報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

東ティモール いまだ暴力が続く理由

2006年07月24日 18時59分54秒 | ■東ティモール暴動
<ラモス・ホルタ首相、外遊へ>
ラモス・ホルタ東ティモール首相は、就任後はじめての外遊へ。

インドネシアのユドヨノ大統領と会見し、そのあと、ASEANの外相会議にオブザーバー出席する。将来的にASEAN正式加盟をめざす模様だ。

今回の外遊で、ラモス・ホルタ首相は、資源開発に関して、インドネシアのビジネスマンと会う予定をしているようだ。

どのような内容なのかは、いまのところ分らないが、ホルタ首相は、資源開発に積極的であることは確かなようだ。今後の動向に注目しなければならない。

<暴力の主体が10代の若者へ>
ディリでは、いまだに7万人以上の避難民が、暴力の脅威に晒されている。襲撃を担っているのは、ローカルワインで酔っ払った非常に若い十代のグループと報告されている。

ローカルワインとは、パーム椰子で造った粗悪な安酒だ。白く濁ったドブロクで、ペットボトルに入れて通りで売られている。

十代の若者(12歳くらいとも表記されている)が、ドブロクを飲んで酔っ払って、難民キャンプを襲撃する理由があるとは思えない。誰かに酒を飲まされ、そして報酬をもらい、酔った勢いを借りて襲撃をしていると考えるのが妥当だ。

ティーンエージャーなら安くかつ容易に操作できる。20代や30代になると報酬も高くなる。かつ、暴動が沈静化したいま、襲撃を行うことのリスクを考えるだろう。すでに一定の報酬を得て満足し、再度、アクションに駆り立てるのは難しかったのかもしれない。そこで思慮の足りない10代前半の子供を襲撃者に選んだのだろう。

7万人もの避難民をキャンプに釘付けにし、家に帰れなくすることで、危機は去っていないとアピールすることができる。

そして、オーストラリア軍は東ティモールに居座り続けることができる。

”マチェテ(大型のナタ)や棒で武装した暴徒の鎮圧に、オーストラリア軍を派遣することは過剰である”との見解に対して、前豪国防軍司令官ピーター・コスグローブ将軍は、これを否定した。
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo/d/20060706

東ティモールでの危機が去ってしまうと困る人がいるということだ。そのために、7万人もの人々がいまだに不自由な生活を強いられている。



Timor teens terrorise camps of displaced
http://www.theage.com.au/news/world/timor-teens-terrorise-camps-of-displaced/2006/07/23/1153593211534.html


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6 コメント

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Unknown (Yegy)
2006-07-25 00:04:41
まだまだオーストラリアは東ティモールに関与しつづける必要があるのですね。

たしかに、10代の若者が難民に悪意を抱く理由などなさそうです。

「マーシャルアーツ・グループ」はもう、裏に引っこんでしまったのでしょうか?

東ティモールが今後、どのように変貌してしまうのか、気にかかります。
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これからが本番です (中司)
2006-07-25 21:39:02
オーストラリアによる東ティモールの支配はこれからが本番です。

東ティモールのニュースが流れなくなり、誰もが忘れてから本格的にはじまります。

もちろん表面上オーストラリアはどこにもでてきませんが。

メディアがいなくなり、ニュースが途絶えたら、東ティモールへ行きます。

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Unknown (Yegy)
2006-07-25 23:11:36
日本ではもう東ティモールは報道されなくなりましたね。
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メディアはまだいます (中司)
2006-07-25 23:29:27
欧米のメディアも日本のメディアもまだいます。

アルカティリ前首相の命運もまだ決まっていないですし、もしかするとまだひと波乱があると考えているメディアもいるでしょう。



欧米人スタッフが去っても、現地契約スタッフにきりかわると、東ティモールのニュースは世界から消えます。実際は、現地スタッフが送ってはいるのですが。
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Unknown (Yegy)
2006-07-26 10:39:29
ティモール・ロロサエのサイトの更新が最近すくないのは、みなさん忙しいのでしょうか?
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交流はないので (中司)
2006-07-27 14:04:43
まったくのひとりでやっていますので、他の方のことはよくわからないです。

「ロロサエ情報」は以前はたいへん参考にさせていただいていました。

その労力には、頭が下がります。
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