*わが家の庭に咲いたシレネ・カロニアーナ。本記事と関係ありません。
先頃、服飾デザイナーの森英恵さんがお亡くなりになった。
森英恵さんと聞いて、わたしが思い起こすのは、
「腰で歩く」
という言葉である。
むかし、とあるテレビ番組でご本人が語っておられた。
たしか、「いつもお若く見えますが、若さの秘訣は何ですか?」というような質問に答えての言葉だった、と記憶している。
腰で歩くとは、「腰を立てて背筋をスッと伸ばして歩く」という意味であろう。
いま考えるにこれは、本人の個人的な日々の心掛けというより、多くのファッションモデルを見てきたプロのデザイナーの、「人に自分を美しく見せる極意」の開示だったのではなかろうか、と思う。
わたしは本や人との出会いなどで知った教えや、心に残った言葉を集め、とくに気に入ったものをカードに書き、自分のための手製 ‘日めくりカレンダー’ を作っている。この「腰で歩く」はそのうちの一つである。(上の写真)
ただわたしの場合、これを見たその瞬間はスッと背筋を正しても、ほかのことを始めるとすぐに忘れてしまう。