報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

「郵政民営化」とメディア(8)

2005年08月10日 00時16分48秒 | □郵政民営化
<メディアによる小泉大応援合戦>

これから、911の選挙にむけてメディアの小泉純一郎大応援合戦がはじまりそうだ。いや、すでにはじまっているか。今後、ますますメディアの応援はエスカレートしていくだろう。しかし、小泉自民党は負ける、と僕は予想している。

小泉氏は、単なるパフォーマーにすぎない。中身は何もない。「小泉死して語録を残す」程度のものしか、日本政界史に残さないだろう。小泉語録は、冷静に見れば、国民をバカにしたものでしかない。国会で、自身の年金問題を追及されたとき、「人生いろいろ。会社もいろいろ。社員もいろいろ」と答弁した。たいした国家元首である。こんな言葉に喝采をおくり、批判もしないメディアも国民をバカしている。確かに、小泉氏は一流のパフォーマーだ。国民の眉目を引くツボを心得ている。ある意味では、中身がないから、パフォーマンスで誤魔化すしかないのだ。

「小さな政府」「官から民へ」「改革には痛みをともなう」と聞こえのいいことばかりを言っているが、それは単なるスローガンにすぎない。小泉氏は将来に対する現実的な展望は一切示していない。漠然と、良くなるというイメージを与えているにすぎない。国民は、何を目標に我慢すればいいのかわからない。我慢は現実的な目標があってはじめてできるものだ。

世界中の開発途上国のひとびとは、「改革には痛みをともなう」という言葉を聞かされ続けてきた。しかし、彼らの生活がよくなった例を知らない。「小さな政府」=緊縮財政、「官から民へ」=民営化についても同じだ。それを実行した国の国民生活が向上した例を知らない。”民営化に成功例なし”と言いきる人もいる。

小泉政権になってから、日本はどうなったかを見れば、小泉改革の実態が露呈する。小泉政権のこの4年ちょっと、日本国民の生活はまったく向上していない。増税、福祉予算カット、失業率の増加、地方の切捨て・・・。明らかに生活は苦しくなっている。そして将来に対する期待感もない。その反面、小泉政権は2003年には約30兆円もの巨費を為替市場に投入している。アメリカの赤字を支えるためだ。

何のビジョンもなく、国民にただ我慢だけを押し付けるパフォーマー小泉氏を、それでも支持しようという人が体勢を占めるとは、到底考えられない。特に、小泉政権によって、とことん痛めつけられてきた金融機関、中小企業、そして地方自治体が小泉自民党を支持することはないだろう。メディアがその総力をもって、小泉氏を応援し、除名自民党議員と民主党を袋叩きにしたところで、国民の生活が良くなるわけではない。

この総選挙で、マスメディアとアメリカ政府の強力なバックアップを得られるとしても、やはり小泉氏には勝ち目はない。小泉氏とマスメディアにできることは、中身のないパフォーマンスを繰り返すことだけだ。いつまでも通用する手口ではない。あくまで投票するのは日本国民だ。メディアでもなければ、アメリカ政府でもない。そこのところを、小泉氏は理解していない。