オバマ氏、長崎に言及へ 核廃絶、広島で声明
原爆資料館 訪問を計画
日本経済新聞 夕刊 1面 (1ページ) 2016/5/11 15:30
【ワシントン=吉野直也】オバマ米大統領が主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)閉幕後の27日に訪れる広島で声明を発表し、同じ被爆地の長崎にも言及することが明らかになった。今回は長崎を訪問しないため、オバマ氏が掲げる「核兵器なき世界」を象徴する都市として取り上げる。米大統領として初めての広島訪問で長崎にも触れ、核廃絶を訴える。
第2次世界大戦末期の1945年8月9日、米軍は長崎に原爆を投下した。広島に続き、実戦で使われた人類史上2発目の核兵器で、多数の死傷者を出した。広島、長崎両市はオバマ氏の訪問をキャロライン・ケネディ駐日米大使に求めてきた。
米政府内でもオバマ氏の広島訪問の決定を受け、長崎への対応が課題として浮上し、声明で取り上げる判断に傾いた。このほかに声明ではオバマ氏が広島を訪れることに批判的な中国や韓国を念頭にアジアの安定も呼びかける。広島で平和記念資料館(原爆資料館)を訪問し、記帳する。慰霊碑に献花する予定だ。
アーネスト米大統領報道官は10日の記者会見で、被爆者との面会について「日程が固まっておらず、機会があるかは分からない」と述べるにとどめた。菅義偉官房長官は11日の記者会見で「具体的な行事は米側と調整していきたい」とだけ話した。
アーネスト氏は原爆投下の決断をしたトルーマン元大統領について「厳しい決断をした」と理解を示しつつ、原爆投下の是非は「歴史家が評価するのが適切だ」と語った。オバマ氏の訪問が謝罪と解釈されるという見方は「間違いだ」とも反論した。
オバマ氏の広島訪問を調整してきたケネディ駐日米大使は「日米の友好と揺るがぬ同盟の証しだ」とする声明を10日に発表した。声明は「『核兵器なき世界』に向けた両国の決意を再確認することになる。この時期に大使であることを光栄に思う。(訪問の)歴史的瞬間を楽しみにしている」とした。
原爆資料館 訪問を計画
日本経済新聞 夕刊 1面 (1ページ) 2016/5/11 15:30
【ワシントン=吉野直也】オバマ米大統領が主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)閉幕後の27日に訪れる広島で声明を発表し、同じ被爆地の長崎にも言及することが明らかになった。今回は長崎を訪問しないため、オバマ氏が掲げる「核兵器なき世界」を象徴する都市として取り上げる。米大統領として初めての広島訪問で長崎にも触れ、核廃絶を訴える。
第2次世界大戦末期の1945年8月9日、米軍は長崎に原爆を投下した。広島に続き、実戦で使われた人類史上2発目の核兵器で、多数の死傷者を出した。広島、長崎両市はオバマ氏の訪問をキャロライン・ケネディ駐日米大使に求めてきた。
米政府内でもオバマ氏の広島訪問の決定を受け、長崎への対応が課題として浮上し、声明で取り上げる判断に傾いた。このほかに声明ではオバマ氏が広島を訪れることに批判的な中国や韓国を念頭にアジアの安定も呼びかける。広島で平和記念資料館(原爆資料館)を訪問し、記帳する。慰霊碑に献花する予定だ。
アーネスト米大統領報道官は10日の記者会見で、被爆者との面会について「日程が固まっておらず、機会があるかは分からない」と述べるにとどめた。菅義偉官房長官は11日の記者会見で「具体的な行事は米側と調整していきたい」とだけ話した。
アーネスト氏は原爆投下の決断をしたトルーマン元大統領について「厳しい決断をした」と理解を示しつつ、原爆投下の是非は「歴史家が評価するのが適切だ」と語った。オバマ氏の訪問が謝罪と解釈されるという見方は「間違いだ」とも反論した。
オバマ氏の広島訪問を調整してきたケネディ駐日米大使は「日米の友好と揺るがぬ同盟の証しだ」とする声明を10日に発表した。声明は「『核兵器なき世界』に向けた両国の決意を再確認することになる。この時期に大使であることを光栄に思う。(訪問の)歴史的瞬間を楽しみにしている」とした。