[書籍紹介]
タイトルの「赤い」は真っ赤な嘘、
「水曜日」は慰安婦支援団体が
ソウルの日本大使館前で繰り広げている
慰安婦に賠償を求める、「水曜デモ」を意味する。
副題に「慰安婦運動30年の嘘」とあるように、
30年にわたる慰安婦運動が真っ赤な嘘で成り立っている、
ということを明らかにする本。
↓は、韓国語版。
筆者は、慰安婦被害を訴える文書を徹底的に検証する。
その第一が、
挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)が発刊した
8冊の挺対協証言集だ。
挺対協は、慰安婦問題の急進的な市民団体で、
その名称に含む誤りから、2018年、
「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)と名称を変更した。
その代表の尹美香は、国会議員に当選している。
筆者は書く。
この本は、徹底して証拠を中心に記述した。
でないと大やけどしてしまう。
皮肉なことに、
執筆において最も役に立った資料は、
挺対協が発刊した8冊の挺対協証言集だった。
証言集には、元慰安婦だという婦人たちの
慰安婦になった経緯が証言されている。
しかし、その証言を検証すると、
日本軍によって慰安婦にさせられた、という証言は皆無だという。
たとえば、最もラジカルな活動をする李容洙は、
赤いワンピースと革靴につられて男に連いて行ったのであり、
たとえば、初めて慰安婦であることを公に申し出た金学順は、
キーセン学校を出た後、
金を稼ぐために養父と共に中国に向かったが、
その出発の駅には母親が見送りに来ていたという。
どこを探しても、日本軍の強制連行の痕跡はない。
他の証言も、連行されたという年も、連れて行かれた場所も
証言の度に変わるばかりでなく、
慰安所が置かれていない場所に行ったりしている。
政府の女性家庭部には、
「慰安婦被害者法」に基づき、
240人の元慰安婦が登録されているが、
その240人全てを検証しても、
日本軍に強制連行された人は一人もいない。
「慰安婦被害者法」は、登録された元慰安婦たちに
金銭的補助をおり、
補助金の詐取ではないかと筆者は、
告発し、監査を要求しているが、
全てプライバシーを理由に棄却されている。
軍が慰安婦を徴用することなど、
手続き的に不可能で、
よく検証すれば、明らかなことであり、
仮に軍が「20万人」の朝鮮婦人を強制的に拉致しようとしたなら、
周囲が見逃すはずはなく、
大問題になっているのだが、
そんな歴史はどこにもない。
だから私は、「日本軍慰安婦被害者は一人もいない」と断言する。
第2は、荒唐無稽な判決文を検証する。
2021年1月8日出された
ソウル中央地方裁判所の
「日本軍慰安婦損害賠償請求訴訟」の判決文がそれ。
戦争末期、国家総動員法によって女子挺身隊が招集されたが、
朝鮮においては実際は発動できなかった。
その事実を認めない判決は、
日本の朝鮮半島統治を「占領」としたり、
間違いだらけの代物だ。
それまで造成された
慰安婦問題に対する嘘を全面的に取り入れた内容で、
そうした間違いの一つ一つを検証する。
どこから見ても、
この判決文は事実関係が全く合わない。
大韓民国の裁判部がどうしてこのような判決文を書いたのか、理解できない。
もう一つ、
ソウル中央地裁が2021年4月21日に出した判決文も俎上に上げて検証する。
これもことごとく歴史的事実を踏みにじる虚偽の判決であることを明白にする。
また、尹美香の書いた「二十五年間の水曜日」という本も検証する。
かなり情緒的な書き方で、
何も知らずに読めば、
日本軍によって少女たちが過酷な運命に陥ったことに涙し、
日本軍、日本、日本人に嫌悪感を抱かせるような内容だ。
筆者は、この本の内容の嘘を細部にわたり暴きたてる。
このように、著者は、元慰安婦たちの証言集や判決文などを仔細に検証し、
