報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

反乱兵士リーダー、レイナド元少佐逮捕の意味

2006年07月26日 16時15分29秒 | ■東ティモール暴動
反乱兵士のリーダー、アルフレド・レイナド元少佐が逮捕された。理由は、火器所持違反だ。

なにをいまさら、という感じだ。
”反乱兵士”のリーダーが、何ヶ月も堂々と自由に生活をしていたこと自体がおかしい。今回の逮捕は、役目を終えて、一応、辻褄を合わせるために逮捕したのだろう。

アルフレド・レイナドは、インドネシア支配時代はオーストラリアで避難生活をし、東ティモール独立後、国防軍に入隊し、オーストラリアで訓練を受けた。非常にオーストラリアと縁の深い人物であることが当初から指摘されている。


反乱軍のリーダー、アルフレド・レイナド少佐は、オーストラリアの国防軍事アカデミーで訓練された。シドニー大学講師ティム・アンダーソンによれば、「彼は、少なくともカトリック教会、オーストラリア、アメリカによって支援されている」ということだ。
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/e/6bec4585bcd9081bf24875fc4ae18dd2

2000名の部隊とともに到着した、あるオーストラリア軍准将は、ヘリコプターで反乱軍のリーダー、アルフレド・レイナドの本営へ直行した。しかしそれは、民主的に選出された首相を転覆しようとした罪によってレイナドを捕らえるためではなかった。彼と友好的なあいさつをするためだった。他の反乱兵と同様に、レイナドもキャンベラで訓練されたのだ。
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/e/380071a383cba22fe0ba2c7dc00b0421

ちょっと想像してほしい。たとえば(豪の)北部地区で訓練中のオーストラリアの兵士たちが無断外出をして、彼らを追跡中してくる兵士を銃撃したら、どうなるだろうか。彼らは、タクティカル・レスポンス部隊に撃ち殺されるだろう。よくて軍刑務所行きだ。

しかし今回、レイナドの部下にはオーストラリアのSASのボディガードがつき、彼らが持ち出した若干の武器を返還したあとは、自由のままでいるのだ。
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/d/20060711


反乱兵士のリーダー、レイナド少佐の登場は少し不可解である。

当初、約600名の反乱兵士を率いていたのは、ガスタンゥ・サウシーニャ(Gastao Salsinha)元大尉だ。彼が、”反乱兵士のリーダー”という肩書きを得ていた。

しかし、ある日突然、アルフレド・レイナド少佐がメディアに登場する。最初は、レイナドの部隊がパトロール中に行方不明になったと報じられた。その後、レイナドは山中で、軍からの離脱を宣言。アルカティリ首相の辞任を要求する。同時に、”オーストラリアは友人だ”とも発言している。

以後、レイナドが反乱兵士のリーダーとして報じられるようになった。突然、サウシーニャと入れ代わったのだ。

レイナドが、サウシーニャの部隊と合流したのか、それとも別個なのかさえ、よくわからない。しかし、以後、今日までメディアでは、”反乱兵士のリーダー”という肩書きがレイナドにつくようになった。

なぜメディアは、レイナドとサウシーニャがスイッチしたと知ったのだろうか。何の迷いも混乱もなく、申し合わせたかのように一斉に、反乱兵士のリーダーの称号がレイナドに移行した。

600名の反乱兵士を率いていたサウシーニャ元大尉は、メディアから跡形もなく消えた。彼らは、今どこで何をしているのだろうか。

今回逮捕された”反乱兵士リーダー”アルフレド・レイナド元少佐は、いずれもっとりっぱな公的肩書きを得て復活するだろう。



East Timorese rebel leader arrested
http://www.abc.net.au/news/newsitems/200607/s1697196.htm
East Timor police surrender weapons
http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,20867,19904180-1702,00.html


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2 コメント

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Unknown (Yegy)
2006-07-27 19:51:42
レイナド少佐逮捕も、「足跡を消す作業」のひとつなのですね。この逮捕は僕も意外に思いました。レイナド少佐がオーストラリアに協力していたのであれば、報酬をもらうのが当然だと思いますから。きっと、レイナド少佐もオーストラリアからなんらかの報酬をもちかけられて、協力したのでしょうね。
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身内 (中司)
2006-07-29 12:59:52
オーストラリア国防軍と東ティモール国防軍のあるグループは”身内意識”があるのだと思います。東ティモール国防軍は、豪国防軍に訓練されていますから、当然、そうなっておかしくないです。

訓練兵の中から、レイナドのような者を、キャンベラの軍事アカデミーで訓練して、さらに関係を深めたのでしょう。



オーストラリア国防軍は、インドネシア国軍とも、非常に密接な関係を保ち続けています。豪国防軍は、”裏の外交使節団”の役割を担っているわけです。



この地域での、オーストラリアの安全保障戦略の一環です。
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