えて1300段。白い花よりも黄色花のキスゲが目立つようになった。確かに「見頃」なのかもしれないが、ガスの中に入り込んでいる状況では、ポツラポツラでも来て良かったと思う。

(天空回廊のゴール)


(こんなのを入れてもどうしようもないが、見渡せるほどのニッコウキスゲはなかったし、ガスの中でもあったし。これは言い訳)


 ラストの1445段。ニッコウキスゲはまばらになった。自分には、ガスの中の階段歩きは、花見とともにそれなりに楽しめた。上にもチラホラ見えたが、ここで終わりだ。おそらく、天空回廊は、ニッコウキスゲ見物の観光のためのものだろう。言わずもがなか。

(小丸山。奥のうっすらとした山が赤薙山の一角だろうか)


(丸山か。この時点でははっきり見えている)


 上に行くと、シカよけゲートがあった。晴天なら、ここから赤薙山が見えるのだろうか。シルエットらしきピークが見えて小丸山。このまま下ってもいいが、それではただの散歩になってしまうので、丸山経由の下りを予定にしていた。丸山には行ったことがない。多少の雨の中の歩きでも問題はあるまい。赤薙山は眼中にはない。晴れて風でもあったら考えたかもしれない。この時点で、丸山らしきピークは見えている。

(丸山へ)


(すでに花は消えたが、かろうじて見つけた花)


(先が見えない)


(たまにこんなところもある)


(丸山山頂だろうか)


(やはり)


(すっきり晴れていたらどんな展望を楽しめたのだろう。改めて来るべきだろうか)


 しっかり整備された道が続いていた。ただ、岩が出てくると、滑って歩きづらくなる。これはラストの駐車場まで続き、あちこちに滑った跡を見かけた。ここで、左手首に蠢くものを感じ、見ると小さなヒルだった。霧降の滝周辺ならともかく、この辺にヒルがいるとは思ってもいなかった。要注意のようだ。まして、今日はズック靴で歩いている。幸いにも、この一匹だけで済んだが。
 20分ほどで濃霧の丸山に到着。展望はない。晴れていれば、赤薙山やら女峰山が間近に見えたろうに。これは残念だ。ベンチに腰をおろし、水を飲んで少々休む。今のところ雨はやんでいる。

(八平ヶ原へ)


(整備はされているが)


(こういうところはどうにもなるまい)


 八平ヶ原に向けて下る。『山と高原地図』には、この辺、「歩きにくい」と記されている。道幅は丸山までよりも狭くなり、階段とかは随所に設置されているものの、岩やら大石のあるところが多くなり、滑りやすくなっている。確かに歩きにくいところがいくつかある。

(平地になった)


(こんな光景が待っていた)


(自分にはお気に入りの風景だ)


(八平ヶ原の標識)


(丸山なのだが…)


 下りきると、一面がササの平地になった。その中に道が一本続いている。なかなか良い雰囲気だ。晴れていたら、深呼吸しながらゆっくりと歩きたい気分になるだろう。八平ヶ原の標識に着いた。ローマ字で読みが併記されていた。「YAPPEIGAHARA」とある。何と読むのか気になってはいた。もう丸山すら裾野の斜面しか見えていない。繰り返しになるが残念だ。

(ここからは、少しばかり悪路になる)


(わかりづらいが、谷の先に車道が見えている)


(少し退屈な歩きになった)


(動物のような、鬼のような顔をした花)


 ここからは樹林帯の中の歩きになる。石がゴロゴロして歩きづらいところが多くなる。たまに車のエンジン音が聞こえ、下を見ると、車道が少し見えている。いずれは車道歩きになるのかなと思ったが、最後まで車道を高巻いていた。
 後ろから人の気配がしてびっくりした。シカよけゲートからここまで、だれに会うこともなかった。単独の男性だった。先に行ってもらう。ここまで来たら、びしょ濡れの心配もないし、慌てることもない。
 このコースを下から登って来た二人連れがいらした。反対回りなのだろう。天空回廊を一気に登り上げるよりも、こちらから登った方が楽かもしれない。だが、その場合、天空回廊は使わず、旧道をゆっくりと下った方が賢明だろう。

(山歩きをした感覚がないままに帰着。傘を差して歩いている人もいる)


 レストハウスの脇に出た。駐車場の車も増えている。帰り支度をしている間に、出発してさっさと戻って来た方もいた。根性ねぇなと思っても、それは山歩きに来た人間の感覚だ。
 せいぜい2時間の歩きだった。さすがに山を歩いたという気分にはなれず、これは散歩の延長といったところだろうが、天気具合を考慮すれば、満足度はかなり低いものの、楽しめたと思っている。
 菓子パンは手もつけずにザックの中。帰路でラーメン屋に寄ったりしたから、菓子パンは明日の職場ランチになりそうだ。

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