Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

『家族の誕生』(VCD)

2007-04-28 22:11:34 | K-Movie Notes


(Image source: nkino

昨年TIFF「アジアの風」部門で上映された『家族の誕生(
가족의 탄생)』(2006年 監督:キム・テヨン)。
2006年 第27回 青龍賞/監督賞、女優助演賞(チョン・ユミ)、2006年 第26回 韓国映画評論家協会賞/最優秀作品賞などを受賞。

この作品、韓国映画の底力という感じがした。最近見た韓国映画の中ではかなりポイント高い作品。3部構成になっていて、オムニバス形式なのねぇ~と、オムニバス好きの私好みだと思っていたら、展開は意外で・・・

第1部 - 5年も音信不通だった弟ヒョンチョル(オム・テウン)が家に戻ってくることになり喜ぶ姉ミラ(ムン・ソリ)。ところが、ヒョンチョルは母親ほど歳の離れたムシン(コ・ドゥシム)と一緒にころがりこんでくる。挙句の果て、ムシンの前の夫の前の妻の子供までもが・・・ ミラは困惑を隠し切れず、ムシンとの生活はギクシャクするが、ヒョンチョルがある日出て行ってしまう

第2部 - 日本語観光ガイドのソンギョン(コン・ヒョジン)は恋人ジュノ(リュ・スンボム)と上手くいかなくなりどこか心が荒れている。その上、彼女を悩ますのは母親のメジャ(キム・ヘオク)。家庭のある
男に入れあげ、異母弟もいる。そんなソンギョンは、とにかくこの国から出て行きたいと願っている。 

第3部 - お人よしで誰にでも優しすぎるチェヒョン(チョン・ユミ)にギョンソク(ポン・テギュ)は、彼女が助けを求める他人を放っておけず恋人との約束さえすっぽかしてしまう彼女の性格に苛立ち、自分への愛情さえも疑ってしまう。ギョンソクは、別れを決意するが・・・

この一見何の関係もなさそうな3つのストーリーが、実は一つにつながっていて、一つの家族を形成することが、この作品の見所である。家族の絆って何だろうかという問いかけが命題であるようだ。「血縁」だけが家族を形成するのではなく、「人の縁」だということ。

この作品の命題は、韓国社会、とりわけ血縁を重視する韓国の家族社会ではどう受け入れられたのだろうか? ドラマや映画の中でよく見かける、親のない子が疎まれるシーン、同族会社が多いのも「血縁」へ絶対的信頼を置いているからではないかと思ったりする。


それにしても、出演陣がなんといっても豪華(だと思う)。スターはいないけどね。弟の年上の恋人ムシンに対するムン・ソリのドン引きぶりは笑えるようで笑えないし、最近実生活で破局したカップルコン・ヒョジン&リュ・スンボムのすれ違う恋人たちの心が軋む音が聞こえそうだし、それにポン・テギュのメロ&シリアスって結構新鮮だったりして(笑)。

この作品、日本での配給がついているとか。近日劇場で見られるかもしれない。



『春の日のクマは好きですか?』(DVD)

2007-04-28 01:11:03 | K-Movie Notes


(Image source: nkino)

ちょっと前に見た『春の日のクマは好きですか』(2003年 監督:ヨン・イ)。そろそろ血や拳が恋しくなってきた・・・

スーパーのレジ係のヒョンチェ(ペ。ドゥナ)は、ちょっとユニークな女の子で、男性からも振られてばかりだが、いつか王子様が現れるとユメを見る日々。ある日、父親(オ・グァンノク)に頼まれて借りてきた図書館の画集に、愛の告白メッセージを発見する。次に画集を借りるとまた同じようなメッセージを発見。これは自分に向けられたメッセージだと思い、相手を突き止めようとする。メッセージを送ったのは図書館の司書(ユン・ジョンシン)なのか? ヒョンチェに思いをよせる同級生ドンハ(キム・ナムジン)は気が気ではない・・・

ぺ・ドゥナのための作品とも言えそう。ぺ・ドゥナが可愛くて、彼女がいなかったら話にならない。
いやーん、オム・テウンがゲスト出演してるじゃない・・・ラッキー!と、ハイテンションで見始めたけれど、ストーリーは、不思議ちゃん系少女マンガを読んでいるみたいなホンワカ展開。恋人(オム・テウン)の横で、オヤジみたいにスルメをかじりながら映画を見るところがかわいい。

こんなキテレツな女の子とバランスをとるかのように、そんな彼女に想いを寄せる相手役を演じるのは、性格も顔立ちも無難なキム・ナムジン。このバランス感覚は最高。

キム・ナムジンといえば、ドラマ「12月の熱帯夜」でオム・テウンの姉のオム・ジョンファと共演し、(韓ドラにありがちな)不治の病を抱える青年役だった。「人妻が若い男にほだされて夫も子供も捨てて新しい世界へ」的なストーリーで、オム・ジョンファがこの変わった人妻で、キム・ナムジンはここでも地味なひたむきさで、変わりモノの人妻とのバランスをとっていた。この人妻にも、若い純粋な青年にも共感できず、妻の背中を押して家庭から解き放ってやる夫(シン・ソンウ)の切なさだけが心に残ったのだけど・・・

話が横道にそれてしまった・・・

ちょっと妄想気味で天真爛漫な
ペ・ドゥナをみていると、遊園地に遊びに行くような感覚。この作品は直球メロで、病気とか、事故とか、貧富の差に悩むカップルとか・・・いわゆる典型的な韓流エレメントはなくて、日常のありふれた接点やすれ違いを通して、自分の近くにある愛情に気付くまでの過程をじっくり描いた作品。

ヨン・イ監督は、『オールドボーイ』の予告編を製作したことで有名、CM・広告界の出身。ペ・ドゥナの部屋や衣装、この作品のポスターはポップな感じで、どこかギョーカイっぽさを感じさせるが、作品全体の色使いがとてもいいと思う 。あと、私的には、ペ・ドゥナとキム・ナムジンより、ペドゥナと父親役のオ・グォンノクのペアの方が見ていて面白かった