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キリン、資本提携断念 米コカ・コーラと折り合えず 業務提携交渉は継続 飲料連合づくり正念場

2017年02月14日 | 企業研究
キリン、資本提携断念
米コカ・コーラと折り合えず 業務提携交渉は継続 飲料連合づくり正念場
日本経済新聞 朝刊 2017/2/14 2:30

 キリンホールディングス(HD)は13日、コカ・コーラグループと交渉していた清涼飲料事業の資本提携を断念すると発表した。強固な関係構築を目指す米コカ・コーラ本社との条件調整で折り合いが付かなかった。今後は「業務」だけの片翼での交渉となる。不振事業を立て直す切り札と位置付けるコカ・コーラグループとの連合づくりは正念場を迎える。



 「日本で収益の上がる飲料事業をやろうじゃないか」。今回の提携協議の発端は2015年、米コカがキリンに持ちかけた提案だった。国内首位とはいえ、シェアを落としていたコカ・コーラにとって、4位のキリンと組むことは2位のサントリー食品インターナショナルを引き離す原動力になる。キリン側にも「実現すれば百億円単位のコスト削減が期待できる」との期待があった。


 交渉入りした当初、キリンが描いていたのは数%ずつの持ち合い。17年4月、日本ではコカ・コーラ製品の製造・販売を手掛けるコカ・コーライーストジャパンとコカ・コーラウエストが経営統合し、コカ・コーラボトラーズジャパン(CCBJI)が発足する。CCBJIにキリン、米コカがキリンビバレッジにそれぞれ出資する案だ。

 しかし、キリンとの飲料事業提携で主導権を握ることをもくろんでいた米コカは認めなかった。2月上旬、米アトランタの本社にムーター・ケント最高経営責任者を訪ねたキリンHDの磯崎功典社長。妥協点を探る会談も「資本に対する考え方が違い、仕方なく友好的に別れた」(磯崎氏)。

 13日の決算発表記者会見でも磯崎氏は「我々は最初、業務提携でいいと思っていた。アトランタがどうしても資本にこだわった」と強調。米コカの示した条件がのめなかったことをにおわせた。

 資本に関しては折り合いが付かなかった交渉。業務提携の中身を探り合うこれからの交渉はCCBJIが窓口になる。正念場を迎える協議で磯崎氏が頼りにするのはCCBJIの社長に就く吉松民雄コカ・コーラウエスト社長の存在だ。

 吉松氏はキリンが出資していた近畿コカ・コーラボトリング出身。過去にも面識のある吉松氏に対し、磯崎氏は国内の清涼飲料事業の市場環境や生産現場への理解も共通するとみる。資本の制約がなくなる今後の交渉では米コカに細かく伺いを立てる必要もなくなる。物流や原料調達に加え、生産や販売にも提携内容が広がる可能性はある。

 キリンが念頭に置くのは16年4月に始まったキリンビバとダイドードリンコの提携だ。それぞれの自動販売機で互いの主力商品を扱うという提携の結果、キリンビバでは主力商品「午後の紅茶」の売れ行きが大きく伸びたことで収益改善につながった。

 価格競争という消耗戦が続く国内の清涼飲料市場。キリンがかつて統合を模索したサントリー食品は日本たばこ産業の飲料事業買収などで規模拡大を進める。コカ・コーラとの提携を早期に結実できなければ、キリンが飲料事業を再び成長軌道に乗せることは難しい。

(朝田賢治)


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