銅の国際価格 急伸
一時6200ドル ストや鉱石禁輸で供給不安
日本経済新聞 朝刊 2017/2/14 2:30
銅の国際価格が大幅に上昇している。ストライキや鉱石の輸出停止措置で供給不安が広がっているためだ。国際価格の上昇につれて国内の地金卸値も上昇しており、伸銅品などの製品価格に転嫁される可能性もある。
指標となるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物価格は日本時間の13日、約1年8カ月ぶりに一時1トン6200ドルに乗せた。6000ドルという節目超えは2016年にもあったが、わずかに2度のみ。今回は10日に6000ドルに乗せて以降、上昇基調を強めている。
「ストライキが長期化すれば失われる供給量は相当だ」。都内商社の担当者は頭を悩ませる。チリにある世界最大規模のエスコンディーダ銅山では現地時間の9日、ストライキに突入した。銅山の生産量は世界全体の約6%に相当する。
最近のチリでのストライキは数日間で終わることが多く、市場関係者の間では影響を限定的にみる向きも強かった。しかし鉱山を運営する英資源大手BHPビリトンはその後、出荷が困難になったとする「不可抗力宣言」を発動。ストライキの長期化が現実味を帯びた。
インドネシアにある世界2位の銅山でも供給不安が浮上している。同国政府は1月12日にこれまで条件付きで認めていた未加工の銅鉱石の輸出を停止。今月に入っても新たな輸出許可が下りておらず、鉱山を運営する資源大手は生産の縮小や人員削減を示唆している。
銅は電線から自動車まで用途が広く、世界経済の「体調」を示すとして「ドクター・コッパー」の異名を持つ。銅価格は世界経済の回復期待が高まり年初から緩やかに上昇していたが、供給不安という材料が加わり先高観がさらに強まっている。投機筋の資金流入も強まり「今後、6500ドル程度をめざす展開になる」(住友商事グローバルリサーチの本間隆行経済部長)との見方が広がっている。
一時6200ドル ストや鉱石禁輸で供給不安
日本経済新聞 朝刊 2017/2/14 2:30
銅の国際価格が大幅に上昇している。ストライキや鉱石の輸出停止措置で供給不安が広がっているためだ。国際価格の上昇につれて国内の地金卸値も上昇しており、伸銅品などの製品価格に転嫁される可能性もある。
指標となるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物価格は日本時間の13日、約1年8カ月ぶりに一時1トン6200ドルに乗せた。6000ドルという節目超えは2016年にもあったが、わずかに2度のみ。今回は10日に6000ドルに乗せて以降、上昇基調を強めている。
「ストライキが長期化すれば失われる供給量は相当だ」。都内商社の担当者は頭を悩ませる。チリにある世界最大規模のエスコンディーダ銅山では現地時間の9日、ストライキに突入した。銅山の生産量は世界全体の約6%に相当する。
最近のチリでのストライキは数日間で終わることが多く、市場関係者の間では影響を限定的にみる向きも強かった。しかし鉱山を運営する英資源大手BHPビリトンはその後、出荷が困難になったとする「不可抗力宣言」を発動。ストライキの長期化が現実味を帯びた。
インドネシアにある世界2位の銅山でも供給不安が浮上している。同国政府は1月12日にこれまで条件付きで認めていた未加工の銅鉱石の輸出を停止。今月に入っても新たな輸出許可が下りておらず、鉱山を運営する資源大手は生産の縮小や人員削減を示唆している。
銅は電線から自動車まで用途が広く、世界経済の「体調」を示すとして「ドクター・コッパー」の異名を持つ。銅価格は世界経済の回復期待が高まり年初から緩やかに上昇していたが、供給不安という材料が加わり先高観がさらに強まっている。投機筋の資金流入も強まり「今後、6500ドル程度をめざす展開になる」(住友商事グローバルリサーチの本間隆行経済部長)との見方が広がっている。