月のmailbox

詩或いは雑記等/小林貞秋発信。

「荒城」/夜の光る眼

2010-07-09 22:42:03 | 日記・雑感
運動公園。
夜の8時。
坂のコースを上がりながら、口笛を吹く。
二音。
ヒ―、ホー。
上がりながら、ちょっと間をおいて繰り返す。
この頃は、懐中電灯を持つことにしている。
照明灯の立っているところは、辺りが見えるけれども、通っている辺りは先まで行かないと薄暗いまま。
口笛を吹くのは、野良猫のジュニアを呼ぶため。
坂脇下の広場にいれば、こちらに上がってくる。
待っていたように坂下にいることもある。その場合には、そのまま後をついてくる。
行く先は、坂コースの中途、左に入って階段を上がった先。石垣のそば。
そこを、私は「荒城」と名づけている。
「荒城の月」からのものですよ。夜のその石垣のある辺りの感じに、なんということなくそのイメージ抱かせるもの、感じたことがあって。
私は、ウォーキングのためにやってきているのだが、先ずはジュニアに会ってからというところで、その坂のコースを最初に通る。
時にジュニアの現われないこともある。例えば、その前日。現われなければ、そのままに先に進んでいくだけのことなのだが、気にはなる。
「荒城」の下辺りまで行ったところで、振り向いて見る。薄暗い。ジュニアはトラ毛だから、そうでなくても暗がりの中では見にくい。いるとすれば、その中で動く気配でそれとなく分かるというところ。だが、その感はない。前日に続いて、現われないようだな? 思いつつ、口笛。懐中電灯を坂の下方に向けてみる。姿はない。
ところが、もう一度照らしてみると、50メートル位下方、坂の下辺り道の左サイドに小さく光るものがある。何だろう、と思わせる光。二つ並ぶ。
ジュニア。と思う。でも、薄暗く遠すぎて確認ができる感じではない。
また、口笛を、吹く。
反射で、その二つの光るものが、少しずつこちらに向かう。その移動で、ジュニアと確認して良さそうに思えた。
他に、そんな動きを見せる者は、辺りにいない。
懐中電灯の光を反射したジュニアの眼。
良い発見だった。
待っているこちらの、そばにやってきたジュニア。道から石垣に飛び上がり、その上を伝って、階段上方側へと行く。いつもの、パターン。上の石垣の同じ位置に、私はキャットフードを置く。
ジュニアは、食べ始める。
私は階段を下りて、「荒城」を後にコースに戻り、ウォーキングをつづける。

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