韓国での法的根拠になっている定義に照らし合わせて、
彼女たちはみな「日本軍慰安婦被害者」に該当しないことを論証している。
彼女たちは「前借金」を得て、合意の上で娼妓となったのであり、
暴力をふるっていたのは彼女たちの雇用主だったことを、
彼女たち自身の証言で明らかにしている。
「日本軍は慰安所で定められた費用を支払い、
性的欲求を解消する顧客にすぎなかった」のだ。
慰安婦は前借金をもらって抱え主と雇用契約を結び、
前線の慰安所で料金を受け取って性的サービスをした
職業女性であり、
客は日本軍だった。
そして、著者は、慰安婦問題の本質とは貧困だと言う。
加害者がいたとすればそれは日本軍ではなく
「ひどく貧しい国で自分の子どもを物のように売り渡した父母や、
それを商品のように紹介し紹介料を手にしていた斡旋業者、
そしてそれを性的商品として軍人や多くの男たちから金をせしめていた抱え主だった」
と主張する。
慰安婦には金銭が支払われており、
慰安婦に対する暴力など、軍によって禁止されていたので、あり得ない。
それが何時の間にか形を変え、
軍が強制的に女性たちを連行し、
軍隊内に閉じ込め、暴力で押さえ込み、性奴隷とした、
最後には終戦時、虐殺した、
という物語が出来上がってしまった。
日本軍のしたことは、戦争犯罪になり、
慰安婦問題は何人も疑問を差し挟めない、
「聖域」となっていく。
その背景には、40年近い朝鮮統治時代、
日本によって朝鮮人民が抑圧され、搾取された、
という思い込みがある。
日本は軍隊を送って朝鮮を統治したわけではない。
時の大韓帝国政権の要請で、国際的に見れば合法的に併合したにすぎない。
収奪の限りを尽くした、ヨーロッパ列強によるアジア植民地とは違い、
日本は国家予算の半分を使って、
朝鮮に対して同化政策をしたのであり、
その間、学校を建て、ダムを作り、鉄道を敷き、病院を作り、
衛生環境を整え、人口を増やしたのだ。
搾取する物品など、朝鮮にはなかった。
米を収奪した、というのは嘘で、実際は金銭を払って買い取った記録が残っている。
しかし、一時的にせよ、国を奪われた、という恨みが、
日本統治時代を、実際と違って悪く認識し、
「偽りの記憶」が浸透した。
そのように作られた記憶は、そう簡単にぬぐい去れるものではない。
国家が教科書を使って「反日教育」をしているからだ。
韓国の子供たちは、
こうした偽りの歴史を学んで、
幼い頃から日本に対する敵愾心を植えつけられる。
学校が、反日の若者たちを再生産しているのだ。
基本を知らない裁判長はデタラメな判決文を書き、
教科書執筆者たちは
誤った歴史を教科書に載せ、
子供たちに間違った歴史を教えている。
実に恥ずかしい。
なお、慰安婦の総数はおよそ8000人、
大部分が日本人で、
朝鮮人女性が30%の場合は2400人、
40%の場合は3200人となる、
という数字が載せられている。
妥当な数字で、
「20万人」がいかに荒唐無稽な数字かが分かる。
当時外地にいた日本軍人は300万人程度であるから、
15人に1人の慰安婦がいるはずがない。
少し考えてみれば、すぐ分かるはずだが、
訂正されずに、一人歩きしている。
読んでいると、
国家的嘘、民族的嘘にまみれた内容で、
胸くそが悪くなる。
嘘が嘘を呼び、それが民族的記憶となっていく恐ろしさ。
本書は、最後に、特別付録「そこにも愛はあった」として、
朝鮮人慰安婦たちと、日本軍人との間での恋愛感情の証言を掲載している。
どんな過酷な状況の中でも、
人の愛は育つ。
読んでみると、
純粋な気持ちの愛情交換で、
胸が熱くなる。
最後に救いとなる部分だった。
著者の金柄憲(キム・ビョンホン) 氏は、
成均館大学出身で在野の歴史研究者である。
「反日種族主義」同様、
韓国人たちの中から、
タブーに挑戦し、
真実を正そうとする動きが出てきたことは嬉しいことだ。