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森の空想ブログ

曲がったキュウリが好き


タイ・ラオス・ミャンマーの国境、黄金の三角地帯と呼ばれ、かつては麻薬の栽培地帯だった地域を訪ねた旅の事を思いだしています。タイの三月、水かけ祭りの行われるころは、日本の真夏をはるかに上回る暑さで、密林を象に乗って通り過ぎ、峠を越えた山の村を訪ねた帰りに、脱水症状と熱射病と持病の慢性すい臓炎が合併症状となってあらわれ、ダウン寸前になっていた時、川辺で客待ちをしていた渡し船の船頭が手渡してくれた瓜と胡瓜と西瓜の雑種のような果物に助けられた思い出です。その果物の美味しかったこと。

さて、わが「じゅうじ農園」では、キュウリを土の上に敷いた藁の上で栽培しています。一般に見られる竹で組んだキュウリ棚に蔓を這わせる栽培法と違って、キュウリの蔓はのびのびと地面を這い、黄色い花を咲かせて、やがて青々とした実を実らせます。だから、この農園のキュウリは、小ぶりで、曲がっていて、みるからに昔風な「胡瓜」といった風合いなのです。そういえば、キュウリは「胡瓜」と書くように、シルクロードを経て、はるか西方の「胡」の国から我が国にもたらされた渡来植物なのです。原産地はインド北部・ヒマラヤ山麓といわれます。日本では平安時代から栽培されているなじみ深い作物です。「木瓜」あるいは「黄瓜」とも書くように、もともとは黄色く売れたものを食べていたようですが、時代が下るにつれ、甘みがあって見た目も美しい青いキュウリを食べるようになったのです。近年、わざわざまっすぐに伸ばすという栽培法もあるようですが、千年という時間のなかで、食べ方も姿も、変化してしまったのが「胡瓜→キュウリ」ということでしょうか。

曲がったキュウリや大きくなってやや黄色みを帯びたキュウリも好き。あの大きなキュウリを薄切りにして、塩で揉んで食べる。土の畑と太陽の匂いがする。大きめに切って、「瓜」のように食べると、それは、あのアジアの国境地帯で食べた果物のように、たっぷりと水分を含んで、夏の疲れた身体を癒してくれるのです。
*前号に続き「友愛社ホームページ/じゅうじ農園」の記事をコピー。

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