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アルカティリ首相辞任、豪、東ティモール支配に前進

2006年06月27日 19時03分32秒 | ■東ティモール暴動
マリ・アルカティリ首相が、26日ついに辞意を表明し、大統領に辞表を提出した。
オーストラリアのハワード首相はこれを歓迎。
東ティモール市民も歓喜したとメディアは報じている。
アルカティリ首相は、褒められた人物ではないが、東ティモールの石油とガスをオーストラリアから守ってきた功績は大きい。
だからこそ、ハワード政権は、アルカティリ首相の追い落しに踏み切ったのだ。
アルカティリ首相の辞任を求めていたデモ隊は、決して東ティモール人の総意を表しているわけではない。
彼ら、デモ隊は、1999年の民兵の姿を髣髴とさせている。


反乱軍のリーダー、アルフレド・レイナド少佐は、オーストラリアの国防軍事アカデミーで訓練された。シドニー大学講師ティム・アンダーソンによれば、「彼は、少なくともカトリック教会、オーストラリア、アメリカによって支援されている」ということだ。

反乱軍の嘆願が沈静化し、経済民族主義のアルカティリとシャナナと政治エリートの間で論争がなされている間、オーストラリアはすばやく、アルカティリの指導力を非難し、東ティモールは「失敗国家」であると宣言した。

ジョン・ハワード首相は、東ティモールは「誤った統治」をされていると非難した。アレキサンダー・ダウナー外相、── 一日100万ドルの東ティモールのオイルとガスの収益の略奪に責任のある人物──は、「起こったことすべては、東ティモール人自身の責任である」と宣言した。そして、防衛大臣ブレンダン・ネルソンは、「もし、我々の地域で、東ティモールが間違った国家になることを許せば、それは国際的な犯罪、そしてテロリズムの標的となるだろう」と相槌をうった。

オーストラリアの支配階級は、東ティモールの政治的出来事への干渉を増大させている。1999年の東ティモールの独立運動の勝利を妨害しようとしたときよりも、さらに大きな計略を模索している。

住民投票のときは、ジャカルタの軍隊による東ティモール占領を支援するオーストラリアの24年間の政策を逆転させ、しぶしぶ住民投票を後援する国連の仲介に同意せざるを得なかった。
EAST TIMOR: Roots of the political crisis
http://www.greenleft.org.au/back/2006/673/673p16.htm


世界の大手メディアは、米英豪連合に遠慮して、こうした見解やアスンソン退役将軍の談話は、いっさい報じようとしない。
世界の大手メディアとは、大国の利益を擁護するために存在している。
しかし、ABCなど、当のオーストラリアのわずかなメディアは、自国政府のおこなっていることを辛うじて伝えている。
今回の記事は、オーストラリアの左派政党民主社会主義党(DSP)が発行する週刊紙「グリーンレフト・ウィークリー」 2006 June 28号の電子版である。

アルカティリ首相の追い落としは確かに成功した。
しかし、まだオーストラリアによる東ティモール支配の第一段階にすぎない。
まだまだ、勝負がついたわけではない。


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2 コメント

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Unknown (Yegy)
2006-06-27 23:22:41
東ティモールの情勢不安は、アルカティリが辞めた程度ではおさまらないということですね。

オーストラリアの思いどおりになるまで、混乱が続くわけですか。
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間接的占領 (中司)
2006-06-29 00:56:18
東ティモールをイラク化しようとしているのでしょう。



東西を対立させ、殺し合いをさせ、常に治安が不安定な状態にしておけば、豪の軍事力を頼らざる負えない。



頼まれたから居てやっているのだ、という状態にするわけです。しかしそれはうわべでのことで、実際は間接的な占領です。



傀儡政権ともいいますが。

そういうことを画策しているのだと見ています。
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