(Image source: nkino)
パク・ヨンウ落ちした皆さまがヨカッタとおっしゃる作品『甘く、殺伐とした恋人(달콤、살벌한 연인)』(2006年4月 監督:ソン・ジェゴン)。
出演 : パク・ヨンウ、 チェ・ガンヒ、 チョ・ウンジ
女性に興味のなかった英文学講師ファン・デウ(パク・ヨンウ)が、同じアパートに引っ越してきた自称アーチストのイ・ミナ(チェ・ガンヒ)に恋をする。ミナはなにやら謎が多い。やがてミナの正体が明かされて・・・
ドラマ「ありがとうございます」で見たばかりのチェ・ガンヒが好演。謎の女性キャラは難しいと思う。ヨンウは、私的には『血の涙』の凛 としたまなざしの方が好きだけど、インテリのくせに女性に奥手で、ぎっくり腰をかかえるアジョシな英文学講師というキャラは面白い役どころ。チェ・ガンヒの友人役のチョ・ウンジもかなり個性的。
これは脚本が面白い。会話のやり取りの面白さとテンポのよさで話が進んでいく。「いや、そうじゃないだろーっ」とか、「そっちかよー」とか、「さまーず」っぽいツッコミどころ満載で、笑いのレベルがやや高い(低い?)ような気がする。このズレた笑いを受け入れることができないと、会話の噛みあわなさとか、シリアスなんだか茶化しているんだか、何がなんだかさっぱり理解できない作品になってしまうようにも思える。
そもそも、タイトルからして、「甘く」と「殺伐とした」と相反するものがあって、監督いわく対照的な恋愛の極端な性質を端的に表したものだそうだけど、日常と非日常が入れ替わり立ち代わり、現実離れしているようでいて、重苦しい現実感があったり、相反するものが交差していて面白い。
公開当時、こちら↓のパロディポスターが話題になっていたけれど、このポスターでパクられた『親切なクムジャさん』と『甘い人生』の陰鬱な部分をふきとばしたいのか、それともアンチ韓流とか何か別ものを揶揄しているのか、ともあれ、あっけらかんとパロディにするあたり、ちょっと毒があるところが好き。
ロマンティックスリラーというジャンルなのだそうだが、いやいや、スリラーじゃなくてブラックでしょ(笑)・・・ちょっとキム・ジウン監督の『クワイエットファミリー』を思い出したりする。恋人同士の間に、平然かつ淡々と「殺伐な」風景が横たわっているのだけど、どろどろの血まみれ場面が出てくるわけでなく、殺人という事実もお咎めなしで(いいのか)・・・。
ワタクシ、エンディングシーンで、マーライオンの前でカバンを斜めがけしているヨンウを見て、ウズベキスタンへ嫁取りに出かけた方が一瞬頭をよぎってしまった。「女性に奥手=カバン斜めがけ」の公式にヨンウが当てはまることになろうとは・・・。
シナリオの面白さの方が先に立ってしまっているので、カメラ的(映像的)にはどうなのかなぁー、などとは素人のつぶやきにすぎず、なんでもこの作品はHD撮影なのだそうで、ウチの古いTVモニターでDVDとなると、HD撮影かどうかなんて言われないと分からず。スクリーンで見るといいのかもしれない。
<2007年 韓流シネマフェスティバル上映予定>
>ヨンウの独特の間のはずし方
これは難度高そうな演技が要求されそうですね。ああいうハズシ方を見てしまうと、普通のハズシ方が物足りなくなってしまいそうです。
>「韓国映画」のコメディセンス
私は基本的にコメディ派なので、あれやこれの仕込みを見つけて笑えたら満足してしまう方なのですが、「韓国映画」のコメディセンスって奥深い気がして、もっともっと追求したいです^^。
>毎日「異共」にポチっと
意外です、ポチっていらっしゃるとは。でも、裏切り者~、これだけ絶賛しておきながら(笑)「異共」は見ていないので、もう絶対見たい作品なので上映回数が少しでも増えるよう、Marioさんにお任せします。