興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

権力の抑制均衡のメカニズム

2014-07-05 | チラッと世相観察

目白の学習院大学です。

ゆったりとした敷地に洒落た建物。とてもきれいなキャンパスですね。

きのう(7月4日)、小雨降る夕どき、この学び舎で青春を謳歌する若い学生たちのなかに、チラホラとふだんおそらく見かけないであろうおじさん、おばさんたちがいました。

なにを隠そう、わたしもその中の一人でしたが・・・。


きのうは6時から、「立憲デモクラシーの会」主催の、公開講演会があったのです。

公開講演会のテーマは、

「集団的自衛権を問う—— 立憲主義と安全保障の観点から」

でした。

7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定を‘容認’できないと思うわたしは、日本の憲法学の権威である学者の先生方が立ち上げたこの会(立憲デモクラシーの会)の講演会に、勉強のため訪れたというわけです。


会は三谷太一郎東京大学名誉教授(政治史)の基調講演をはじめ、盛り沢山な内容でした。

三谷先生は、江戸時代の幕藩体制の昔から、日本には「権力の抑制均衡のメカニズム」があったことを、歴史的事実をもとに格調ある講義口調で説いておられました。

権力の暴走に対するチェック・牽制機能は、江戸時代から一貫して日本人のDNAの中にあったのですね。


しかるに今回の「集団的自衛権行使容認」の閣議決定はなんだったのでしょう。

明らかな憲法違反(第九条)であるにもかかわらず、政府は何のチェックも受けず(国会からも裁判所からも、そして大方のマスコミからも)、好き勝手に物事を決め、進めているように見えます。

これを権力の暴走と言わず何と言ったらよいのでしょう。


この講演会の中で発言を求められた、同じく東京大学名誉教授の樋口陽一先生(憲法学)はこのようにおっしゃっていました。
「これは長期戦になる」と。

閣議決定されたからもうお終い、ではないのです。

憲法違反の閣議決定がいつのまにか既成事実化され、勝手に周辺の法整備をされ執行されることがないよう、わたしも集団的自衛権行使反対の‘戦い’に参加しようと思っています。

 

 

 



500人ほども集まったと思われる今回の講演会には、おじさん、おばさんだけでなく、たくさんの若い人たちも見受けられました。

とても心強く思いました。