⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

浅野まことがここだだけの話をブログで大公開!!

2016米大統領選 米政策、現実論か極論か クリントン氏、オバマ路線を踏襲 トランプ氏、移民排し巨額減税

2016年03月03日 | 政治
2016米大統領選 米政策、現実論か極論か
クリントン氏、オバマ路線を踏襲 トランプ氏、移民排し巨額減税
2016/3/3 3:30 日経朝刊

 【ワシントン=河浪武史】米大統領選は民主党がヒラリー・クリントン前国務長官、共和党は実業家のドナルド・トランプ氏が、指名争いで大きく前進した。これから本格化する政策論争は、経済・外交面で現実路線を敷くクリントン氏と、巨額減税や移民排除など極論を唱えるトランプ氏が競い合う展開になる。





 本選挙の対決を見据え、両氏の選挙戦略は党内の指名争いから民主対共和の政策論争に移り始めた。ただ、福祉政策を重視するリベラルな民主対「小さな政府」を目指す共和、という従来型の構図に収まりそうにない。
 クリントン氏は不人気のオバマ政権と一定の距離を置きつつも、主要政策は現政権を踏襲する。「米国をクリーンエネルギー大国にする」と訴える姿は、地球温暖化対策を政権のレガシー(遺産)にしようともくろむオバマ氏と重なる。税制改革では富裕層や巨大銀行への課税強化を訴え、外交ではイランとの核合意を支持するなど、民主党の本流路線を貫く。
 それとは対照的にトランプ氏は極論をずらりと並べて有権者の人気を集めてきた。中南米の不法移民の強制送還やイスラム教徒の入国阻止を主張し、周辺国との摩擦も辞さない強硬姿勢で「偉大な米国」を演出する。経済政策では一部の低中所得層の所得税をゼロにして、連邦法人税率も35%から15%に下げる大減税を主張している。
 もっとも同氏の減税案は10年で10兆ドル(1140兆円)を超えると試算される。2001年の「ブッシュ減税」の9倍の規模だ。超党派の調査機関は「巨額の財政赤字を生みかねない」と厳しく批判している。不法移民を排除するために「メキシコ国境に壁をつくる」と主張し続けるが、具体的な方策は不明だ。トランプ旋風は「できない政策は掲げない」というクリントン氏の現実路線と真っ向からぶつかり合う。
 対日政策では懸念もある。「中国や日本は通貨安誘導で輸出を増やし、米国の雇用を脅かしている」。クリントン氏は2月23日、米紙への寄稿で、ドル高で苦戦する製造業に配慮する姿勢をみせた。
 この文言はトランプ氏が対アジア批判を繰り広げる際の常とう句だ。同氏は1日、「建機大手キャタピラーはコマツと競争するのが円安で難しくなっている」として「メキシコの資金でキャタピラーの機械を使い国境に壁をつくる」などと雇用創出策を語った。クリントン氏がトランプ人気に引きずられれば、目先の支持率を優先した政策論争になりかねない。
 「日米安全保障条約は日本のただ乗りだ」。勢いの止まらないトランプ氏の矛先は日本に向かう。1980年代に世界の不動産投資で日本勢と競ったトランプ氏は日本への警戒感が根強い。クリントン氏も環太平洋経済連携協定(TPP)に反対し、国内雇用への配慮を欠かさない。両氏の論争は、米国の「内向き姿勢」をさらに強めかねないリスクもはらむ。