
賃金はその日のうちに、
日没前に支払わねばならない。
彼は貧しく、その賃金を当てにしているからである。
彼があなたを主に訴えて、
罪を負うことがないようにしなさい。
【申命記 / 24章 15節】旧約聖書 新共同訳
私たちのすることは
大海のたった一滴の水に
すぎないかもしれません。
でもその一滴の水が
あつまって
大海となるのです。
マザーテレサ
(『マザーテレサ 愛のことば』より )

★除染作業員の採用わずか1割、復興遅れも
◆2013年5月14日 読売新聞
東京電力福島第一原発事故に伴う福島県内の除染作業について、県内の求人数に対する採用数が1割程度にとどまっていることが、福島労働局の調べでわかった。
被曝(ひばく)の懸念から応募をためらう求職者が多いという。今後、国による除染が本格化する見通しで、作業員が集まらなければ復興の遅れにつながりかねない。国は対策に乗り出した。
福島労働局によると、統計を取り始めた昨年11月分の除染作業員の求人数は1784人だったのに対し、採用が決まったのは213人で、求人に対する採用の割合を示す「充足率」は11・9%。その後も充足率は10%前後で推移し、今年3月は15・1%だった。
同局の担当者は「『復興関連の土木・建築作業はしたいが、放射線の影響が心配なので除染はやりたくない』という求職者が多い」と話す。昨年秋以降、国が直轄で除染を行う県内11市町村の作業について、作業員が受け取る「特殊勤務手当」(1日最高1万円)の“ピンハネ”疑惑が発覚したことで、さらに敬遠されるようになったという。
一方、昨年夏にスタートした国による除染は、今年度から、作業規模が拡大される見通しだ。昨年度、本格的な作業を開始したのは田村、楢葉、川内、飯舘の4市町村だったが、今年度は川俣、葛尾の2町村が加わり、近く、南相馬、大熊の2市町でも作業が始まる。発注元の環境省は「昨年度の倍以上の作業員が必要になる」とみている。
深刻な人手不足が予想されることから、同省は3月、1作業あたりの元請け共同企業体(JV)数の上限について、これまで内規で制限していた3社を最大5社に拡大し、人手を確保しやすいようにした。また、昨年12月に着手した常磐道の除染作業から、請負業者が決まった段階で業者名を厚生労働省所管のハローワークに通知し、求人情報を早めに提供できる態勢を整備した。
ハローワークでも、求人票に特殊勤務手当の記載の有無をチェックし、記載がない場合は、環境省に業者名を通報するなど、省庁の枠を超えた対策に乗り出している。環境省は「厚労省と連携を図り、一日も早く除染を進めていきたい」としている。
(2013年5月14日 読売新聞)

★除染教育でも手抜き
国規則の5時間半を30分で
◆福島民報 2013年6月6日
福島市発注の松川町の手抜き住宅除染問題で、雇用主から不当解雇された男性作業員の「除染等業務の特別教育」の受講時間が、国の規則の10分の1ほどだったことが分かった。証明書類には虚偽の「8時間受講」と記載されていた。福島労基署は5日までに事実関係を確認、労働安全衛生法違反の疑いで、1次下請け(三春町)、雇用主の2次下請け(札幌市)を行政指導した。作業員の健康管理と適正な除染作業を確保するために必要な特別教育でも「手抜き」が行われていたことが判明した。
特別教育は、作業員が除染業務に就く前、最低でも5時間半(学科4時間、実技1時間半)の講習を実施しなければならない-と国の除染に特化した規則「除染電離則」で規定している。特別教育は雇用主に実施義務があるが、元請けや下請けなど他の事業主が担うこともできる。
男性作業員らによると、5月18日に三春町の1次下請け業者の事務所で特別教育を受けた。その際、特別教育のテキストと、福島市の除染マニュアルに記された放射線量の数値目標が示された。担当者は「数字だけ頭に入れておいて」と指示したのみだったという。受講時間は30分程度だった。さらに、放射線測定器の取り扱いや、放射性物質の除去方法などの実技講習は一切なかったという。
作業員の安全衛生教育手帳には、除染の特別教育時間の欄に「8・0H」と記載され、8時間受講したことになっていた。さらに、「刈払機取扱講習」を19日に学科5時間、実技1時間の計6時間受けたと記入されているが、受講していないという。
同署は特別教育が不十分なケースでは、作業員の安全管理を適正に実施できないと判断し、行政指導したとみられる。
教育手帳には、除染と刈り払い機の両教育とも1次下請けの社長と同姓の押印があった。1次下請けの社長は「特別教育は部下の担当で、はんこを押していない」と否定した。同社は福島労基署の行政指導に対して、14日までに報告書を提出するという。
一方、2次下請けの幹部は「特別教育は(1次下請けに)任せていたので、よく分からない。(男性作業員は)松川地区以外の除染現場でも作業をしていた。既に特別教育を受けたと思っていた」としている。
(福島民報 2013年6月6日)

▲原発作業員の求人募集の実態は?(資料画像)

※ピンハネの実態は改善しているか 。
国、東京電力、企業の責任は重い。
◆マラキ書 / 3章 5節
裁きのために、わたしはあなたたちに近づき直ちに告発する。
呪術を行う者、姦淫する者、
偽って誓う者/
雇い人の賃金を不正に奪う者/
寡婦、孤児、寄留者を苦しめる者/
わたしを畏れぬ者らを、
と万軍の主は言われる。