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フルート吹きの物思い

趣味のフルートと、それに関わるもろもろのこと。

テンポが間延びするとき

2010-12-07 | 演奏や練習に関して
吹奏楽やオーケストラなどの合奏で、どうしてかどんどんテンポがゆるんでくる時がある。
もしくは、アンサンブルでどうしても他人よりも遅れがち。がんばって早くしようとすると、どこか焦っている感が出てせわしなくなる。テンポが安定しない。特に歌うようなフレーズでそれが顕著になる。

最近、ちょっとオーケストラでこういうことが目立つ曲をやっていることもあり、いろいろ研究してみた。

特徴としては、四分音符やそれより長い音符が間延びする。忙しい音符、16分などは、逆に走る。
タイのかかった音は、間違いなくのびる。
タイのかかった後のウラから入る音からあとはつまってしまうか、そのまま後ろへ押される。
休符で音楽が止まる。

合奏(楽器)経験の長い短いはあまり関係ないようだ。
ベテランだからといって、きちんと音符の長さ通りに演奏できるとは限らない。
いや、かえってベテランの方が頑固に自分のおかしなリズムに固執することさえある。

吹奏楽で、「トトロ」をやっているときに気がついた。
私の大好きな、シンプルでとても美しいメロディー。
どんどん間延びして行く。
ほらほら、そこのクラリネットさん!!
たーっぷり吹こうとするのはいいけど、のびてます。流れが止まってます。
みんなでのびるので、誰もおかしいことに気がついている人がいない。
そうやって、集団で間違ったリズム感が定着していくのだろう。

例えば、「風のとおり道」。
うっとりしてしまう心地よさの中、全部小節の3拍目で曲を止めてしまう。4/4拍子の4拍目はもっと早く入るべきなのに、たっぷり3拍目をのばしてそれで「歌って」いるつもりになってしまう。
誰かが遅いと、それにみんなあわせてしまう。

特にメロディーパートを担当する楽器は、例えばパーカッションのようにリズムを厳密にとろうとする努力をする機会は全くないか、非常に少ない。メロディーはわかりやすいので、聞き覚えでやってしまいがち。楽譜と真剣に向き合う機会は、意外にもメロディー担当パートが一番少ないかもしれない。

この仮説を裏付けることとして、二つ思いついた。

バイオリンの演奏技術が未熟でも1stをやりたがる人が意外に多くて、その理由は2ndだとどう弾いていいかわからないからだという。
吹奏楽でポピュラー・ジャズ系のリズムをとることが、クラリネットやフルートの人は苦手としていることが多い。

つまりこれは、真面目に楽譜を読んでいない、リズムをきちんとカウントしていないことに起因すると言えるだろう。それがトトロのようなシンプルな旋律でボロが出てしまう。

このような微妙なテンポの揺れに気がつききちんと指摘できるのは、トーシローの指揮者ではほぼ不可能。おかしなリズムのメロディーにそのままひきずられてしまうか、曲が崩壊してしまうか、優秀なリズムセクションに助けられてなんとか形になるか。

そうやって、自分の思い込みリズムで間違いないと信じるベテランが育って行く。
その危険性は、メロディーパートが最も高い。

私はたまたまついた先生がリズムの取り方についてくどくどくどくど丁寧に指導してくれたおかげでたまたま気がつくことができている(つもりになっている?)が、手前勝手な歌い方に浸りきって慣れてしまうと、仮に指揮者や同僚に指摘されてもそれが理解できない。とても不幸なことではあると思う。

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