laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
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へたな喜劇より面白い

2008-11-16 | kabuki a Tokio

後ろの席のおばちゃんたちの感想「へたな喜劇より面白い」

もちろん、褒めてるつもりなんだろうけど、そして、客の皆さんからは満足の声しか聞こえてこないんだけど・・・ああいう空間でひとり、苦虫をかみつぶしてる自分はもう自分でもいやになるほど嫌味なんだけど。

乗れないんだよなあ・・・

はい、「じゃ観にいくな」ってことなんでしょうね。

勘太郎見たさに、ため息つきながら見てる自分って、なんだかなあ、と思います。

 

 

とはいえ、初回の観劇のときよりは、全体に芝居は締まってきていて、それなりに楽しめたことも事実。

ただ、笹野の勘十郎だけはどうしても許せない。あの役をああいう品のないエロ爺に貶めた彼の(そして演出の串田の、そして座頭の勘三郎の)責任は重大だと思う。しかも、下品な部分は日々拡大しているようで。変なアドリブも増えてるし。今まで歌舞伎役者以外でも歌舞伎に出て何が悪い、と思っていたあたしだが、あのエスカレートぶりを見て、やっぱり歌舞伎が分かってない人間には無理なんじゃないか、と思えてきたよ。

悪し様に言ってますが、役者としての笹野は嫌いじゃない、というかむしろ好きなほうなんで、愛のある苦言だってことで。

後方からの観劇では気づかなかったポイントをいくつか。

1.捕手に飛び込む法界坊(というか変化のもの)は吹き替えちゃんだったのね。捕手にいてうがいないとおもってたらそうだったのか。カーテンコールにも出してやって欲しい。

2.最後に投げる蜘蛛の糸、最初は黒で後は白。法界坊の黒い魂と野分姫の白い魂って意味なのか、法界坊の魂が浄化されて白くなったってことなのか。いろいろ意味ありげです。

3.前半にはなかった舞台上の桟敷席(羅漢席)が面白い。
きちんと桟敷としてしつらえてあって、まるで舞台の登場人物のように背筋を伸ばして座っている客。あそこはご贔屓さんのみの特権なんでしょうか?
いや、座りたくないけど、決して。
つか苦虫かみつぶして腕組みした客は決して座っちゃいかんでしょう。

 

芝居そのものの感想は初回の感想とほぼ同じ。
印象(特に大喜利)は少しよくなった、ってことではなはだ簡単ですが。

 

冒頭の画像は中村座内に飾ってある先月の役者57名(なんと四十七士+十人なのね)の連判状。カンタだけ勘平気分で血判だよ!お馬鹿だねぇ・・・