Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』

2007-10-30 00:33:52 | Cinema な時間


三池崇史監督の怪作、和製ウェスタン『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』を観ました。

賛否両論のユーザレビューを目にすると、この監督への期待の高さがうかがわれますが、一体何を期待するのか、見たいのかはそれぞれですからね~。酷評されるほど、悪くありませんでしたが、修行が足りないので、あの世界観がしっくりきましたとはとても言えません(笑)。楽しみ方の問題で、ブラックな笑いは満載だったと思います。

人がどんどん死んでいくのが残酷だとか凄惨だか、人の死を笑いのタネにするのは最低だとか、そんな意見が多いのも少し驚きです。ハリウッド映画では、バッタバッタと人が銃弾に倒れるし、TVの時代劇では、バッサバッサと斬り殺されるし、それこそゲーム時代の申し子たちは、仮想と現実の境目がわからないほど殺し合いのゲームに興じているぶんには、平気なのにね。

全編英語というチャレンジ精神は認めたいのですが、文化祭で中学生の英語演劇を学校の講堂で見ているようで、必死に覚えたセリフのぎこちなさが、話の流れをブチブチ切ってしまっていてちょっと残念。別に言語は何でもいいと思うのですが、あえて英語にこだわる必要もないとも思え、源平合戦の話とウェスタンネタを融合させたせっかくの面白さが半減だったような気がします。

冒頭のセットは、一体どこの田舎芝居かと思うような富士山で、笑えるところなのに、誰も笑っておらず、笑うと不謹慎?という雰囲気だったのがとても不気味でした

キャストはみんな良かったのではないでしょうか。タイプじゃないけど、伊勢谷友介の義経は見る価値ありの美しさでした。私のお目当てはこれだけだったのでもう満足です。清盛(佐藤浩市)と重盛(堺雅人)コンビは好きですね。びっくりしたのは安藤政信。誰だかわからないほどの変身ぶりには役者魂を感じました。

凝ったセットや衣装、ありえない設定、荒唐無稽、バカバカしさ、個性光る役者たち。こんな具材がごった煮になって、まさにスキヤキなのですが、ちょっと濃い目の味付けで、ずっと食べ続けられないけれど、少しなら美味しくいただけるような気がします。ぜひ、ビールを飲みながら・・・という感じです

本歌取りとか、映画を数多く観ている人にとっては、もっと面白さが詰め込まれているようですが、そこのところはわからなくて・・・

さて、キム・ジウン監督が銘打つオリエンタル・ウェスタン『ノムx3』はこの荒唐無稽さを超えられるか・・・って違うか・・・