(Image source: nkino)
東京国際シネシティフェスティバルにて『国境の南側』(2006年 監督アン・パンソク)鑑賞。
タイトルからして、なんだかいかにも南北問題の映画かと思いきや、意外にもラブストーリーだった。もちろん、恋人同士の間に「国境」が大きく立ちはだかるのだけど、それ以上に、実際にあった話であるかのような、淡々とした作品だった。
北朝鮮で恋人同士だったヨンファ(チョ・イジン)とソノ(チャ・スンウォン)。ところが、ソノの一家が脱北することになる。ソノはヨンファを連れて行きたかったが、ヨンファは迎えにきてくれと言って、2人を再会を期して別れる。脱北に成功したソノ一家。ソノは残してきたヨンファを何とか救おうとするが、姉の口からヨンファが結婚するそうだという話を聞く。ソノはその後出会った女性と結婚して幸せな日々を送る。ある日、結婚したとばかり思っていたヨンファが脱北に成功して、ソノはヨンファを迎えることになる。ソノに会いたいばかりに追いかけてきたヨンファにソノは自分が結婚していることも告げられず・・・
東南アジアを経由して命からがら出てきたヨンファを迎えるソノの驚き。ヨンファにきちんと説明することもできず、ただオロオロして、歯切れの悪いソノ。ソノへの未練もたっぷり・・・このあたりの、チャ・スンウォンssi は、観ている方がイライラするぐらい情けなく、頼りない男なのだけど、純情で優しいまなざしですべて許せてしまう。
ソノが結婚していることを知ったヨンファの絶望感。そして、何も言わずソノの元を立ち去る潔さ。このヨンファの一途さや潔さが切ない。結局、どちらも幸せな道を見つけてくれることが救いなのだけど・・・。
人の出会いと別れには、いろんな要素がある。この2人の間は、たまたま「国境」が引き裂いてしまった。島国で育った私は「国境」という感覚に疎く、「国境」の問題は重苦しく、理解には程遠い。ただ、この作品が観客の同情をひく作品でなくて、上映前の監督とチャ・スンウォンssi のメッセージも、この作品が対等な男女の愛の物語であることを強調していたのも好感が持てた。
「PREMIERE (10/16~31号)」ずい分前に届いていたのだけど、何だかビニールの封も開ける気にもならず放置していた。さっき何気なく表紙の文字を眺めてたら、うぎゃーー 出てたの??? 知らなかった・・・
もっと早く開封するのだった・・・
で、肝心の内容は、『偉大な系譜』の話なんだけど、すぐに読解するのは無理なので、週末の宿題にして、どこかであげます・・・ またこのチンピラぶりがいいのよね・・・