Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

12th PIFF vol. 3

2007-10-11 00:11:28 | K-Movie Columns

          

原題:Mio Fratello E' Figlio Unico (2006年 イタリア)
邦題:マイ・ブラザー
英題:My Brother Is An Only Child

監督:ダニエレ・ルケッティ

           

この作品、TIFF で上映予定。邦題が『マイ・ブラザー』。どこかで聞いたタイトルですが、韓題は『ウリヒョン』にはなっていませんでした(笑)。イタリア語を直訳すると「僕の兄弟はひとり息子」。兄弟なのに、ひとり息子というこのタイトルからしてすでに矛盾があるところから、何かが始まりそうな予感のする作品です。

60~70 年代にかけてのイタリアの田舎町を舞台にした作品。性格も、政治的イデオロギーも異なる 2 人の兄弟の葛藤と、1 人の女性をめぐる愛情を描いたものですが、家族間の会話がウィットに富んでいて、なかなか面白い作品だと思いました。笑いどころも多くあるのですが、シリアスでもあります。

過激な政治色が強すぎてストーリーが楽しめないという評価もあるそうですが、政治背景を知らないせいか、あまり気になりませんでした。最近、イタリア映画とはさっぱり縁がなかったので新鮮でした。

兄弟の兄役は、Riccardo Scamarcio(リッカルド・スカマルチョ)は、今、イタリアで大人気のイケメン俳優だそうです。なかなかでしょ(笑)。

ついでに、PIFF で見たかったその他の外国映画・・・

『4 Months, 3 Weeks and 2 Days』(『4 ヶ月、3 週間と2 日』)
今年のカンヌ国際映画祭のパルムドール受賞作品なので、『M』と同じぐらいの勢いで、あっという間に売り切れになりました。来年春、日本で公開予定。

『Nightwatching』(『レンブラントの夜警』)
レンブラントの生涯を描いた作品で、是非見たいと思っていたのですが、チケットが取れませんでした。でも焦らずとも、2008 年正月に日本で公開予定。邦題の「レンブラントの夜警」。どうして「レンブラントの」を付けるのか意味不明ですが・・・

『Après lui』
カトリーヌ・ドヌーブ主演というだけの理由で見たかったのですが、滞在中に上映予定がありませんでした。今年も PIFF では、French Night があったにもかかわらず、誰も注目していませんでしたね。昨年とは大違い(笑)。



原題:우아한 세계
邦題:優雅な世界
英題:The Show Must Go On

監督:ハン・ジェリム

           

この作品も TIFF で上映予定。私は、今年の TIFF には参加できないため、PIFF で見てきました。この作品に対しては、重いとか暗いという評判を聞いたような気がするのですが、見終わってみると、正直「どこが?」と思いました。テーマは一貫していますが、これってコメディじゃないの?と思いました。どうしてあまりヒットしなかったのでしょうか。個人的には好きな作品の部類です。

そして上映後の Q&A でハン・ジェリム監督は、きっぱり「コメディです」と語っていました。ほらーっ、やっぱり。確かにコミカルな部分とシリアスな部分を対比させているのですが、「父親の住む裏社会のダークサイドをことさらシリアスに描いたわけではない」と語っていました。

「父親の内面を描きたかった」そうですが、「子供はいくつになっても、父親というものを理解できないものだ」とも。興行成績が思わしくなかったのは「自分が伝えようとしたことが観客にうまく伝わらなかったからだ」と。

そして、この作品に影響を与えた作品は『ゴッドファーザー』だそうです。

韓国にも優れた映画音楽家はいるけれど、日本人の菅野よう子を音楽監督に起用したのは、監督が個人的に以前から彼女に関心を持っていたからだそうです。

            
                                  ハン・ジェリム監督

音楽の使い方が確かに印象的です。シリアスな場面にコミカルでポップな音楽を挿入しているのは、意図的にしているそうで、「ひとつひとつの場面ごとに話し合い、丁寧に監督の意図が反映されていて、音楽には満足している」と語っておられました。

ところでこの Q&A、もちろん韓国語が聞き取れたわけではありません。開始前に「英語の通訳が必要な人は、手を挙げてください」と言われたので、「はいっ」と手を挙げたら、私ひとりで、なんと、通訳さんが隣席でウイスパリングしてくれたのでした。私の専属通訳みたいじゃないですか。PIFF って、こんなに外国人に優しかったっけ? というより、PIFF で映画を見る外国人は少ないのかなぁと思いました。(朝いちの上映のせいもあるのですが)

 

★番外★

原題:행복
英題:Happiness

監督:ホ・ジノ

           

PIFF のチケットが取れずに空いた時間に、4 日に公開されたばかりのホ・ジノ監督の『행복』を見ました。いかにもホ・ジノ監督作品って感じですが、これまで見た作品の中ではもっとも躍動感(笑)があるような気がします。もちろんお得意の、風のそよぐ音とか雨音とか、そういうところはもれなくついてきます。FILM 2.0 でも評論家が全員そろって、GOOD マークを付けているのは、ちと不可解ですが。

ストーリーは、ベタです。なにしろ素材が「病気」ですからね~。そして、コン・ヒョジンとイム・スジョンは、外見も性格も正反対の役どころ。この 2 人を両手に花のファン・ジョンミンの情けない男、ダメ男ぶりと、そして、ちょいエロなところから目を離すことができません。ダメ男好きの人はイチコロだと思います。私もひそかにここでファン・ジョンミン堕ちしたらどうしようかと自分を心配しながら見てました。

ホ・ジノ監督は、安心感の得られるメロ作りという路線を変えたりしないのですかね。