(Image source: nkino)
『グエムル』で出番は少なかったけど、ちょっと気になった女優ペ・ドゥナssi 。『吠える犬は噛まない』にも出ていたけど、『子猫をお願い』(2001年 監督:チョン・ジェウン)は、公開時かなり話題になったというので見てみた 。
女流監督作品。韓国の女流監督って珍しいような。この監督の作品は、短編だけど『もしあなたなら~6つの視線から』の中の1篇『その男、事情あり』も見たことがあるけど、都会の孤独な風景がとても印象的だった。
で、『子猫をお願い』はどんな作品だったかというと、どうにも説明のつかない作品なのだけど、共感できるような部分が多い。これで何を書こうかと思って迷っていたら、DVDの特典映像に監督のインタビューがあった。監督いわく、「どんな作品かと聞かれると困る」そうだ。ええー、自分で撮っておきながら(笑)。そりゃ、観る方だってわからないよ・・・
決して、難しい内容ではない。学校を卒業して社会に出て行くとき、人間は何を考えるのだろうかというのを、5人の女の子に託している。1,2人じゃつまらないから、5人にしたそうだ。5人いると、観客が共感を寄せてくれる登場人物がいるはずだからって・・・(笑)動員狙い?? ははは。この監督、面白いかも
それは冗談だけど、社会に出たばかりのときは、不安がいっぱいだし、出たばかりでなくても、たとえば仕事を持っていれば、不安がなくて安穏としていられる日々なんて、そうそうあるものではない。
ここに登場する女の子たちは、20歳ぐらい。そんな彼女たちが見せる孤独感や不安が、とても暗く映し出されるのが気になる。20歳なんてもう戻れないけど、うらやましい。若いんだから頑張りなさいと、老婆心でつい口出したくなるのだけど、やっぱり現実って若さも押しつぶしてしまうことだってあるのかな 。
そして、なぜ子猫をお願いなのか。原題は「猫をお願い」。邦題はどうして子猫に変わったのか・・・登場する猫は、子猫だけど。この子猫が5人の絆を結びつけているのかもしれないけど。監督いわく、この作品は1回ではなく、何度も観てほしいそうだ。そうね、1回では、とにかく説明できないもの・・・
余談ながら、ペ・ドゥナssi のお母さん役は、演劇俳優である彼女の実母だそうだ。母娘で俳優なのね 。ペ・ドゥナssi は、ほんわかしていてどこか抜けているようで、実は肝がすわったような演技で上手いなぁと思う。