(Image source: nkino)
東京フィルメックス招待作品『相棒 City of Violence』(2006年 監督:リュ・スンワン)。トークイベント後に上映された。
リュ・スンワン脚本・監督・製作・主演・・・すごすぎる、ひとり4役。スターシステムを崩したいと韓国映画界への挑戦状のような作品で、周囲からはそんな企画「うまくいくわけがない」という冷たい視線で観られていたそうだ。でも、その深く、熱きエネルギーは認められて、2006年ベネチア国際映画祭正式招待作品となる。こんな情熱的な監督は、ついつい応援したくなってしまう。
タイトルからして、もう覚悟が必要。殴る、蹴る、血が飛ぶであろうということを・・・。この作品。ある意味「暴力」の連鎖みたいな構成でもあるのだけど、「暴力」というより「痛快アクション」の色が濃いかな・・・アクションシーンの俳優達の「脚」がキレイなのね。回し蹴りの脚が・・・。意識して撮っていたかどうかわからないのだけど、脚を映すには当然、カメラが下に回りこむので、観客の視点が低くなって、全体的に見上げるアングルがちょっと面白かった。
『甘い人生』とちょっとかぶる場面もあった。モップおばさんの代わりにモップおじさんが出てきたし、「どうしてこんなことに・・・」というセリフや、少人数対多勢の死闘。こういうのは、アクションノアールの定型なのか。
メッセージは明確。スピードがあって、約90分に端的にまとめあげられた作品。暴力の中にも、「懐古」や「情感」がしっかり組み込まれている。何しろ暴力シーンが多いので、他人にあえて勧めることはできない。ただ、ダラダラと意味のない暴力シーンではないのと、リュ・スンワンssi とチョン・ドゥホンssi のコンビのよさが救い。
タランティーノ監督の『キル・ビル』と比較されることが多いというこの作品。リュ監督自身、撮影中は『キル・ビル』と比較されるとは思ってもいなかったそうだが、『キル・ビル』がアジア映画へのラブレターだとすると、この作品はそのラブレターへの返答になっているという。復讐劇というテーマは同じだが、復讐の対象がまったく違うというのが、リュ監督の主張。『キル・ビル』は個人的な復讐、この作品の復讐は、人間を狂わせてしまう資本主義への復讐だそうだ。
日本では3月公開予定。
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