雨
降りおちて
輪ができる
その外
その内に
輪
円が重なる
誰も頷かないので
昼回る頃
梯子持ちだし足をかける
その音なく現われ
また去ろうとするひと
円を描き
輪を描き
その内に
その外に
運動ひろげる
地の上からみっちりと
濡れ
更に濡れる
高みへと
駆られるようにして
足をかける
*
あの時のまま
黴生えず
古びることのない
「再生」
の手にかかり
万年もの時
なだらかに過ぎても
あの夜
あの記憶に沈む
大粒たち
その叩いた音
その叩きつづけた音
消し去るものを消し
ただ当たる
打ちつける
淡々と
古びることない空間の
内を抜ける
*
そのものの
名は示したくはないと
巨きな耳に寄りかかる
あちらから
訪れ来るもの
何処にも中心のない
声のさざめき
その平たいひろがりの
上に
柔らか
穏やかな
ささやき偏在して
時
過ぎることなくむしろ
煽られるに
逆の向きに
靡いていく
*
ひとという生きものの
見えるのは
別の領土
そこ
黒ずむ界隈に砂の
発する
言葉
木霊して
降りかかる
尽きない愛のような塊
呑むのである
絡めとるのである
奪うように引き込むのである
なにも加わるものなし
なにも入りこむものなし
なにも求められるものなし
あちらの
息する
海
from Six Poems No.10 2005
降りおちて
輪ができる
その外
その内に
輪
円が重なる
誰も頷かないので
昼回る頃
梯子持ちだし足をかける
その音なく現われ
また去ろうとするひと
円を描き
輪を描き
その内に
その外に
運動ひろげる
地の上からみっちりと
濡れ
更に濡れる
高みへと
駆られるようにして
足をかける
*
あの時のまま
黴生えず
古びることのない
「再生」
の手にかかり
万年もの時
なだらかに過ぎても
あの夜
あの記憶に沈む
大粒たち
その叩いた音
その叩きつづけた音
消し去るものを消し
ただ当たる
打ちつける
淡々と
古びることない空間の
内を抜ける
*
そのものの
名は示したくはないと
巨きな耳に寄りかかる
あちらから
訪れ来るもの
何処にも中心のない
声のさざめき
その平たいひろがりの
上に
柔らか
穏やかな
ささやき偏在して
時
過ぎることなくむしろ
煽られるに
逆の向きに
靡いていく
*
ひとという生きものの
見えるのは
別の領土
そこ
黒ずむ界隈に砂の
発する
言葉
木霊して
降りかかる
尽きない愛のような塊
呑むのである
絡めとるのである
奪うように引き込むのである
なにも加わるものなし
なにも入りこむものなし
なにも求められるものなし
あちらの
息する
海
from Six Poems No.10 2005