kyon's日誌

つれづれに・・・

「銀の島」

2016年01月10日 | 日記
去年、ワタシはネットで学ぶという講義を三つほど受けたのですが、
その中に「大航海時代」という講義がありました。
最初はとても戸惑ってね・・・大航海というからにはまぁ、世界地図がしっかりしてなかった頃だから、バスコ・ダ・ガマのような探検のようなイメージを持っていた訳です。
ところが、確かにスペインやポルトガルの航海が世界地図を塗り替えていくような感覚もあるものの、実際はインド洋を経て日本にまでやって来た宣教師達が日本にどのような影響をもたらしたか?・・・だったので、ちょっとガッカリもしたのでした(苦笑)というのも、宗教的な話が多過ぎたから、しっくりと航海時代と宗教が結び付かなかった訳ですね(笑)
しかし、講義を受けるうちに面白いことも徐々に分かってきたという・・(^_^;)
例えば、
ザビエルが日本に来たその頃、日本は戦国時代に突入する前後であったし、時代背景としてもかなり面白い訳ですね・・・、
日本の時代背景にヨーロッパの進んだ文化が入り込む過渡期のような時代・・・その中で、ザビエル以後の宣教活動をしたヨーロッパ人が居て・・・と、、、これが面白くない訳がない・・
そういう講義を学んで、なるほどねぇ・・と感心したのだが、
実は一つ引っかかっている事もあった。

ザビエルが日本に来る「きっかけ」になったのが、日本人「ヤジロウ」(弥二郎、或いは安次郎と言われている)とマラッカで出会ったからと言われてるが、そのヤジロウなる人物の事が良く分かっていない。
謎な訳ですよ・・何で日本を出てマラッカに居たのか?ヤジロウ(安次郎)・・・
この辺の経緯・・・興味が沸くじゃありませんか。
でね、
ある方から「銀の島」山本兼一・著を薦められた。
年が明けたらとワクワクしていましたら、出遭いました、ヤジロウの人生に(^^ゞ

謎に満ちたその日本人、ヤジロウ(安次郎)を通した大航海時代の背景やら世界観が見えてくる訳ですね・・・
いや、これは作家の創作であるのだけど、30冊以上の文献を踏まえたその時代背景も人々の関係性も実にリアルな感覚で読める訳です。
余談ですが、
山本さんはこういう膨大な資料を読み解きながらリアル感のある物語に膨らませていくのが素晴らしい作家ですね・・・大げさな書き方はなさらないが、実に心のひだに沁みてくる・・・重厚な燻し銀・・・そんな感じを受ける。
で、話を戻すが、
その当時、世界を動かしていたのは「金」ではなく「銀」であった訳だから、日本の石見銀山の侵略話も絡む・・・これがリアルに絡むね~(笑)
宣教師としてのザビエルの純粋さと、ヤジロウ(安次郎)の心の葛藤や世界を知って成長する過程など・・・、
例えるなら、今の時代や生活や人としての切実な疑問が重なるような気がしてくる訳です。ストーリーだけど、ストーリーに留まらない面白さがある訳ですね。

読後感が変にリアル・・・史実のような気さえしてくる・・・
う~~む・・・とうならずにいられなかった(苦笑)
ちょっと夢から覚めたオバサンになってましたね(笑)

あの時代から5百年以上経ち、さて、日本はどれだけ変わったのだろうか?
そんなハテナ「?」・・も何気に思ったりする。
コメント (6)
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