見たい景色が見えないというので、道を飽きるほど歩いて出掛けてみると、そこは団子状の巨山が前方覆う、なんとかなんとかという妖しい地。なるほど、それならば魔法かけて紙製の景色に造り変え、点火もしてみたくなろうというもの。土地の地霊に申し出ました。一度、空を赤く染めてみると致しましょうと。あちらの見たい景色が待っておりますので、と。
ややあって、うなりと共に、嵐到来。
あなたの演じるひとは、あなたというひとで、それはあなたそっくり。運命もそのまま。なのであそこに見える舞台の、頭の中、靄の世界潜むひと見てむふふふ、などと斜め後方におかしみ流さないで、天井から眺め下ろすほうがいい。
December 2005