興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

ぼ~っとしたミカン

2020-11-21 | 随感・偶感・歳時感

わが家の温州ミカンです。

何の緊張感もなく、ぼ~っと、太るにまかせて大きくなってきたようなミカンが、木の中に一つ二つ生りました。

他人事とは思えぬ親しみを感じ、一つもいできて食べてみると、「見かけによらず」と言いたいところですが、大味でぼんやりとした「見かけ通り」の味でした。

よく言えば、甘すぎず酸っぱすぎず、おっとりした味。

 

 

 

    

曹洞宗徳雄山建功寺住職、枡野俊明(ますの しゅんみょう)師の言葉に、こんなものがあります。

 ぼーっとしてみる

 (『日めくり 一日一禅 -シンプルに美しく生きる禅の教え<枡野俊明・小学館>より)

この「日めくり」で枡野俊明師は、

「多忙な時こそあわてず、あせらず、何もせず、たとえ3分でも、ただぼんやりしてみる。
 すると何ものにもとらわれない、純粋で素直な自分が顔を出すでしょう」

と解説していました。

人もさまざま、ミカンの個性もさまざまです。
わが家の「ぼ~っと太るにまかせて大きくなったミカン」も、それほど日当たりが良いわけではない庭で、おっとりと穏やかに、自分らしい生(せい)を素直に生きてきたのです。

味わっていただきましょう。

 

 

 

 

紅葉(黄葉)も深まってきました。