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引っ越しました~
by lotusruby

21th TIFF Selection : 「下女」&「火女 '82」

2008-10-26 23:36:08 | K-Movie Notes


話題のキム・ギヨン作品を 2 本。


「下女」

原題: 하녀 (1960 年 韓国)
監督: キム・ギヨン
出演: キム・ジンギュ、チュ・ジョンニョ、イ・ウンシム
link to TIFF

 

「火女 '82 」

原題: 화녀 '82  (1982 年 韓国)
監督: キム・ギヨン
出演: キム・チミ、ナ・ヨンヒ、チョン・ムソン
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2 本ともチケは SOLD OUT。韓流スターも蹴散らす人気の高さ(笑)。チケットを先に押さえておいて良かったとつくづく思った。

「火女 '82」 の上映時、何に驚いたって、観客の男子率の高さ。70 %ぐらいは男子だったかと。横一列に女子は平均 2~3 人。ワタシ、これまでこんなに多勢の男子に囲まれて韓国映画を観たことがない。一体何が起こったのかと。

シネマート六本木などで韓国映画に群がるのは大方は女子という構図が見事に打ち砕かれた瞬間だった(笑)。日本の男性の観客が、それほどキム・ギヨン作品に関心を寄せているとはね~。やはり、今年カンヌで上映されたことも大きいのかしら。

「下女」 では、アン・ソンギ先生の子役時代 (8 歳)の名演技も十分に堪能。

この 2 本、プロットは基本的に全く同じ。というのも、「火女 '82 」 は、「下女」 のリメイクである 「火女」 (1971 年) をさらにリメイクした作品。夫婦の設定や、子供の役割、夫に絡んでくる女性が少し異なるけど、若い家政婦に振り回される夫婦、そして家庭の崩壊という直球型のプロットには変わりない。個人的には、やはり原点といわれる 「下女」 の方が好き。映像的にもモノクロの世界が内容にしっくりくる。

「漢江の奇跡」 と呼ばれた経済成長を経験する1970 年代をはさんだ、1960 年代と 1980 年代の製作時期を考えると、同じプロットでも 「下女」 は、中産階級の形成初期という社会背景が浮き彫りにされ、「火女 '82 」 では中産階級の成熟が垣間見える。

確かにどちらもツッコミどころ満載、というと軽すぎて申し訳ないぐらい語りたくなってしまう作品。登場人物は個性的だし、家の中の構造(階段とか台所とか)だって普通なのに妖しげだったり、女性からモテモテの夫はなぜに音楽関係者なのかとか・・・

1960 年のセリフやキャラクターが面白いと思えること自体、この作品の持つ普遍性のようなものを感じる。

「下女」 の上映後、キム・ギヨン フリークによるトークショーが予定されていて楽しみにしていたのだけど、舞台挨拶が長すぎて映画の上映が押し、上映が終わったのがもう 23:00 近く。この時間からトークショーを聞いていたら、まちがいなく終電を逃す・・・と諦めて、とぼとぼ劇場を出た。

劇場を出たところで出くわしたのが、イ・ミョンセ監督!! 劇場に入るときに入り口で立ち話をされている姿をお見かけしたのだけど、こんな大物監督には滅多とお目にかかれないと、握手  

これ以外にも女シリーズと呼ばれるいくつかの作品では、こうやって続々と家庭が崩壊していくのかどうか・・・確かではないけれど、ちょっと病みつきになりそうな女シリーズはぜひ鑑賞してみたいなぁと。

 



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