トマティーナも中止です
7月のパンプローナ(Pamplona)のサン・フェルミン(San Fermin)「牛追い祭り」も中止となりました。これで、スぺインの三大祭り―他の二つは3月のヴァレンシアの火祭り、4月のセビージャの春祭り―が全て中止となりました。いかにこの新型コロナウイルスにスぺインが苦しんでいるか!です。セビージャの春祭りは9月に移す、とかの話はありますが夏になるまでは分かりません。
今回、パンプローナ市が早めに中止を出したのは、闘牛士や闘牛牧場に配慮をしたからです。闘牛牧場は困っています。育てた闘牛は日の目を見ずに場行きです。2月末から始まった各地の若い闘牛(novillo)のお披露目コリーダ(corrida)も今は中止です。5月はマドリードのサン・イシドロ祭(Fiesta de San Isidro)があり、スぺイン全国の若い闘牛士のデビューの場でもあり、年間ナンバーワンを決める「闘牛士チャンピオン」の大舞台でもあります。
が、5月から10月の間のマドリード州の祭りはすべて中止となりました。パンプローナのサン・フェルミン祭りの中止はこれで5回目です。1回目、2回目の中止は1937年、1938年でスぺインは内戦中(Guerra Civil)でした。3回目の中止は1978年の獄中エタ(ETA/ バスク解放戦線)の囚人解放を求める社会動乱でした。4回目は1997年で、同じエタですが3回目と反対にエタに暗殺された国民党議員・ブランコ氏の哀悼でした。
他では、これは楽しい祭りですが8月のブニォル町(Buñol)の“トマト合戦”トマティーナ(la tomatina)も中止になりました。カソリック信者のスペイン人には家族や社会を繋げる絆が聖人祭です、がそこには民族の魂も染み込んでいます。なので、たんに”サン・フェルミン祭り”が中止になった、”サン・イシドロ祭”が中止になった、では済まないのです。でも今は「非常事態」中なので、ガマン、ガマンで済んでいます。
またも「外出制限」が延長になり5月10日まで自由に出られません。この「外出制限令」が延長されるたびにスーパーの棚から消える商品がトイレットペーパー → ビール → 小麦粉 と変わりました。小麦粉はベーキングパウダーとセットで消えましたが、日本のように小学生を持つ親にはお菓子作りが手っ取り早い子供騙しです。僕は今朝も新聞を買いに遠くまで歩いてきました。近所のキオスクが閉まったのは、僕のように毎日一刊しか買わない客だけではやっていけないからです。キオスクは周りのホテルやバルに数部売るのでやっていけます。
でも、バルもホテルも閉まったので、「トミオ、悪いけどしばらくは閉める。開けたら連絡をするよ」とオスカーさんは店を閉めました。彼らの儲けはたったの20%です。僕が買う朝刊は1,7ユーロ(200円)なので一部売っても34セティモテ(40円)です。仕方がないので、わざと遠くにあるガソリンスタンドまでウォーキングがてら通っています。ガソリンスタンドにはコンビニが付いているので、そこでは新聞も売っています。家からそこまで往復して速足で30分くらいです。
いつもの公園でのジョギング/ウォーキングは一時間ですが、「非常事態」では公道でのジョギングも禁止なのでウォーキングをだけです。パトカーを見たら老人が買い物に行く姿の”超ゆっくり”で歩きます。ついでに買い物袋を大袈裟にふります。ホント、疲れます。ウォーキング量の足りない分は家の周りを歩きますが、歩きながら想い出すのは子供の頃家で飼われていたリスです。リスはかごの中で丸い回転車輪を一生懸命に回していました。
スペイン感染者数や死亡者数は横ばい状態ですが、マドリードは双方とも減ってきたので、国際見本市会場の病院は一館を閉めました。遺体安置所に使われていたスケート場も死亡者が減ったので閉まりました。だいぶ落ち着いてきました。今回の新型コロナウイルの感染者数や死亡者数を各国で何千万人、何百人と発表していますが「人口の何%」が大事ではないのでしょうか?
スペインは人口の5%が感染者数なので、集団免疫の人口50~70%にはほど遠いです。政府はワクチンができるのを待っていられても、我々庶民にはこの”缶詰め状態”はもう限界です。ホテルもバルもレストランもユニクロもザラもデパートも営業を緩やかに元に戻す頃です。マドリードは独自のルール(客数制限)をつくり来週から緩和を始めるので、5月にはバルのテラスでワインを一人一杯は飲めそうです。6月にはレストランでパエジャも食べられそうです。7月8月はアンダルシアの浜辺ではビキニ娘を遠くから眺められそうです(浜辺も入場制限になります)。
でも年末には忘年会でシャンパンをバンバン開け、「アディオス!クソ!2020年!」を叫べるでしょう。そうそう、納車は「遅くても三か月先の4月15日です。保障します」と言われたトヨタのカローラはまだ届きません。セールスマンのアントニオさんに連絡をしても、営業はストップだしディーラーも閉まってるのでお手上げで~す、だけです。(政府のせいなので)スミマセンもご迷惑をおかけします、もありません。
トヨタって日本では、お客様第一、サービス第一と聞いていたけど、スペインでは全く他のメーカーと同じです。まぁ、今、新車を届けて貰っても「ドライブは禁止」状態なのでガレージに置いておくだけです。これも、アスタ・マニャーナ(hasta mañana/ また明日ね)国なので仕方ないです。まだ月賦の支払いが始まったわけではないし、うんざりしたらキャンセルしてマツダ車に替えてもいいし・・・。手付金はフイになるけど、この先どうなるのかは誰にもわかりません。