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独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

マイナー・オペラのあらすじ 『アッティラ』

2010-02-23 | マイナーなオペラのあらすじ
『アッティラ』

作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
原作:ツァハリアス・ヴェルナーの戯曲『フン族の王アッティラ』
台本:テミスト-クレ・ソレーラ
初演:1846年3月17日、ヴェネツィア、フェニーチェ劇場

プロローグ

舞台は紀元前452年、イタリアのアクイレイア。
イタリアは“神の鞭”と呼ばれるフン族の王アッティラに侵略された。
フン族が盛大に勝利を祝っているさなか、ローマ人の女の捕虜たちが連れてこられる。
女たちのリーダーの名はオダベッラといい、彼女の父親はアクレイアの領主であったが、アッティラに殺された。
オダベッラは、イタリアの女はどんな時でも祖国を守ると言い放った。
その勇気に感動して、アッティラが褒美を与えようと申し出ると、オダベッラは剣を所望する。
アッティラが自らの剣を与えると、彼女はこの剣で必ず亡き父の仇を取ると誓う。
女たちが退出したあと、アッティラはローマの将軍エツィオを呼び、敵軍の将として敬意を払って遇する。
するとエツィオは、ローマ帝国全土を譲るからイタリアを自分にくれないかと、密約を持ちかける(二重唱“Tardo per gli anni”)。
アッティラは腹を立ててその申し出を拒絶し、ローマを徹底的に破壊すると宣言する。

アドリア海の干潟を嵐が吹き荒れている。
嵐が通り過ぎると、オダベッラの婚約者である貴族フォレストがアクレイアの難民たちを連れて現れる。
フォレストはオダベッラの身を案じている(“Ella in poter del barbaro”「あの人は野蛮人の手中にあって」)。
人々は陽光を希望の光と讃え、フォレストは一同に、この海と空の間に新たな町を建設しようと説く。
これが後にヴェニスとなる。


第一幕

オダベッラはローマ近郊まで進軍したアッティラの野営地に留まって、彼を殺す機会をうかがっている。
夜空を見上げて亡き父やフォレストの顔を思い浮かべる。
彼女は婚約者もすでに死んだと思っている(“Oh! nel fuggente nuvolo”)。
そこに突然フォレストが姿を現す。
オダベッラは大喜びするが、彼女がアッティラのそばにいたところを見ていたフォレストは、裏切り者となじる。
オダベッラは、自分の頭には復讐しかないと話し、ふたりは和解する。

野営地のテントの中でアッティラが悪夢にうなされている。
ローマの城門を目前にして、ひとりの老人が現れ、神の名において
アッティラの入城を拒否するという夢だった(“Mentre gonfiarsi l’anima”)。
落ち着きを取り戻したアッティラはローマへの進軍を命じるが、そこへ行列が近づいてきた。
その列を率いているのは、ローマ司教レオ。
彼こそ悪夢に現れた老人と同一人物であり、夢と同じセリフをアッティラに向かって言った。
神の力を讃えるキリスト教徒の歌声にアッティラは恐れおののく。


第二幕

ローマ軍の陣営ではエツィオがかつてのローマの栄光に想いを馳せている
(“Dagl’immortali vertici”「永遠の美しい栄光の頂から」)。
アッティラの奴隷たちが現れ、エツィオとローマ軍の隊長たちを宴席に招待すると伝える。
その中にはフォレストが紛れ込んでいて、宴の最中に、アッティラをだまし討ちにする計画を打ち明ける。
エツィオは祖国のために報復するというアイディアに胸を高鳴らせる。

フン族の王は、自分の陣営でエツィオとローマ人たちを歓待している。
巫女が歌い、客をもてなすアマゾンも控えている。
エツィオはまたもやアッティラに例の密約を持ちかけるが、再び断られる。
一方、フォレストはオダベッラに、アッティラの杯に毒を盛ってあると伝える。
自らの手でアッティラに復讐する機会を奪われたと感じたオダベッラは、王が酒を飲もうとする寸前に、警告した。
激怒したアッティラは、誰の仕業かと詰問する。
フォレストが進み出ると、オダベッラは、王の命を救った見返りとして、
彼の処分は自分に任せてほしいと頼む。(合唱“Lo spirto de’ monti”)
アッティラは同意し、感謝の印として、翌日オダベッラと結婚することを宣言する。


第三幕

フォレストはオダベッラの結婚式の知らせを待ちながら、
彼女のあからさまな裏切りを嘆く(“Che non avrebbe il misero”「哀れな男がオダベッラに」)。
エツィオがやってきて、合図ひとつでフン族を襲撃できる態勢が整っていることを伝える。
遠くから婚礼の行列の音が聞こえてくる。そこにオダベッラが突然姿を現す。
彼女は取り乱しながら、父の仇と結婚しようとしていることについて、父親の亡霊に許しを請う。
彼女の前にフォレストが立ちはだかって問い詰めると、オダベッラは自分の気持ちは変っていないし、
まもなくすべてが明らかになる、と言い張る。
花嫁を探しに来たアッティラは、オダベッラがフォレストやエツィオと一緒にいるのを見つけて、
三人の裏切りと恩知らずな行為を責める(四重唱“Tu, rea donna”)。
三人は憎しみを込めて応酬する。
その時、遠くで叫び声が上がり、ローマ軍が何の疑いも抱いていないフン族に攻撃を開始したことを知ると、
オダベッラはアッティラを刺し殺す。

(出自:メトのサイトから、2009-2010年シーズン作品の日本語によるあらすじより。
写真はメト2009-2010年シーズンのアウディ演出の舞台より。)

*** ヴェルディ アッティラ Verdi Attila ***

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