空飛ぶ自由人・2

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映画『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』

2022年11月18日 23時00分00秒 | 映画関係

 [映画紹介]

ギレルモ・デル・トロといえば、
「パンズ・ラビリンス」(2006)や「パシフィック・リム」(2013)の監督で、
「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017)では、


ついにアカデミー賞作品賞監督賞を獲得したお方。

その名を冠した
「ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋」がNetflixで公開された。
「奇才ギレルモ・デル・トロ監督の脳内ノートを映像化した全8話の狂ったアンソロジー」
というのがうたい文句で、
「世にも奇妙な物語」のタモリなみに
各話のオープニングにギレルモ・デル・トロが登場して解説するが、
「世にも奇妙な物語」よりも、ずっとエグい。
とても地上波では放送できないような内容。

ギレルモ・デル・トロは全エピソードの
モチーフになった怪物のデザインや脚本・制作に関わっている。

 

第1話「ロット36」

貸倉庫を借りていたウォルマーという男性が死亡したので、

ニックは中のものも含めてまるごと買い取った。
ウォルマーはこの貸倉庫に毎日来て1時間半滞在し、
奇矯な行動をしていたらしい。
ニックは倉庫で降霊用テーブルを見つけて骨董商に持っていくと、
テーブルの中には「悪霊」「シンボル」「災禍」という3つの書物が入っており、
ローランドという目利きが店にやってきて、
第四の書「サクラメント(七つの秘蹟) 」が揃えば30万ドルで買い取るという。
ニックとローランドは貸倉庫に第四の書を探しに行く。
目当てのものは見つからなかったが、
倉庫の奥が空洞になってきるのを発見し、
そこには、秘密の儀式をする間があり、
その結界の中に行方不明になった人物が腐敗したまま置かれていた。
ウォルマーは、この死体の保管状態を毎日確認しに来ていたのだ。
ニックはその奥に第四の書を見つけ、欲にかられて、
その結界を破ってしまう。
すると死者がめざめてしまい・・・

この死者の造形が、ものすごく気持ち悪い。
体はボロボロで顔面は穴状になっており、
中に大きなミミズがウネウネしている、という具合だ。

 

第2話「墓場のネズミ」

かつて歴史の教師だったマッソンは、
今は落ちぶれて墓場の管理人をしながら、
夜は墓荒らしをしている。
死体から宝石や金歯を盗んで売るのだが、
最近はネズミが棺桶に穴を開けてものを持ち運んでいるようだった。
ある金持ちの老夫人が
棺桶にジョージ国王のサーベルなど高価な品を入れるつもりだと聞き出したマッソンは、
金持ちの葬式が終わると
さっそく墓を掘って棺桶を開ける。
しかし死体はそこになく、穴が開いている。
死体はネズミたちに引きずられて地下に開いた穴の奥に運ばれていったらしい。
マッソンは迷路のようになった墓の奥までサーベルを探して入っていくが・・・

マッソンは墓の奥で死体から宝石を奪おうとするが、
死体が「私のだ~」と追いかけて来る。
最後には膨大な数のネズミに襲われて・・・
墓荒らし青年2人が墓を掘ってマッソンの死体を見つけると、
その口からネズミたちが現れて・・・
というグロテスクの極み

 

第3話「解剖」

胃がんで余命半年を告げられた司法解剖官のカールは、
古い付き合いの田舎の保安官に呼び出され、
炭鉱の大爆発で死んだ9人の死体の解剖を依頼される。
犠牲者の遺体には心臓まで達する刺し傷があり、血が抜かれていた。
「逃げろ」という心の声が脳内でこだまする中、カールが解剖を続けると、
死体の一つに地球外の未確認生命体が取りついており、
その死体が蘇って・・・

グロテスクな死体解剖シーンのオンパレード。
なにしろ、カールは自分の体を解剖するという、セルフ解剖までする。
カールを演ずるのは、
「アマデウス」のサリエリ役でアカデミー賞主演男優賞を獲得した
F・マーレー・エイブラハム

どの作品も、とにかくグロいシーンの連続で、
悪趣味そのもの。
そういう映画を好む人には大好物だ。
私もその種の映画は観るが、
それでも、さすがに、この悪趣味ぶりには辟易して、
第3話で、続いて観ることを断念。
そういう趣味の方は、どうぞ。
アカデミー賞監督のありのままの姿を発見するような映画シリーズ。